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過ぎたるは猶及ばざるが如し
……ちょっと待て。今まで散々好きにしてきただろお前……
しおりを挟むくちゅくちゅ、結合部が鳴る音と、俺の息に音が混じるような声。それだけが響いて単調に時間が過ぎていく。長い、終わりが見えない、じれったい刺激に頭がぼーっとしてくる。
「や、も……まぜな……っで。乳首、まわり……なで、なっ……ぃでぇ」
「まぜないのならどうしてほしいですか?」
「そうそう、撫でないならどーする?」
上がった息の合間に絶え絶え訴えたら、待ってましたって感じで間髪入れずにやっぱりな問いかけが返ってきた。
柊也はやっぱり、片方だけ唇が上がったあの笑みで、藤也もにまーっと笑ってる。
ぬあ。
ちくしょう。
飽くまでも俺に言わせようと言うのか。
お前らだって、お前らだって、お前らだって!! 他の事したくてじりじりしてたくせにッ!!
でも絶対、俺が言わないと、絶対ッ こいつらこのまま朝までこのままっ このままッ!!!
「……うーっ」
「あらま。まだダメ?」
「……の、ようですね」
喋ったら思ってることと違うこと口走りそうだから、見下ろす双子睨んで唸ったら、二人の顔が緩んで、藤也なんかしかたねぇなぁとか、肩まで落としてる。
「よし、決めた」
肩を落としてたのはほんの一瞬で、すぐに立ち直ったように顔を上げて、なぜか右手挙手。
「もう俺好きなことしちゃうもんね」
……ちょっと待て。今まで散々好きにしてきただろお前……
「と言うわけで、ちょっと二人で遊んでて!」
言うが早いか、無駄に広いベッドをびょんって降りて、アレってウチにもおいてたっけー? とかブツブツつぶやきながら寝室のドア半開きにして出て行った。
……何を探しに行った、藤也……
呆然と、半開きのドアを見つめていたら、するりと上になったほっぺたを撫でられた。
「藤也が気になりますか?」
藤也が、というより、ナニをしにいったのか、が気になりますよ……どうせろくな事じゃないだろうけど。
ほっぺたから、するすると大きな掌が喉、鎖骨、そこからするりと、両脇。
両脇? もう片方の手、どこから来た?
って思った瞬間。
「んンッ!! ッきゃうッ!?」
ぐいっと、上半身ひっぱりあげられた。
ずーっと腰上げられて頭低くて頭に血が集中してた体勢からいきなり頭が心臓より上になって、くらっとしたのと同時に、そりゃ当たり前なんだけど、繋がったままだから……ズガッと来るわけだ。
一段と深くまで抉られて、一瞬チリっと感電したみたいになる。
「クッ」
柊也が短く息を吐いて、その手が背中を回って反対側の脇まで手が届くくらいぎゅうっと抱きしめられた。
柊也がそのまま、胡坐をかくように足を動かして座る。そしたら、もともと柊也の腰に限界まで開かされてた俺の足は、その腰を挟み込むみたいに柊也の脇の方へ。
ぐっとさらに繋がったとこを引き寄せられる。更に奥へ入り込んできたモノの存在感に内臓が押し上げられて息が止まりそうになる。
こんな串刺しみたいなの続けられたら中身ひっくり返る! 慌てて両手振り回して、とにかく柊也の首にしがみつく。しがみつくと言うか、ぶら下がると言うか。
あー なんか、この体勢の既視感。あの時は後ろから藤也に突っ込まれてたんだけど。
「はっ 深ッ! おく……広がッ……!」
「これはまた……奥はまだみっちりとして。真琴のナカは、素晴らしいですね」
必死に掴まってるつもりなのに、腕にも足にも、もう全然力残ってないのか、柊也に腰を掴まれたまま体が動かない。
何とか息をしようとしてる俺の顔にちゅっちゅっとキスを落としながらも、柊也は俺の腰を放してくれる気配がない。
「んっ んはっ はなっし、って」
「もう少し馴染むまでこのままと思ったんですが、馴染んでほぐれる前に突き上げられたいと言うのが希望ならそうしますよ?」
ずっと上方向に逃げようと力を籠めていた腰を覆っていた手がすっと離れれば、ずるっと抜けながら密着していた部分も離れる。
「あっ あああっ」
ずるずるっと、抜けていく。
身長差あってよかった。コレなら抜けそ……
気持ちいいとこを、太いところが通過したくらいまで抜けたとこで、限界。
ど、こ、ろ、か。
「ひゃああああああッ!!」
ぐーっと、柊也が背中丸めやがった!
当然、腰を掴む手も戻ってきた。
必然。
めり込んできた。
また奥まで。
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