アメジスト 日に晒せばシトリンになる

 フェイは、トアール男爵令嬢。双子の妹に、末は傾国の美女間違いなしの超絶美少女ルクレツィアがいる。実はこのルクレツィアが、トアール男爵家の没落を起こすことをフェイは知っていた。
 フェイは前世で唐津若葉として生きた。だが前世の彼女の趣味は格闘技観戦、陸上、サバイバルゲーム。大学の専攻は事情があって獣医学部だが、どちらかと言うと医学部もしくは理工学部向きの、ファンタジーに全く興味のない人間。
 しかし親友の腐女子から無理矢理押し付けられて読んだ漫画『闇の末路』で、トアール男爵家を、ひいてはミケール王国を傾ける悪女ルクレツィアの世界に転生したのを幼くして認識する。
 「環境が人を変えるのか、元の人格が悪を呼び込むのか?」理系女子のフェイは、ルクレツィアの改革に幼少時から着手する。するとマッチョ筋肉とプロレスを愛する残念超絶美少女令嬢が誕生した。そしてルクレツィアは、理想のマッチョ伯爵令息と婚約。
 やれやれと思ったのも束の間、フェイは隠された能力『幻獣の王』という、幻獣を従わせるチート能力持ちだったのが、偶然判明する。『幻獣の王』は王族との結婚が義務付けられている。ミケール王国の王太子は既に所帯持ちなので、第2王子エーリク・ディアが候補に挙がるが、フェイはこの第2王子が蕁麻疹が出るほど大嫌いだった。
 各国の王族からも求婚者が押し寄せる。が、彼らは王命でフェイを射止めよと言われていたにも関わらず、絶世の美少女ルクレツィアに夢中。そんななか、ポチオローレ王国の王太子がフェイに接近。
 なんとウォルター王太子は、フェイの前世の腹黒恋人だった神谷将悟。そしてウォルター王太子の双子の妹は、フェイの親友にして腐女子の鈴木美咲。彼らが暮らす国、フェイが暮らすミケール王国の隣国は、前世の鈴木美咲がハマっていた『夢狩人の吐息』というハードボーイズラブ漫画の世界だった。
 本来、天国経由で転生するはずが、直接転生先に送り込まれたのは、フェイ達には重要な役割があったからだった。
無言の大陸の開拓。かつて4大妖精王が、人間が増えすぎて幻獣が住みにくくなるのを予想して隠していた荒涼とした隠された大陸。ここの開拓と、幻獣誘導がフェイ、ウォルター王太子、フランソワーズ腐女子王女の役割だった。
 ルクレツィア問題が解決した今、妖精王から要請された幻獣たちのみが暮らす幻の大陸の開拓をクリアするべく、彼らは挑む。
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