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雀の上の鷹、鼠の上の猫
記憶のごみ箱フォルダに入れて永久に消去してぇ……
そんなこんなで第二部スタート!
この話だけ一度未来に跳んで、次からは前回の続きです。
この先もよろしくお願いします。
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水曜日。六限目のHR。
俺はものすごく気の抜けた体を机に載せてボーっとしてた。
週の中日。
昨夜も、ヤられたわけじゃないけど、それに近いことをいろいろされて眠りについたのは多分午前回ったくらい。
俺は結局、あのホテルでの一件以降、家に帰ってない。否。新学期初っ端の登校日に、一回帰ったけどぺいっと追い返された。
誰にって、母さんに。
ホント、もう、酷い母親。
真顔で言うんだぜ?
『えー だって、真琴いると彰一郎さんとところ構わずいちゃいちゃできないじゃないの。もう高校生なんだから新婚さんに気ぃ遣いなさいよ』
チョットマッテクダサイ。結婚してもう、結構経つと思うんですけど。
『なんかねー 旅行行ったじゃない? 遅めのハネムーン。アレの余波? お互い仕事も一段落してやっとなんか『夫婦』って感じになってきたの。藤也君とこ、部屋余ってるから大丈夫って言ってるし、学校だってあっちの方が近いんだからいいじゃない、藤也君とこいたら』
確かに、藤也のマンションのほうが、学校に近い。山の手にあるこの家より、若干都市の中央に近くて、実にいい位置に藤也のマンションはある。学校までは距離一駅半。って言うか余裕で歩いて通える。
だっけっどッ!!
俺の状況なんかコレッぽっちも知らないし、俺もさすがに母親に『二人がかりで軽く軟禁されてエロいこといっぱいされたから助けて』なんて言えなくて。
まぁ 俺も男だし恥ずかしいってのもあったけど、心配かけるからって言うより、なんつーか、あの人、そんなこと言ったら『真琴ったらもってもてー』とか大喜びで熨斗(のし)付けて俺をあの二人んとこに送り届けるくらいやってのけそうだから。
んなことになったら、本気で俺の家出先候補が減る。ちなみにもう一つの候補先は幼馴染ん家……つーか、もともとは俺の暮らしてた家だけど、こっちもあっさり位置はバレている。
なぜなら夏休み中にも一回逃亡したから。
まだ旅行中だった母さんに双子のどっちかが連絡を入れて、時差が何時間かなんて考えもしない母さんに『夜遅くなっても真琴が帰ってきません。心当たりは』とか尤もらしく聞きだした。
その時間、日本は午後六時。夏の六時ってまだ充分明るい。
高校生男子が家に帰ってこなくても全然問題ない時間だと言うのに、母さんはあらあらと、分譲マンションの一室である、元我が家の住所をあっさり伝え、俺はあえなく捕獲された。
その後の事とか、ああ、思い出したくない。
でもたまには帰ってくるからなと、閉まったドアに向かって叫んだところで、目星付けて俺の捕獲にやってきた柊也に強制的に連行されて。
俺は次の日学校を休んだ。
理由? もちろん思い出したくない。でもさすがに学校を休むのは学生の本分ウンヌンカンヌンで、これ以後ウイークデーはそこまでされてない。その分週末が問題だ。
って言うか、アレ以降の夏休みの出来事まるごと全部、記憶のごみ箱フォルダに入れて永久に消去してぇ……
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