偽りの家族を辞めます!私は本当に愛する人と生きて行く!

ユウ

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第四章未来への扉

27.善意と悪意




落ちて来たリボンは焦げていて原型を留めていなかったが、マリアのリボンだった。

「血が…」


震えが止まらなかった。
マリアの身に何かあったのではと思い、急いで塔の中に入る。


すると声が聞こえた。



「随分としぶとい女のようだな」

「ええ、虫の生きですが…あれだけ鞭で痛めつけ、たっぷり電流を流しましたのに」

「しかし、巫女の髪を見せた途端、意識を無くしたとは」



なんてことを…無抵抗なマリアにそんな!


「屑だな」

「許せない…」

私はマリアナを許せなくとも、復讐しようとは思わなかった。


罪を償って、更生してくれればと思ったけど。


「甘かった私の所為だわ…」

「主、今は落ち込んでいる場合ではない」


そうだわ。
マリアを助けるのが先だわ。


絶対に助けなくちゃ。


「どうする?聖女を助けてその後はどうする?」

「彼等も一緒に捕らえるわ。きっと十年前の証拠になるものをオルレア公爵が何処かに隠し持っているかもしれない。マリアを助け、彼等を牢屋にぶち込むわ」


罪を憎んで人を憎まずと思ったけど、彼等にもそれ相応の罪を償ってもらう必要があるわ。


「黒幕はおそらく彼ね…私を暗殺してジルベルト様を王太子の座から引きずり降ろせばジュリアス様が王太子の座に就く。そうなれば彼等は後見人となり返り咲けるとでも思ったのかしら」


貴族絶対主義である彼等にとって身分の低い血は汚れていると思い込んでいる。
ジルベルト様の母君は上流階級出身でも貴族ではないことが気に入らないのだろうけど、身分がそんなに偉いの?


生まれが貴族でなくとも功績を称えられ貴族となった者の方がこの国には多い。
逆に貴族の血筋を引き継いだまま、胡坐をかいでいる貴族の方が少なくなっており、今の世は実力主義の貴族が出世を果たしているのだから。


ジルベルト様が王になれば新貴族派はさらに出世して高位貴族の仲間入りを果たすことになるかもしれない。


それを防ぎたいのかもしれない。
そしてジュリアス様を傀儡にして、後に貴族が国を治めるようにする気だろう。


「許せない…絶対に」

「主」


私利私欲の為に聖女を傷つけ、監禁するなんて許されるわけがない。


「例え黒の妖精の影響を受けていたとしても、そんなの理由にならないわ」

「ああ、きっかけにすぎない。あの女も、悪の心が強くなり精霊から加護を得られなくなったのだろう」


もし、マリアナが黒い感情に支配されずにいたらどうなっていたのだろうか?


もう後の祭りだけど。


もしなんて考えても仕方ないけど。


少しのズレで人の運命はここまで変わるのだろうか。


同時に思うのは、私が転生した意味はもしかしたら…


女神様が間違った道に進もうとするのを阻止しようとしたのかな?


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