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第一章:聖女から冒険者へ
31.旧坑道へ①
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翌日、私達は魔法都市ジースに向かう為に旧坑道へと来ていた。
ここは現在管理されていない場所の為、明かりが無ければ真っ暗で何も見えない。
ソフィアが光の玉を魔法で出すと、辺りは次第に明るくなっていく。
この明かりのおかげで、私の心の中にあった恐怖心は少し薄れた気がする。
これならば問題なく先に進むことが出来そうだ。
「一応魔物が出る可能性もあるから、戦闘の準備はしていった方がよさそうだな」
「そうだね」
ゼロの言葉を聞いて、私は杖を取り出し防御アップの魔法をかけようとすると、私よりも先にソフィアが動いた。
「ルナ、ソフィアは回復師なんだ。今回は回復と補助はソフィアに任せようと思うので、私が魔物の注意を集めるからルナとゼロは遊撃に回ってもらってもいいかな?」
「分かった」
(ソフィアさんっては回復師なんだ……)
なんだかソフィアに私の役割を取られてしまったような気分を感じていた。
だけど私は攻撃魔法も扱えるので、イザナの取った判断は間違ってはいない。
昨日は暫くの間、二人で話していたみたいだし、イザナとソフィアが仲が良いのは雰囲気を見ていれば分かる。
イザナの事は信じてるけど、やっぱり不安になる。
「歩いて一時間程で抜けられるから、私に付いて来てね」
ソフィアは後ろを振り向いて私達に向かってそう言った。
いつでも戦闘に入れるように、イザナとソフィアが前を歩いて私とゼロは後ろを歩いていく。
イザナは前衛だし、ソフィアは案内役だ。
だから、この並び順は仕方が無いことなんだと自分に言い聞かせていた。
ソフィアは歩きながら何やらイザナと話している様子だ
少し距離を取って歩いているので何を話しているのかまではわからない。
イザナの隣はいつだって私の場所だったのに……。
そう思うとなんだか寂しく感じてしまう。
旧坑道の中は管理はされてないものの、一応地元民の通路にはなっている為歩きやすかった。
だけど道が入り組んでいて、歩くとすぐに分かれ道に遭遇する。
これは知っている者じゃないと絶対に迷ってしまうのも頷ける。
半分くらい進んだ所で、前を歩く二人の足が止まった。
「この奥に魔物がいる。私が先に入って魔物に注意を向けるからソフィアは補助魔法を頼む。ゼロとルナは、周りにいる敵の殲滅を先にお願い出来るかな」
「おう、任せろ!」
「うん、分かった」
準備が出来ると、イザナは魔物に注意を引きながら開けた場所まで進んで行く。
「イザナとこうやって一緒に戦うのって久しぶりだから、なんだかすごくわくわくするわ」
「ああ、そうだな」
ソフィアは楽しそうに話していた。
そして二人の息はぴったり合っているようにも見える。
イザナが守りに入ろうとすると彼女は防御シールドを張り、攻撃態勢に入ると強化魔法をかけていた。
私達はそれを追いかけながら脇に現れた敵から倒していく。
魔物の数はそこそこいたけど、あまり強く無かった為あっさり倒すことが出来た。
「とりあえずこれで全部倒せたな」
「うん、大丈夫そうね。イザナは王子の癖に、剣の腕全然なまってないね」
ソフィアは感心する様に言った。
「一応王宮に居た頃も剣の稽古はしていたからな。ソフィアだって、私が欲しい時に魔法をかけてくれるな。おかげで戦いやすかったよ、ありがとう」
「ふふっ、いいのよ。私達、良いパートナーだったものね」
ソフィアは懐かしそうに話していた。
ここは現在管理されていない場所の為、明かりが無ければ真っ暗で何も見えない。
ソフィアが光の玉を魔法で出すと、辺りは次第に明るくなっていく。
この明かりのおかげで、私の心の中にあった恐怖心は少し薄れた気がする。
これならば問題なく先に進むことが出来そうだ。
「一応魔物が出る可能性もあるから、戦闘の準備はしていった方がよさそうだな」
「そうだね」
ゼロの言葉を聞いて、私は杖を取り出し防御アップの魔法をかけようとすると、私よりも先にソフィアが動いた。
「ルナ、ソフィアは回復師なんだ。今回は回復と補助はソフィアに任せようと思うので、私が魔物の注意を集めるからルナとゼロは遊撃に回ってもらってもいいかな?」
「分かった」
(ソフィアさんっては回復師なんだ……)
なんだかソフィアに私の役割を取られてしまったような気分を感じていた。
だけど私は攻撃魔法も扱えるので、イザナの取った判断は間違ってはいない。
昨日は暫くの間、二人で話していたみたいだし、イザナとソフィアが仲が良いのは雰囲気を見ていれば分かる。
イザナの事は信じてるけど、やっぱり不安になる。
「歩いて一時間程で抜けられるから、私に付いて来てね」
ソフィアは後ろを振り向いて私達に向かってそう言った。
いつでも戦闘に入れるように、イザナとソフィアが前を歩いて私とゼロは後ろを歩いていく。
イザナは前衛だし、ソフィアは案内役だ。
だから、この並び順は仕方が無いことなんだと自分に言い聞かせていた。
ソフィアは歩きながら何やらイザナと話している様子だ
少し距離を取って歩いているので何を話しているのかまではわからない。
イザナの隣はいつだって私の場所だったのに……。
そう思うとなんだか寂しく感じてしまう。
旧坑道の中は管理はされてないものの、一応地元民の通路にはなっている為歩きやすかった。
だけど道が入り組んでいて、歩くとすぐに分かれ道に遭遇する。
これは知っている者じゃないと絶対に迷ってしまうのも頷ける。
半分くらい進んだ所で、前を歩く二人の足が止まった。
「この奥に魔物がいる。私が先に入って魔物に注意を向けるからソフィアは補助魔法を頼む。ゼロとルナは、周りにいる敵の殲滅を先にお願い出来るかな」
「おう、任せろ!」
「うん、分かった」
準備が出来ると、イザナは魔物に注意を引きながら開けた場所まで進んで行く。
「イザナとこうやって一緒に戦うのって久しぶりだから、なんだかすごくわくわくするわ」
「ああ、そうだな」
ソフィアは楽しそうに話していた。
そして二人の息はぴったり合っているようにも見える。
イザナが守りに入ろうとすると彼女は防御シールドを張り、攻撃態勢に入ると強化魔法をかけていた。
私達はそれを追いかけながら脇に現れた敵から倒していく。
魔物の数はそこそこいたけど、あまり強く無かった為あっさり倒すことが出来た。
「とりあえずこれで全部倒せたな」
「うん、大丈夫そうね。イザナは王子の癖に、剣の腕全然なまってないね」
ソフィアは感心する様に言った。
「一応王宮に居た頃も剣の稽古はしていたからな。ソフィアだって、私が欲しい時に魔法をかけてくれるな。おかげで戦いやすかったよ、ありがとう」
「ふふっ、いいのよ。私達、良いパートナーだったものね」
ソフィアは懐かしそうに話していた。
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