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本章
76話
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-紬side-
「そっかー…残念だよ。あ、忘れるとこだった。勝手なことして悪いけど村田の所はもう辞めたことになってるから。身内があそこに居られると後々面倒だからね。」
鋭い目つきで睨む程はないが眼力の強さに心臓が抉られるような感覚だ。
「ご、ごめんなさい…」
「謝ることではないよ。そうせざるを得ない所まで追いやった事が一番の問題だ。まぁ挨拶ぐらいは行くんだよ。」
そう言った表情にはもう恐れるほどの怖さなど微塵もないくらい柔らかい笑みでわしゃわしゃと頭を撫でてくれた。
「それと…蓮、絶対に先代のような過ちは繰り返すな。大切にしてあげなさい。暫くは仕事は全部翔太に電話で済ませろ。ここには来なくていい。落ち着いたら二人で顔を見せに来なさい。」
過ち…?
何かあったのかと少し不安になるも気安く尋ねられる空気でもなく圧をかけると言うより傍から見て見てそれは本格的な脅しのように見えた。
そんな雰囲気も一瞬でコロッと顔を変えたように渉さんは優しく抱き寄せてくれる。
「これからは蓮と私が君の味方だ。特に蓮にはたくさん頼って甘えてわがままを言いなさい。蓮を宜しく頼むよ。」
と言って玄関先まで見送ってくれた。
途中、怖いお兄さん達もついてきたけど蓮さん曰く悪い人じゃないらしい。
ずっと頭を下げていて偉い人にでもなったような気分で少し嫌だった。
長いようで短かった今日が渉さんの言葉で心が少し軽くなるようだった。
「そっかー…残念だよ。あ、忘れるとこだった。勝手なことして悪いけど村田の所はもう辞めたことになってるから。身内があそこに居られると後々面倒だからね。」
鋭い目つきで睨む程はないが眼力の強さに心臓が抉られるような感覚だ。
「ご、ごめんなさい…」
「謝ることではないよ。そうせざるを得ない所まで追いやった事が一番の問題だ。まぁ挨拶ぐらいは行くんだよ。」
そう言った表情にはもう恐れるほどの怖さなど微塵もないくらい柔らかい笑みでわしゃわしゃと頭を撫でてくれた。
「それと…蓮、絶対に先代のような過ちは繰り返すな。大切にしてあげなさい。暫くは仕事は全部翔太に電話で済ませろ。ここには来なくていい。落ち着いたら二人で顔を見せに来なさい。」
過ち…?
何かあったのかと少し不安になるも気安く尋ねられる空気でもなく圧をかけると言うより傍から見て見てそれは本格的な脅しのように見えた。
そんな雰囲気も一瞬でコロッと顔を変えたように渉さんは優しく抱き寄せてくれる。
「これからは蓮と私が君の味方だ。特に蓮にはたくさん頼って甘えてわがままを言いなさい。蓮を宜しく頼むよ。」
と言って玄関先まで見送ってくれた。
途中、怖いお兄さん達もついてきたけど蓮さん曰く悪い人じゃないらしい。
ずっと頭を下げていて偉い人にでもなったような気分で少し嫌だった。
長いようで短かった今日が渉さんの言葉で心が少し軽くなるようだった。
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