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第三章.フラグ回避計画

13.お邪魔虫再び

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一難去ってまた一難とは常のこの方の為にあるのではないでしょうか?



学園内で起きた魔力暴走事件は、早々に片付きました。
元からエリオル様を目の敵にしていた一同は揃って停学処分と降格扱いとなりました。


現在はランクも下げられ、学生寮もさらに下のランクです。

当初は渋っていたのですが、これでも甘すぎるぐらいでした。
まぁ、今更元の寮に戻って晒し者になりたいのかとベルンが脅しをかければあっさり了承しました。

それに壊した後者は全て彼等の実家に請求されますが、下級貴族や伯爵貴族の次男に過ぎない彼等では賄える金額ではありません。


特に彼女の実家は子爵家ですが大変貧しいと聞いていますので、どうなることやら。


にも拘らずドレスを貢いでもらっているなんて馬鹿なのではないかとも思いましたが。


今はそれはいいのです。


ええ、私にとって最も忌々しき事態が起きてますわ。


「エリオル、今日は空中庭園でランチにしよう。実は菓子を作って来たんだ」

「わぁーすごく綺麗なお菓子。宝石みたい」

「お前は菓子が好きだろう?ハーブティーによく合うと思ってな」



なんてことですの!
あの馬鹿王子はさらにエリオル様に接近してますわ。

さりげなく距離も近いですし。


「必要ありませんはレントン殿下」

「チッ、イノシシ令嬢が」

「誰がですの?お弁当は私が持参しております」

「またコックの作ったものだろう?」

「本日は王妃様専属の料理長が作った絶品ですわ」

本当は私も作りたかったのですが陛下にまで頭を下げられ、断られましたので諦めましたが。


「他人が作った料理を詰めただけで偉そうに」

「愛情は負けませんわ!」

「ハッ!」


前々から思っていましたが、私は王子殿下とはどうしても馬が合いませんわ。

ウィルフレッド様は勿論ですがレントン様ともまったく合いません。

これから先も。


「さぁ、お退きになって」

「お前が退け!」

「なんですって!婚約者との時間を邪魔するなんて無粋ですわ」

「束縛が厳しくて哀れだな…それとも、ここまでしないと気を引けないのか」


この男!
やっぱり嫌いですわ!


先程の一件で少しは見直しました私の時間を返して欲しいですわね。


「貴方こそお友達はよろしくて」

「俺の心の友はエリオルだ。後は俺を利用する為に近づいて来たに過ぎない」


ある意味哀れですが、ようやく真面な考えができるようになったのですね。


まぁ、あの方に関しても恋に恋していたというか、夢を見ていただけなのでしょうが。

それでも許しませんわ。


「ならば新しいお友達をお作りになってください」

「俺はエリオルがいい」

「私もエリオル様とご一緒がいいんですのよ!我儘をおっしゃらないでください」

「我儘なのはお前だろうが!」


くっ!
このままではランチの時間が終ってしまうではありませんか…

なんとかしなくては!


そう思っていたのですが…


「おい二人共」

「何ですのベルン?」

「エリオルなら、ウィルフレッド様に連れて行かれたぞ」

「「はぁ?」」


いつの間にか現れたベルンに言われてようやく気づきました。

既にエリオル様はウィルフレッド様に連れて行かれた後だだったのでした。


「ウィルフレッドぉぉぉ!!」

「殿下ぁぁぁ!!」


私は互いの敵ばかり目が向いていたのでした。



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