21 / 68
第一章:聖女から冒険者へ
20.甘い夜②※
しおりを挟む
「はぁっ、はぁっ……」
私は肩を大きく上下させながら荒い呼吸を繰り返していた。
(体が熱い……)
イザナと繋がってから、もうどれくらいの時間が経ったのだろう。
私は何度も絶頂まで導かれ、白い肌には無数の赤い痕が散らされている。
これを見れば私がどれだけ彼に愛されていたのかが分かるはずだ。
「ルナ、体勢を変えようか。今度はルナの顔を見ながらしたい」
「……うん」
私は再び体を反転させて仰向けに転がった。
大分体力がなくなっていることもあり、イザナが手伝ってくれた。
体は疲れてきているけど、愛されているという実感をもう少し味わっていたくて何度も彼に抱かれ続けている。
体勢が変わると直ぐにイザナが覆い被さって来て、頭の横に置かれている私の指を絡める様に繋いでくれた。
そして欲望に満ちた瞳に捕らえられると、そのまま唇を深く塞がれた。
(イザナ、大好き……)
「はぁっ、んんっ……!」
唇が触れるとすぐにイザナの舌が私の咥内の中へと入り込んできて、厭らしい水音を立てながら何度も角度を変えて深く口付けられる。
今の彼は欲望のままに貪る野獣のようだ。
それはきっと私も同じなのだろう。
理性は疾うに溶かされた熱によって飲み込まれ、今は本能のままに彼を求め続けている。
「本当はもっとルナを味わっていたいけど、私もそろそろ限界だ。ルナの中で果てたい」
「……っ、はぁっ、うん」
彼は唇を剥がすと、息がかかる程の距離で切なそうな声で言った。
その言葉と姿に私の感情は昂っていく。
「……ぁっ」
私が小さく頷くとイザナの熱くなった塊が私の中に再び押し込められた。
膨張して明らかに質量を増しているそれは、お腹に圧迫感を与える。
それは彼も私と同じように、興奮から感情を昂らせているということなのだろう。
「ルナ、激しく動くけど、意識はまだ飛ばさないで」
「……うん、わか、った、ぁっ、ぁああっ……っっ!!」
イザナは一気に最奥を貫いた。
激しい衝撃に私の体は大きく揺れ、それと同時に感じる刺激の強い快楽に腰を反らせた。
イザナは腰を何度も激しく打ち付けながら、再び私の唇を強引に奪った。
「ルナ、……っく」
「ぁあああっ!!」
先程の甘ったるい快感とは違い、全身の血液が沸き立つような感覚だった。
息をするのも忘れるくらい、頭の奥が何度も白く染まり、私は簡単に達してしまう。
それでも彼の動きは止まることなく、私が滾ったものを締め付ける度に最奥を激しく何度も貫かれる。
意識が飛びそうになると、繋がれた彼の指を精一杯ぎゅっと握りしめてなんとか堪えていた。
(だめ、まだ……意識は飛ばさない。今日は最後まで一緒にするって決めたんだから……)
私はそう自分に言い聞かせ、なんとか意識を保っていた。
涙と汗でぐちゃぐちゃになった顔で瞳を開けて見上げると、目の前には表情を歪ませ苦しそうにしているイザナの姿がすぐ傍にあった。
彼も私のように額からは汗が滲んでいるが、その姿さえも目が奪われてしまう程綺麗に映っていた。
私がイザナの事をじっと見つめていると視線が合い、彼はそれに気付くと小さく口端を緩めた。
その瞬間、私の鼓動はドクっと脈打った。
「ルナは随分余裕だな」
「そんなこと、ないっ……」
イザナはそう言うけど、私に余裕なんて無い。
ただ彼の姿に見惚れてしまい、一瞬我を忘れていただけだ。
「そう? ルナが望むなら何度だって抱いてあげるよ。抱き潰してもいい?」
「……っ、だめ! だって、明日は……」
私は困った様に眉を下げた。
「ふふっ、知ってるよ。今日はしないから、そんな顔はしないで。明日は夜花祭に一緒に行くんだもんな」
「うんっ……」
「ちゃんとルナの体力は残しておかないとな。それに意識を飛ばさないでくれてありがとう。最後は一緒に果てよう」
「うんっ!」
彼の言葉に私は笑顔で答えた。
すると彼は再び腰を揺さぶり始め、徐々に抽挿する速度を速めていく。
私の余裕も簡単に奪われ、再び追い詰められる。
「はぁっ、……ぁっ、だめ、きちゃうっ……ぁあああっ!!」
「……っ!」
先に絶頂したのは私だったが、その直ぐ後に彼も達したようだ。
私の一番奥に熱くなった欲望が勢い良く吐き出される。
ドクドクと熱いものが注がれていくのを始めて感じていた。
前回は意識を飛ばしてしまったので、知ることが出来なかったことだ。
(あ、……すごい。私の中に熱いのがいっぱい入って来る……)
それは温かくてとても気持ちが良かった。
きっと体だけでは無くて、心も満たしてくれたのだろう。
「ルナ、……愛してる」
イザナはぐったりと横たわっている私に優しい視線を落とすと、静かにそう呟いて額にそっと口付けた。
私はその言葉を聞くと胸の奥が熱くなり、何か込み上げて来るものを感じていた。
そして気付けば視界が曇り、私の目からは熱いものが零れていた。
(今、愛してるって……。私、イザナに愛してもらえているんだ。すごく嬉しい)
「結局、また激しくしてしまったな。ごめん。私はルナを見ていると気持ちが抑えられなくなるみたいだ。少しそれを直さないとな」
「ううんっ、嬉しいよ。私の事を沢山求めてくれて」
涙を流しながら笑っている私を、彼は微笑ましく眺めていた。
きっとこれが嬉し涙であることを彼は分かっているのだろう。
そして指で涙を拭ってくれた。
「ルナは本当に可愛いことばかり言うんだね。これ以上、私を溺れさせてどうするつもり?」
「……っ」
イザナはそのまま私のことを包むように抱きしめてくれた。
そして耳元で「もう1戦してみる?」と冗談ぽく聞いてきたので、私が慌てていると「冗談だよ」とからかわれた。
「酷いっ! またからかって……」
「ごめんね。ルナが可愛いからつい意地悪したくなってしまうみたいだ。絶対に手放さないよ。ルナは一生私だけの可愛い妻だ」
イザナは相変わらずサラっと言って来るけど、突然そんなことを言われると私は戸惑ってしまう。
嬉しいけど恥ずかしい。
そんな気持ちだ。
「イザナは」
「どうしたの?」
「本当は意地悪だね」
私がぼそっと漏らすと一瞬イザナは驚いた顔を見せて、その後すぐにふっと笑った。
「そうだね。ルナは意地悪な男は嫌い?」
「……嫌いじゃ、ない」
突然そんな質問をされ私は戸惑うも、恥ずかしそうに否定した。
「また直ぐに顔を赤く染めて、本当に私の妻は可愛すぎて困るな。耐性が付くのは当分先になりそうだね」
「……っ、イザナは可愛いって言いすぎだよっ! 恥ずかしいから、あんまり言わないで欲しい」
私が困惑した顔で恥ずかしがりながら睨むと「無理だな」と即答された。
「……っ!!」
「この顔、結構好きなんだ。だから、それを見る楽しみを奪おうとしないで」
「……っ」
そんな風に言われてしまうと、私は言葉を詰まらせてしまう。
イザナは口が上手いというか、私を追い込むのが本当に得意だ。
悔しいけど、そんな彼のことも私は好きなんだと思う。
「今日も疲れさせてしまったな。明日は朝から出掛けるし、ルナはこのまま眠ってしまっていいよ」
「イザナは?」
「私は少しやることが残っているんだ。それが終わったら眠るよ。だから気にしなくていい」
イザナはそう言うと私の額にそっと口付けた。
「お休み、ルナ」
「うん、おやすみ。イザナ……」
私は挨拶を返すと、静かに目を閉じた。
疲れてしまったからなのか、彼の匂いに包まれ幸福感に満たされている所為なのか、私はその後すぐに深い眠りへと落ちていった。
私は肩を大きく上下させながら荒い呼吸を繰り返していた。
(体が熱い……)
イザナと繋がってから、もうどれくらいの時間が経ったのだろう。
私は何度も絶頂まで導かれ、白い肌には無数の赤い痕が散らされている。
これを見れば私がどれだけ彼に愛されていたのかが分かるはずだ。
「ルナ、体勢を変えようか。今度はルナの顔を見ながらしたい」
「……うん」
私は再び体を反転させて仰向けに転がった。
大分体力がなくなっていることもあり、イザナが手伝ってくれた。
体は疲れてきているけど、愛されているという実感をもう少し味わっていたくて何度も彼に抱かれ続けている。
体勢が変わると直ぐにイザナが覆い被さって来て、頭の横に置かれている私の指を絡める様に繋いでくれた。
そして欲望に満ちた瞳に捕らえられると、そのまま唇を深く塞がれた。
(イザナ、大好き……)
「はぁっ、んんっ……!」
唇が触れるとすぐにイザナの舌が私の咥内の中へと入り込んできて、厭らしい水音を立てながら何度も角度を変えて深く口付けられる。
今の彼は欲望のままに貪る野獣のようだ。
それはきっと私も同じなのだろう。
理性は疾うに溶かされた熱によって飲み込まれ、今は本能のままに彼を求め続けている。
「本当はもっとルナを味わっていたいけど、私もそろそろ限界だ。ルナの中で果てたい」
「……っ、はぁっ、うん」
彼は唇を剥がすと、息がかかる程の距離で切なそうな声で言った。
その言葉と姿に私の感情は昂っていく。
「……ぁっ」
私が小さく頷くとイザナの熱くなった塊が私の中に再び押し込められた。
膨張して明らかに質量を増しているそれは、お腹に圧迫感を与える。
それは彼も私と同じように、興奮から感情を昂らせているということなのだろう。
「ルナ、激しく動くけど、意識はまだ飛ばさないで」
「……うん、わか、った、ぁっ、ぁああっ……っっ!!」
イザナは一気に最奥を貫いた。
激しい衝撃に私の体は大きく揺れ、それと同時に感じる刺激の強い快楽に腰を反らせた。
イザナは腰を何度も激しく打ち付けながら、再び私の唇を強引に奪った。
「ルナ、……っく」
「ぁあああっ!!」
先程の甘ったるい快感とは違い、全身の血液が沸き立つような感覚だった。
息をするのも忘れるくらい、頭の奥が何度も白く染まり、私は簡単に達してしまう。
それでも彼の動きは止まることなく、私が滾ったものを締め付ける度に最奥を激しく何度も貫かれる。
意識が飛びそうになると、繋がれた彼の指を精一杯ぎゅっと握りしめてなんとか堪えていた。
(だめ、まだ……意識は飛ばさない。今日は最後まで一緒にするって決めたんだから……)
私はそう自分に言い聞かせ、なんとか意識を保っていた。
涙と汗でぐちゃぐちゃになった顔で瞳を開けて見上げると、目の前には表情を歪ませ苦しそうにしているイザナの姿がすぐ傍にあった。
彼も私のように額からは汗が滲んでいるが、その姿さえも目が奪われてしまう程綺麗に映っていた。
私がイザナの事をじっと見つめていると視線が合い、彼はそれに気付くと小さく口端を緩めた。
その瞬間、私の鼓動はドクっと脈打った。
「ルナは随分余裕だな」
「そんなこと、ないっ……」
イザナはそう言うけど、私に余裕なんて無い。
ただ彼の姿に見惚れてしまい、一瞬我を忘れていただけだ。
「そう? ルナが望むなら何度だって抱いてあげるよ。抱き潰してもいい?」
「……っ、だめ! だって、明日は……」
私は困った様に眉を下げた。
「ふふっ、知ってるよ。今日はしないから、そんな顔はしないで。明日は夜花祭に一緒に行くんだもんな」
「うんっ……」
「ちゃんとルナの体力は残しておかないとな。それに意識を飛ばさないでくれてありがとう。最後は一緒に果てよう」
「うんっ!」
彼の言葉に私は笑顔で答えた。
すると彼は再び腰を揺さぶり始め、徐々に抽挿する速度を速めていく。
私の余裕も簡単に奪われ、再び追い詰められる。
「はぁっ、……ぁっ、だめ、きちゃうっ……ぁあああっ!!」
「……っ!」
先に絶頂したのは私だったが、その直ぐ後に彼も達したようだ。
私の一番奥に熱くなった欲望が勢い良く吐き出される。
ドクドクと熱いものが注がれていくのを始めて感じていた。
前回は意識を飛ばしてしまったので、知ることが出来なかったことだ。
(あ、……すごい。私の中に熱いのがいっぱい入って来る……)
それは温かくてとても気持ちが良かった。
きっと体だけでは無くて、心も満たしてくれたのだろう。
「ルナ、……愛してる」
イザナはぐったりと横たわっている私に優しい視線を落とすと、静かにそう呟いて額にそっと口付けた。
私はその言葉を聞くと胸の奥が熱くなり、何か込み上げて来るものを感じていた。
そして気付けば視界が曇り、私の目からは熱いものが零れていた。
(今、愛してるって……。私、イザナに愛してもらえているんだ。すごく嬉しい)
「結局、また激しくしてしまったな。ごめん。私はルナを見ていると気持ちが抑えられなくなるみたいだ。少しそれを直さないとな」
「ううんっ、嬉しいよ。私の事を沢山求めてくれて」
涙を流しながら笑っている私を、彼は微笑ましく眺めていた。
きっとこれが嬉し涙であることを彼は分かっているのだろう。
そして指で涙を拭ってくれた。
「ルナは本当に可愛いことばかり言うんだね。これ以上、私を溺れさせてどうするつもり?」
「……っ」
イザナはそのまま私のことを包むように抱きしめてくれた。
そして耳元で「もう1戦してみる?」と冗談ぽく聞いてきたので、私が慌てていると「冗談だよ」とからかわれた。
「酷いっ! またからかって……」
「ごめんね。ルナが可愛いからつい意地悪したくなってしまうみたいだ。絶対に手放さないよ。ルナは一生私だけの可愛い妻だ」
イザナは相変わらずサラっと言って来るけど、突然そんなことを言われると私は戸惑ってしまう。
嬉しいけど恥ずかしい。
そんな気持ちだ。
「イザナは」
「どうしたの?」
「本当は意地悪だね」
私がぼそっと漏らすと一瞬イザナは驚いた顔を見せて、その後すぐにふっと笑った。
「そうだね。ルナは意地悪な男は嫌い?」
「……嫌いじゃ、ない」
突然そんな質問をされ私は戸惑うも、恥ずかしそうに否定した。
「また直ぐに顔を赤く染めて、本当に私の妻は可愛すぎて困るな。耐性が付くのは当分先になりそうだね」
「……っ、イザナは可愛いって言いすぎだよっ! 恥ずかしいから、あんまり言わないで欲しい」
私が困惑した顔で恥ずかしがりながら睨むと「無理だな」と即答された。
「……っ!!」
「この顔、結構好きなんだ。だから、それを見る楽しみを奪おうとしないで」
「……っ」
そんな風に言われてしまうと、私は言葉を詰まらせてしまう。
イザナは口が上手いというか、私を追い込むのが本当に得意だ。
悔しいけど、そんな彼のことも私は好きなんだと思う。
「今日も疲れさせてしまったな。明日は朝から出掛けるし、ルナはこのまま眠ってしまっていいよ」
「イザナは?」
「私は少しやることが残っているんだ。それが終わったら眠るよ。だから気にしなくていい」
イザナはそう言うと私の額にそっと口付けた。
「お休み、ルナ」
「うん、おやすみ。イザナ……」
私は挨拶を返すと、静かに目を閉じた。
疲れてしまったからなのか、彼の匂いに包まれ幸福感に満たされている所為なのか、私はその後すぐに深い眠りへと落ちていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,459
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる