69 / 358
第二章
魔力の吸収方法
しおりを挟む
セーフィロについてモヤモヤした気持ちを抱えたまま、翌日私は彼から聞いた話を元に、ネイトへ伝書蝶を飛ばすと、森へとやってきていた。
以前来た時よりも森の奥深くへ入って行くと、次第に辺りが肌寒くなってくる。
そうしてネイトに魔力が集まる場所へ案内してもらうと、そこはどこか冷たく、辺りは霧のような靄が漂っていた。
魔力が集まると霧みたいになるのね……。
そんな事を考える中、私はそっと霧の中へ手を伸ばしてみると、中は水分が含まれているのだろうか……手の平には、ひんやりとした冷気のようなものを感じる。
ネイトはそんな私の様子を静かに眺める中、私はそっと手に魔力を集めると、霧を手の平へ吸い寄せてみる。
漂う霧はゆっくりと手に集まってくると、私はそれを防御魔法を起動させ、包み込んでいく。
雲を閉じ込めたような玉が手の上に浮かび上がると、私は魔力の流れを遮断した。
魔力の流れが止まった事にネイトは私の傍へやって来ると、不思議そうに視線を向ける。
何やらジロジロと玉を眺める中、彼は考え込むような仕草を見せた。
「姫は一体、何をしている?魔力を閉じ込めた玉をどうするんだ?」
ネイトの言葉に私はゆっくりと顔を上げると、紅の瞳と視線をあわせた。
「……いつもみんなから魔力を貰ってばかりでしょ……だからこうやって魔力の玉を作ることで、自分で魔力を供給できるようにしたいのよね」
ネイトにニッコリ笑いかけると、彼はなぜか寂しそうな様子を見せる。
「姫は私から魔力を受け取るのは、嫌なのか?」
「ちっ、違うわ!ってそうじゃなくて……やっぱり私はタクミが好きだもの。好きな気持ちがないまま抱かれるのは嫌よ……。それにこんな状態じゃ……好きに魔法を使う事も出来ないわ……」
私はボソボソとネイトへ話すと、彼は複雑そうな顔を見せる。
何とも言えない沈黙が流れる中、私は慌ててネイトに顔を覗き込むと、誤魔化す様に笑みを作った。
「それよりもね、このぐらいの玉なら……どれほどの魔力があるのかしら?」
ネイトはじっと玉へ視線を向けたかと思うと、指先で玉を弾く。
すると玉の中の霧がグルグルと一人でに渦巻き始めた。
私はその様子をじっと眺めていると、ネイトはそっと顔を上げた。
「これなら、このぐらい」
ネイトは指先に魔力を集めていくと、彼の指先に眩い光が浮かび上がる。
私たち二人を包み込むほどの眩しい光は、思っていた以上に多い。
これだけで、それほどの魔力があるのね。
やっぱり目で見えるほどの魔力はすごいのねぇ。
眩しさに目が眩む中、ネイトはそっと手を下げると、私たちの周りから光が消えていく。
ここで数十個の玉を作って……色々試してみましょう。
っとその前に……。
「ねぇ……ところで、どうやって魔力を測っているの?」
そうネイトに問いかけると、彼は眉を寄せ難しそうな表情を浮かべる。
またも沈黙が二人を包む中、私は彼の言葉をじっと待っていると、ふと紅の瞳が私を見据えた。
「どうやってと言われると難しい。只魔力の流れを感じているだけ。自分の魔力と、それを比べて判別している。後は色……色が濃ければ濃いほど魔力はたくさんある。一番わかりやすいのは、今は魔力を手で掴むことが出来ないが……濃い魔力になると水の様になり、そのまま置いておくと氷の様に固まる。固まった魔力の結晶は水ほど魔力の量は多くない」
あら……魔力って、まるで水みたいな性質なのね……。
もしかしたら……水と同じように密度を高くすると多くの魔法を集める玉が出来上がるのかしら……?
確か水の密度が一番高くなるのは4℃……。
えーと、4℃にしようとするんじゃなくて、この事を理解したうえで、もう一度やってみましょう。
私は出来上がった玉をローブの中へなおすと、空っぽになった手の平を広げて見せる。
そのまま魔力を集めていくと、手の平に液体状の魔力が浮かび上がる。
ゆっくり慎重に防御魔法を発動させ、その液体を包んでいくと、水風船のような物が出来上がった。
ネイトは水風船を凝視したかと思うと、信じられないとでも言うように大きく目を見開き固まった。
「すごい……これほどの魔力を、集めることが出来るのか」
「これ、そんなに魔力が詰まっているの?」
ネイトはコクリと頷く中、そっと指先で水風船に触れると、彼の指先から光が浮かび上がった。
「この魔力量なら、どんな魔法でも使えそうだ」
これを5つぐらい作っておけば、時空移転魔法を使った後も大丈夫かしら……?
とりあえず色々な密度で玉を作って持ち帰ってみましょう。
私は水風船をローブへ直すと、また空になった手を広げ、魔力を集めだした。
以前来た時よりも森の奥深くへ入って行くと、次第に辺りが肌寒くなってくる。
そうしてネイトに魔力が集まる場所へ案内してもらうと、そこはどこか冷たく、辺りは霧のような靄が漂っていた。
魔力が集まると霧みたいになるのね……。
そんな事を考える中、私はそっと霧の中へ手を伸ばしてみると、中は水分が含まれているのだろうか……手の平には、ひんやりとした冷気のようなものを感じる。
ネイトはそんな私の様子を静かに眺める中、私はそっと手に魔力を集めると、霧を手の平へ吸い寄せてみる。
漂う霧はゆっくりと手に集まってくると、私はそれを防御魔法を起動させ、包み込んでいく。
雲を閉じ込めたような玉が手の上に浮かび上がると、私は魔力の流れを遮断した。
魔力の流れが止まった事にネイトは私の傍へやって来ると、不思議そうに視線を向ける。
何やらジロジロと玉を眺める中、彼は考え込むような仕草を見せた。
「姫は一体、何をしている?魔力を閉じ込めた玉をどうするんだ?」
ネイトの言葉に私はゆっくりと顔を上げると、紅の瞳と視線をあわせた。
「……いつもみんなから魔力を貰ってばかりでしょ……だからこうやって魔力の玉を作ることで、自分で魔力を供給できるようにしたいのよね」
ネイトにニッコリ笑いかけると、彼はなぜか寂しそうな様子を見せる。
「姫は私から魔力を受け取るのは、嫌なのか?」
「ちっ、違うわ!ってそうじゃなくて……やっぱり私はタクミが好きだもの。好きな気持ちがないまま抱かれるのは嫌よ……。それにこんな状態じゃ……好きに魔法を使う事も出来ないわ……」
私はボソボソとネイトへ話すと、彼は複雑そうな顔を見せる。
何とも言えない沈黙が流れる中、私は慌ててネイトに顔を覗き込むと、誤魔化す様に笑みを作った。
「それよりもね、このぐらいの玉なら……どれほどの魔力があるのかしら?」
ネイトはじっと玉へ視線を向けたかと思うと、指先で玉を弾く。
すると玉の中の霧がグルグルと一人でに渦巻き始めた。
私はその様子をじっと眺めていると、ネイトはそっと顔を上げた。
「これなら、このぐらい」
ネイトは指先に魔力を集めていくと、彼の指先に眩い光が浮かび上がる。
私たち二人を包み込むほどの眩しい光は、思っていた以上に多い。
これだけで、それほどの魔力があるのね。
やっぱり目で見えるほどの魔力はすごいのねぇ。
眩しさに目が眩む中、ネイトはそっと手を下げると、私たちの周りから光が消えていく。
ここで数十個の玉を作って……色々試してみましょう。
っとその前に……。
「ねぇ……ところで、どうやって魔力を測っているの?」
そうネイトに問いかけると、彼は眉を寄せ難しそうな表情を浮かべる。
またも沈黙が二人を包む中、私は彼の言葉をじっと待っていると、ふと紅の瞳が私を見据えた。
「どうやってと言われると難しい。只魔力の流れを感じているだけ。自分の魔力と、それを比べて判別している。後は色……色が濃ければ濃いほど魔力はたくさんある。一番わかりやすいのは、今は魔力を手で掴むことが出来ないが……濃い魔力になると水の様になり、そのまま置いておくと氷の様に固まる。固まった魔力の結晶は水ほど魔力の量は多くない」
あら……魔力って、まるで水みたいな性質なのね……。
もしかしたら……水と同じように密度を高くすると多くの魔法を集める玉が出来上がるのかしら……?
確か水の密度が一番高くなるのは4℃……。
えーと、4℃にしようとするんじゃなくて、この事を理解したうえで、もう一度やってみましょう。
私は出来上がった玉をローブの中へなおすと、空っぽになった手の平を広げて見せる。
そのまま魔力を集めていくと、手の平に液体状の魔力が浮かび上がる。
ゆっくり慎重に防御魔法を発動させ、その液体を包んでいくと、水風船のような物が出来上がった。
ネイトは水風船を凝視したかと思うと、信じられないとでも言うように大きく目を見開き固まった。
「すごい……これほどの魔力を、集めることが出来るのか」
「これ、そんなに魔力が詰まっているの?」
ネイトはコクリと頷く中、そっと指先で水風船に触れると、彼の指先から光が浮かび上がった。
「この魔力量なら、どんな魔法でも使えそうだ」
これを5つぐらい作っておけば、時空移転魔法を使った後も大丈夫かしら……?
とりあえず色々な密度で玉を作って持ち帰ってみましょう。
私は水風船をローブへ直すと、また空になった手を広げ、魔力を集めだした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,454
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる