裏切りの先にあるもの

マツユキ

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「イリス・ゲルランド公爵。そなたの息子をガルバ・イーニアスの養子とし、イーニアス公爵の当主とする」

アーネストの言い終えた後、貴族たちの目が見開かれる。

「イリス…そしてカルマには心苦しいのだが…」

アーネストは申し訳なさそうに言った。その言葉を聞いたイリスは穏やかに微笑んでいた。

「陛下…そのお言葉だけで十分でございます。それに…これは我が親族が犯した罪の代償。償うのは当然の事」

「陛下、私も父と同じ考えです。」

アーネストは二人を見た。その表情は決意を決めたものであった

「感謝する…当面はイリスがサポートとして、共に務めてくれ」

「承知いたしました」

「また、資産については同じく当面は王宮の管理下に置き私の判断で決めるものとする」

「承知いたしいました。信頼の回復に全力で努めたい所存です」

アーネストは安堵していた、ガルバが罪人となりイーニアス家の処遇を考えると心苦しかったのだ。イーニアス家は古くからある名家で当主達は国の繁栄に尽力した者達ばかりだったからだ

ガルバが犯した罪により名家をなくすわけにはいかなかったのだ。

そんな時、イリスに息子が二人いる事を思い出し、すぐに書状を出したのだ

この二人ならば安心して任せることが出来るだろう




イーニアス家の問題が解決したが、問題はまだまだある

「ガルバ・イーニアスを牢へ。またモリス・イーニアスを辺境の地へ送れ」

兵に指示をする。モリスは何か喚いていたが、ガルバは精根尽きた様にぐったりとしされるがままだった

「また、ウィルボット家に火を放った者を同じく牢へ」

後の問題はキャロルの処遇だった。実際の所、キャロルには罪状らしい罪状が無いのが現状である。だが、これまでの所業やセシルに対してしてきた事を考えると、御咎めなしにとはいかない

アーネストはキャロルを哀れに思っていたのだ。子供に罪はない…生まれる場所を選べないと同時に親も選ぶ事は出来ないのだ。だが、アーネストはキャロルには事の良し悪しを学んでほしいとも思っている

ロイドも同じように思っているのだろう。どんな者であったとしてもたった一人の妹なのだから…


アーネストが唖然としたままのキャロルを見つめていた時、大きな声がホールに響いた

「陛下!この度はなんとお礼を申したらよいか…」

アーネストの前に現れたのはマティアス・ツェザーリだった…その表情にはいやらしい笑みが浮かんでいる

「ガルバ殿には困っていたのです…」

「マティアス…来ていたのだな…」

この男は本当にくえない男なのだ。何を考えているか分からないばかりか、親族であっても自身の利になるのであれば平気で裏切る。そこに罪悪感など存在しない。本当にアルバートの息子なのかと疑いたくなるほどだ。

横暴で商才などないのに平気で資産をつぎ込む。家族にすら平気で暴力を振るう…

人からは見えないような場所ばかりを狙って振るわれる暴力が積み重なり、それが原因でロイドの母親は亡くなった。だが、マティアスは『自分のせいで亡くなった』とは思っておらず『勝手に死んだ』…それがマティアスの認識だった



(マティアス・ツェザーリ…そなたには相応の償いをしてもらおう)

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