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遠慮なければ近憂あり
俺は別にそんなふれあいいらねぇよ!
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「肌と肌が直接触れ合うほうが、お互い快感の度合いが高まるんですよ。粘膜だとより一層」
俺は別にそんなふれあいいらねぇよ!
「まぁ そうカッカすんなって」
するに決まってるだろ!! ん? あれ?
「藤也、この車、どこ向かってんの?」
母さんが再婚して、住むようになったところとは、明らかに違う場所に向かってると思うんだが。
「ああ、俺んち。マコは当分うちにお預かりな」
「はぁ!?」
「おや? 聞いていませんでしたか? あの二人、これからお盆休みも含めて長期休暇で海外へ旅行へ行っていますよ。昨日の深夜便で成田を立ったはずです。帰ってくるのは八月の末でしたっけ」
き、聞いてねぇ。
母さん、アンタほんと、大事なことは三回くらい言ってから家を出てください。俺がコイツらとメシ食いに出た時まだ、コレッぽっちも準備してなかったように思うんだが……
「私のマンションは1LDKですから真琴を引き取るには少し手狭で。その点、藤也の住んでいるところは無駄に広いし部屋も余っていますからね」
「いるようなもんはまた取りに行けばいいから、まずは帰ろうな」
「ちょっと待て! 服とか宿題とか、いろいろ家にあるんだけど。俺、何にも持ってきてねぇんだけどっ」
「服? そんなもの、着ている暇があると思ってたんですか?」
キラーン。
メガネに光が当たって、片方だけ歪んだ笑み。だからそれ、怖いって!!
「あるだろ!? フツーにあるだろっ! って言うか、水泳部のものとか。明日から練習あるんだぞ」
「ま、服はともかく。水泳部、ねぇ その日焼跡はそそるんだけどな」
「水泳部は辞めてください。真琴の肌を見てもいいのは私たちだけです。というより、真琴。明日からクラブに行くつもりだったんですか? その体で? 胸だけじゃなくて背中や足や……全身至る所に結構な鬱血痕があると思うんですが」
ひっ! そうだった! キスマークってどのくらいで消えるもんなんだろう!?
「消える暇なんか、与えませんよ? 冗談抜きで」
ひぃぃぃいっ!
おかしい。コイツらがおかしいのは、昨夜体で思い知ったけど、まだ理解できない。
「俺、マコを家に送ったら一回店に行こうと思ってんだけど、柊也は?」
「仕方ありませんから、真琴の代わりにいるものを運びますよ。私のものもいくばくか運ばなくてはなりませんし」
「ふーん。んじゃ、自分の先に取りに行けば? 途中までなら送る」
「いえ。藤也はもう一台で店へ行ってください。私がこちらで荷物を運びます」
「ああ、そっちのが効率いいか。わかった。帰りは七時くらいになると思うんだけど、メシどうする? 青山の店に頼んだらなんか作ってくれると思うけど」
「お願いします」
「了解」
俺そっちのけで、サクサク話が進んでる。レスポンスの速さはさすが双子、なんだろうか。
「ちゅーわけで、マコはお留守番な。夜まで寝てろ」
「なっ! 寝ねぇよ!」
「寝ておかないと、今夜も寝かせませんよ?」
なっ!? お前らッ!! 昨夜あんだけしといて!?
俺は別にそんなふれあいいらねぇよ!
「まぁ そうカッカすんなって」
するに決まってるだろ!! ん? あれ?
「藤也、この車、どこ向かってんの?」
母さんが再婚して、住むようになったところとは、明らかに違う場所に向かってると思うんだが。
「ああ、俺んち。マコは当分うちにお預かりな」
「はぁ!?」
「おや? 聞いていませんでしたか? あの二人、これからお盆休みも含めて長期休暇で海外へ旅行へ行っていますよ。昨日の深夜便で成田を立ったはずです。帰ってくるのは八月の末でしたっけ」
き、聞いてねぇ。
母さん、アンタほんと、大事なことは三回くらい言ってから家を出てください。俺がコイツらとメシ食いに出た時まだ、コレッぽっちも準備してなかったように思うんだが……
「私のマンションは1LDKですから真琴を引き取るには少し手狭で。その点、藤也の住んでいるところは無駄に広いし部屋も余っていますからね」
「いるようなもんはまた取りに行けばいいから、まずは帰ろうな」
「ちょっと待て! 服とか宿題とか、いろいろ家にあるんだけど。俺、何にも持ってきてねぇんだけどっ」
「服? そんなもの、着ている暇があると思ってたんですか?」
キラーン。
メガネに光が当たって、片方だけ歪んだ笑み。だからそれ、怖いって!!
「あるだろ!? フツーにあるだろっ! って言うか、水泳部のものとか。明日から練習あるんだぞ」
「ま、服はともかく。水泳部、ねぇ その日焼跡はそそるんだけどな」
「水泳部は辞めてください。真琴の肌を見てもいいのは私たちだけです。というより、真琴。明日からクラブに行くつもりだったんですか? その体で? 胸だけじゃなくて背中や足や……全身至る所に結構な鬱血痕があると思うんですが」
ひっ! そうだった! キスマークってどのくらいで消えるもんなんだろう!?
「消える暇なんか、与えませんよ? 冗談抜きで」
ひぃぃぃいっ!
おかしい。コイツらがおかしいのは、昨夜体で思い知ったけど、まだ理解できない。
「俺、マコを家に送ったら一回店に行こうと思ってんだけど、柊也は?」
「仕方ありませんから、真琴の代わりにいるものを運びますよ。私のものもいくばくか運ばなくてはなりませんし」
「ふーん。んじゃ、自分の先に取りに行けば? 途中までなら送る」
「いえ。藤也はもう一台で店へ行ってください。私がこちらで荷物を運びます」
「ああ、そっちのが効率いいか。わかった。帰りは七時くらいになると思うんだけど、メシどうする? 青山の店に頼んだらなんか作ってくれると思うけど」
「お願いします」
「了解」
俺そっちのけで、サクサク話が進んでる。レスポンスの速さはさすが双子、なんだろうか。
「ちゅーわけで、マコはお留守番な。夜まで寝てろ」
「なっ! 寝ねぇよ!」
「寝ておかないと、今夜も寝かせませんよ?」
なっ!? お前らッ!! 昨夜あんだけしといて!?
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