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28.行きついた先
しおりを挟む雨宿りをして、その間休みながらも目的に到着した。
そこは小さな村で人が住でいるかも怪しかった。
「本当にこんな村にソフィアがいるのか?」
「人が住んでいるのも怪しいが、目撃情報があるからな」
「ええ、それにあの馬車」
王都を出る前に調べた情報によるとソフィアとユリウスが使った馬車と全く同じだった。
「とりえず、急いでソフィアを捕まえ痛めつけてやる」
「そうよ。多少は痛めつけないと怒りが収まらないわ」
「ああ…」
三人は小屋に無断で入り怒鳴りつける。
「ソフィア!」
乱暴に小屋に入ろうとすると。
「何だ?アンタ達」
「勝手に他人の家に入って来るとはどういうつもりだ」
「「「は?」」」
小屋には確かに男女がいた。
しかし、そこにいたのはソフィアとユリウスではなかった。
「ソフィアは何処だ!」
「は?いきなり人の家に入って来て何だってんだ!しかも泥だらけの靴で…今すぐ床を拭きな」
汚い雑巾を投げつけられる。
「何だ、この匂いは!」
臭くて鼻を抑える。
「ちょっと!何をするのよ!」
「そこのババア!早く濡れた床を綺麗に磨きな…そこのジジィは壊した扉を修理しな」
(ババアですって!)
(ジジィだと!)
貴族である二人は今までこんな無礼な事を言われたことがないので激怒するも、不法侵入したのは変わらない。
「おい貴様等、ここにソフィアという女が来たはずだ!隠すのは為にならな…ぐっ!」
「何だ?このクソガキは。何様だ」
「早く雑巾で床を拭きな。その後通報してやる」
ジェイコブの口を手でつかみ持ち上げる。
非力だったのでなすすべもなく、後ろの二人もビクビクした。
結局三人は雑巾かけをさせられた後に不法侵入し、しかも近くに巡回していた従騎士に通報されたのだ。
そして馬車を盗んだ罪で王都に強制連行された後に、馬車から放り出された御者は怪我をしたことで治療費と、壊れた馬車の修理費を請求され、借金が増えてしまった。
悪徳商会からお金を借りていたので、借金の代わりに残っていた数少ない領地に離れの邸からも追い出されてしまった。
そして、三人が馬車を奪い逃走した事が明るみになり。
ローリェ侯爵家は爵位までも奪われ、立場が更に悪くなってしまった。
そして本当に財産をすべて失い、貴族街から追い出されることとなった。
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