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13章続き

267 列の目的

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ウラボン 視点

向かう途中にうさぎの獣人と手を繋ぐ知識族の女を見かけた。

ここにも知識族が住んでいるのか。
おっと!急がないとな!

気にはなるがお偉いさんを待たせるわけにはいかない。
俺達は足を速めた。

ギルドの一般受付は昨日と同じで行列が出来ていた。

「スゲェ行列だな。なんの依頼なんだ?」

「さぁ?受付に聞いてみたら?」

「そうだな。」

俺達は冒険者受付に向かった。

「チーム、ウロボロスだ。統括ギルドマスターに呼ばれて来たのだが…」

「はい。少しお待ち下さい。」

受付は別の受付に変わった。

「ああ、わかった…1つ質問なんだが…」

「はい。なんでしょうか?」

「入り口に並んでいる行列はどんな依頼なんだ?」

「ああ…大体はカニですね。」

「「カニ?」」

俺達は聞き返した。

「最近ロッククラブがブルーサファイア海岸に戻ったらしく、そのハサミと外皮を採ってきてという依頼です。」

「そんなに貴重なのか?」

「はい!味は絶品で、外皮も色々な素材に使えます。ですが、捕獲条件が難しくて現地の漁師でも難しいようです。」

「俺達でも出来そうか?」

人気の依頼なら稼げそうだ。

「えーと、打撃系の方はいますか?」

「俺は普段は盾役だが、ハンマーで打撃を与えられるぜ。」

アッシュは甲殻系の魔物にはハンマーで戦っている。

「なら、そこの鉄塊を砕いて下さい。」

受付のねーちゃんが指さした方向に丸い鉄の塊が置いてあった。

「建物の中だがいいのか?」

「大丈夫です。防音防振の結界を張られているので思いっきり振っても大丈夫です。」

「そうか、なら遠慮なく。」

アッシュは盾に付けているハンマーを外し、両手に握ると振り下ろした。

キンッ!!

ハンマーと鉄塊がぶつかり火花が起こった。
だが、鉄塊に傷一つ付いてないように見えた。

「無理ですね。行っても無駄です。今年は以前より異常に耐久力が上がっているらしく漁師達もお手上げらしいです。」

「ロッククラブを倒すだけだろ?そんな必要あるのか?魔法とかで倒すとか。」

「必要あります。ロッククラブには表面を覆う割っても再生する岩のような外皮と鉄のように硬い内皮があります。その二層を突破し、初めて本体に届きます。衝撃が美味しさのカギとなるので必要になります。魔法によるダメージでは美味しさに繋がりません。あとロッククラブは収集が認められているのハサミだけです。ロッククラブはその身体の硬さに自信があり、その硬さを破られると負けを認めハサミを差し出す行動を行います。なお、ハサミと外皮の再生後、再度ハサミを収穫可能なので、ロッククラブを討伐する事は禁じられてます。」

つまり、殺して持って来れないということか…無理そうだ。

「それにロッククラブの採取は適任者に依頼したので、他の冒険者に依頼を回してません。」

つまり、その適任者の総取りというわけか、羨ましい限りだ。

「おう、待たせたな。」

統括ギルドマスターがやって来た。
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