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19.私の可愛い甥~セレスティーナside
しおりを挟む急ぎの便で妹から手紙が来たのは二週間前。
もうじき私の可愛い甥が結婚するので結婚式を心待ちにしていた。
私はシメリス帝国の第一皇女として生まれるも、母が妾腹の皇妃だった事で帝位を返上した。
父は健在だし、一部の人間は血筋を問題視していたからだ。
邪推する連中は私とビアンカの不仲説を流していたけど、私達の仲は険悪ではなかった。
私は帝位に興味もなかったし、降嫁した方が身軽だった。
内乱をしない為にも成人して早々に嫁いだ後に、ブリチア王国の辺境伯爵にビアンカは嫁いだ。
国の安泰の為に私達は義務がある。
でも、私の夫は幼少の頃から兄のように思っている方だし、ビアンカの嫁ぎ先のウィンディア辺境伯爵とも全くの初対面じゃない。
実はビアンカが惚れたのだ。
私は直ぐに見合いのセッティングをして政略結婚に持ち込んだ。
そうすれば周りからは何か言われることはない。
しかも聞けば、ウィディア辺境伯爵もビアンカを好いていると言うではないか。
第二皇女という身分が障害になっているなら養子縁組をすればいい。
下の妹にも協力してもらったわ。
私達三姉妹は大臣からは帝国を牛耳る三女神と呼ばれている。
強い政治能力と剣術に優れる私は戦女神と呼ばれ。
次女のビアンカは優れた才能を見抜き、薬学にも詳しく生み出す才を持つ豊穣の女神。
芸術の才能を持ち癒しを与える癒しの女神であり帝国の聖女。
私達の存在は帝国の柱と言っても過言ではない。
互いに得意分野は違うけど、各々役割を担当して国を守って来た。
一つ困った事があるのは我が皇族は女系家族。
男子に恵まれなかったのが問題で、私は子供できにくい体だった。
夫も丈夫でないし、三女のナージャは聖女故に処女でなくてはならないのだ。
私も子を欲していたので側妻をと思ったが、万一敵対する派閥の女が介入するのは良くなかったのだけど、ビアンカが可能ならば沢山産んでもらおうとも思った。
そうすれば我が公爵家が後ろ盾になり皇太子になることが可能だわ。
無理なら養子を取って立太子することも可能。
このご時世、血筋を最優先にするなんて時代遅れだわ。
でも血筋を優先する貴族も多いのも確か。
だから私はできるなら、ユーリの子供を養子に欲しいわ。
勿論無理にとは言わない。
ユーリは私が出産時に立ち会い、名づけ親になったんだもの。
騎士としてのなんたるかも叩き込んだのは私。
聖騎士の称号を得た時は踊るように喜んで、お祝いをしたぐらいだわ。
お父様はユーリを皇太子に迎えたいけど、あの子は騎士であることを願っているから無理に天職を奪いたくない。
だからユーリと婚約者のアイリス嬢が産んだ子供の一人を養子に迎えたいと思ったのだけど…
まさかステンシル侯爵家がとんでもない事をしてしまったと知らされた。
既にビアンカでも手が出せないような巧妙かつ悪質なやり方でユーリを取り囲もうとしたけど、ユーリは何とかして国を出るべく家族と縁を切ろうとしたそうだわ。
ユーリは私の息子同然よ。
アイリス嬢の事もビアンカからよく聞かされていたわ。
私の息子の嫁なら娘同然であるからして、娘を侮辱した罪は受けるべきよね?
何より私の可愛い甥を利用しようとした罪は万死に値するわ。
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