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15章

373 検査

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"分身(本体)"  キラティア 視点

たかが腹痛でお見舞い?と思うかもしれないが魔物には洒落にならない程大病である。
適切な処理をしないと脱水症状で死ぬし周りに感染することもある。

なのでパトロールの途中で寄ることや対処法を連絡が来た時に伝えたのだ。

そんな訳でお邪魔します。ずぼっ!

「ふぅ…」

僕はププちゃんママに入る事を伝えた後、ププちゃんの家の小さな入り口に頭を入れた。
なんか落ち着く…

今度筒を作って遊ぼう。

うにゅー!!

僕は身体が餅のように柔らかくなりながら入り口を入って行った。
ロールケーキのような状態で入り口を突破した。

ぽん!!

そして元に戻る。

ププちゃんの家は入り口は狭いが中は広い。
これは外敵から身を守る為だ。
でも最近人参をププちゃんに渡すようになってププちゃんパパが入り口に引っかかって呼ばれたなぁ…

今度リフォームの提案でもするかな?

「ぷー…」

藁が敷かれた巣の中でププちゃんがぐったりしていた。
ププちゃんママには感染の可能性が高いから僕が行くまで水だけあげて、なるべく近づかないようにププちゃんを通して伝えてある。
マスクと消毒して…準備おっけ!!

さて…どん!!

「ぷ!?」

僕は懐から顕微鏡を取り出す。
まずは検便。
ププちゃんの便を綿棒で掬いガラスのプレートに乗せる。

ふむ…

僕は魔菌図鑑を取り出す。
ぺらぺら…

ない!がーん!!

大抵の魔菌が写真付きで載っている図鑑に今、目の前にある菌と少しも一致する物がなかった。

つまり、新種?

ふよふよ…ふよふよ…ギロッ!

顕微鏡の魔菌が睨んできた。

「あきゃぁぁぁ!!?」

思ったより怖くてびっくり!?

ん?そういえば似たようなのなんか見たな…
思い出せない。
とりあえず試験管に入れといて後で先生に渡そう。

さて、原因が魔菌と分かったのでとりあえず抗生物質を試してみるか。

僕はスポイトで抗生物質を吸い取りガラスプレートに垂らす。

ふむ…効果なし。めもめも…

一般の抗生物質ではダメなようだ。

では、ルナママがドラゴンさんを助けた薬ならどうだ。魔菌によく効く薬らしい。
以前、ルナママが作った薬をこっそりひと瓶保存していたのである。

ぽたっ!

僕はスポイトで薬を吸い垂らした。

ぱんっ!?

「あきゃっ!?」びくっ!?

何か破裂するような音が聴こえ、慌てて顕微鏡を視ると魔菌は消滅していた。
濃すぎたか…
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