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第四章

41.似て非なるモノ

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時折他人は恋と愛は違いはないと言うけど。
大きな違いがある。


恋はしたに心が付く。
見返りを求める感情だけど愛は真心を意味する。


私はロミオ様の事が好きだったんじゃない。

愛していたんだ。


知らず知らず私は、あの人に誰よりも幸せになって欲しい。

ゲームのシナリオをぶち壊してでも幸福になって欲しいと思っていた。


彼が本当の意味で幸せになるには必要な物が沢山あった。


優しい両親に妹。
そして、愛する人を。


何でも持っているように見えてロミオが持っている物は少なかった。

病気でサブリナ様が亡くなってからは、シルビアを世間の目から守り続けていた。

それでもシルビアを完全に守る事は出来ず。
心の拠り所にしていた愛しい少女と結ばれればシルビアは兄を思って消えてしまう。

どちらにしても円満ではなかった。
何よりもロミオ様は我慢をすることに慣れ過ぎて、自分の幸せは後回しだった。

愛する人の幸せを最優先してばかりだった。


そんな彼を私は。


転生してから、ゲーム関係なく幸せになって欲しいと望んだ。


誰よりも優しいのに。


誰よりも素敵なのに。


ゲーム上では幸せになることができない。


だから私は――。


「エリーゼ?」


私はロミオ様を…



「どうしたんだ?」

「え…何でもありません」


私は馬鹿だ。
何で今までまったく気づかなかったの!


既に私はロミオ様を男性として好きになっているじゃないか。


前世では喪女。
恋愛に縁がまったくなかったお一人様故に気づかなかった。

恋愛は全て不発で、独身貴族まっしぐらだったから。


男性に愛されると言う行為を知らなかった。


いや待てよ。


相手は私よりもずっと年下。


「のぉぉぉ!」

「は?」

「お嬢様ぁ!」


私はショタコンか!


変態じゃないか!


「神よ!」

ガンガン!


私は救いようもない変態だったようだ。


「止めるんだエリーゼ!丸太に頭をぶつけるな」

「お嬢様!釘を打つのは頭でするのでありません!金槌を使うのですよ!」

「うぉぉぉ!」


事案だわ。
私はなんと恐ろしい事を。


ロミオ様はまだ17歳。
もうすぐ18歳だけど、まだまだ未成年。


この世界では成人しているけど。


かたや精神年齢はアラサーに今の年齢も加えれば。


既におばちゃんじゃない。

ああ、なんて歳の差なの。


私は世間で言うロリコンおじさんに対して否定的だったけど、自分がその立場になるなんて!


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