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婚約破棄した僕が浅はかでした。僕はどうしたらいいんだろう、わからないよう。
しおりを挟む僕はこの国の皇太子のウィリアム・リンクランドだ。
皇太子として生まれた以上、将来国王になる者として厳しい教育をされた。
父親である国王が亡くなったら、すぐに僕が国王になるのだ。
ほんの小さな子供の頃から自由な時間なんてなかった。
信じてくれないかもしれないけど、家庭教師が付きっきりだ。
僕の自由時間は2日で1時間だけだった。
2日のうちにたったの1時間が何も無い時間。
信じられない。厳し過ぎるよ。
そんな厳しいしつけと教育を受けて僕は17歳になった。
そうそう僕には婚約者もいるんだ。
この国の聖女クリステン・ドヌーブだ。
聖女と皇太子が婚約することは昔からの決まり事だ。
彼女と結婚するのは国王の命令だ。
僕には何の自由も無い。
全てが、がんじがらめの中にいるみたいだった。
そんな時に僕は彼女と出会って恋に落ちた。
マリア・スノードという名前の女性だった。
彼女は可愛くて、僕は彼女に夢中になった。
彼女はとてもじゃないけど僕の婚約者になれるような由緒正しい貴族の令嬢ではなく、貧しい農民の生まれだった。
マリアは僕に言った。
「 私には聖女の力があるの。本当の聖女は私なのよ。でも、いつもクリステンに手がらを横取りされているんだ。だって私は貧しい生まれだから我慢するしか無いんだもの。」
愛しいマリアにそう言われて、僕は怒り狂った。
そんな時に僕にチャンスがやって来た。
国王が重い病気になり僕が国王になったんた。
僕が真っ先にした仕事は、聖女のクリステンに婚約破棄を言い渡す事だった。
「 クリステン、お前との婚約は破棄させてもらう。お前が本当の聖女であるマリアをイジメていた事も知ってるぞ。今すぐに城を出て行け!」
僕はクリステンを断罪し国外へと追放した。そしてマリアを聖女にして王妃にした。
クリステンは驚くほど、あっさりと出て行った。
僕とマリアは抱き合って喜んだ。
それが地獄の始まりだった。
すぐに魔獣がこの国に侵入した。
災害が立て続けに起こった。
山は噴火し、水はニガヨモギの味になって、土地は燃えている。
マリアが祈りを捧げても何も変わらない。
「 マリア頑張って。」
僕が応援するとマリアは泣きながら自分は聖女ではないと言った。
「 どうしよう。どうしたらいいかわからないよう。」
聖女を追い出した馬鹿者として僕は王座を剥奪された。
追い出されて王族を名乗る事も許されない。
本当の聖女のクリステンは、全てわかっていたみたいだ。
そりゃそうだよね、本物の聖女だもん。
あー、許して下さい。
お願いします。ごめんなさい。うえーん。
応援ありがとうございます!
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