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春秋花壇

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妻を家政婦扱いするパワハラ夫はいらない 離婚

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結婚生活は、お互いが尊重し合い、支え合うことが求められるはずのものでした。しかし、ある家庭ではそんな理想とは程遠い状況が広がっていました。

主人公の妻、美希は、結婚当初から夫である健一に対して尽くすことを惜しまない優しい性格でした。しかし、それが徐々に当たり前となり、健一は美希を家政婦として当然のように扱うようになっていました。

最初は気にならなかったことも、徐々に積み重なり、美希の心には疲れと不満が募っていきました。毎日の家事、育児、仕事。美希は一生懸命にこなしていましたが、それに対する感謝や労いの言葉はなく、むしろ健一は当たり前のように「やるべきことだから当然だ」と言い放つようになっていたのです。

ある日、美希は限界を感じ、夫婦関係に歪みが生まれつつあることに気づきました。その晩、夕食の席で美希は初めて口にしました。

「健一、最近私、つらいんだよ。感謝されないし、労ってもらえない。もっと協力してほしい。」

すると、健一は舌打ちをして言い放ちました。

「お前は結婚して当然のことやってるだけで何がつらいんだ。家政婦として当たり前のことを言ってるだけだろ。」

美希はショックを受け、ただただ涙がこぼれました。それからも状況は改善されることなく、むしろ悪化していきました。健一の横柄で冷たい態度、美希への罵声は日常茶飯事となり、美希の心はますます閉ざされていきました。

しかし、美希はある日、夫婦関係を改善するために立ち上がることを決意しました。彼女は友人たちやカウンセリングを受け、健一に対して自分の気持ちを伝えることを決めたのです。

ある晩、夫婦で話し合う機会が巡ってきたとき、美希は思い切って言葉を紡ぎました。

「私たちはもともと愛し合って結婚したんでしょ?でも最近、私はただの家政婦みたいな感じ。感謝されたり、労われたりすることが当然のようになってきた。それが辛くて…。」

美希の言葉に、健一は初めて真剣な表情を見せました。美希は続けました。

「もっとお互いに思いやりを持ちたい。愛し合っているんだから、当たり前のことじゃなくて、特別なことを感じたい。」

その言葉に、健一は考え込むような表情を見せました。そして、初めて美希に対して謝罪の言葉を口にしました。

「ごめんな、俺、気づかなかった。お前の言ってること、よくわかった。もっとお前を大切にしなきゃ。」

美希と健一はその後、カウンセリングや助言を受けながら少しずつ夫婦関係を修復していきました。健一も自分の過ちに気づき、美希を家政婦ではなく、愛する妻として見つめ直すようになったのです。

家庭内パワハラに立ち向かった美希の勇気ある一歩が、夫婦関係を救い、二人に新たな絆を築くきっかけとなりました。

このまま二人はうまくいくものだと誰もが思っていました。

ところが、新型感染症が流行り、健一はリモートワークすることが増えていきました。

そのころには二人の間に赤ちゃんもできて、子供囲んで楽しい家庭を作るはずだったのですが、新型感染症のストレスでたまの外食もできず、だんだんお互いにイライラが募っていきます。

リモート会議中に赤ん坊が泣いてしまうことも度々あり、部屋を別に借りようかと思うほど切羽詰まった状態になっていました。

「お前は俺にばかり、感謝を求めるけど、俺が火事に協力的になっても当たり前のように感じて、ありがとうも行ってくれないじゃないか。人は鏡なんだよー!」

吐き捨てるように出される言葉に、美希はただただ唖然としています。

そりゃあ確かに、以前とは格段の差で家事にも買い物にも協力的です。

でも、父親なんだから……。

そう、思ってしまっていたのです。

(人は鏡)

二人は話し合って、代わり万古にジョギングに行くことにしました。

あえて一人でいる時間が持てるようにしたのです。

そして、必ず帰ってくると

「いつもありがとう」

と、ねぎらいの言葉をかけあうように努力しました。

自分が変わればみな変わる。

変えられるのは自分なのです。

大切なのは、愛と感謝とrespect(尊敬)。


ありがとうございます。


その後、美希と健一は共に努力し、お互いに感謝と尊重の気持ちを忘れずに過ごしていくことで、夫婦関係は徐々に改善されていきました。夫婦は子供たちと笑顔で過ごし、家庭内の雰囲気も穏やかになりました。

新型感染症の影響も徐々に収束し、外出や外食も再開され、家族揃っての楽しい時間が戻ってきました。美希と健一は、苦しい時期を共に乗り越え、絆を深めたことで、ますます結ばれた夫婦となりました。

しかし、この経験から美希は、家庭内の問題やストレスは放置せずに向き合い、お互いにコミュニケーションを大切にすることの重要性を学びました。美希と健一は、これからもお互いを尊重し、家族としての幸せを追い求めていくことを決意しました。

結婚生活においては、お互いの理解と尊重が不可欠であり、時には困難が訪れても、それを共に乗り越えることでより強固な絆が築かれるのです。美希と健一の物語は、愛と信頼の力が家庭を再生させ、幸せな未来を切り拓いでいく様子を描いています。



家政婦と妻の違いを調べてみましょう

「妻」は、結婚している女性を指す言葉です。妻は夫との結婚によって家族を築く一員となります。結婚において、夫婦はお互いにサポートし合い、共に生活を共有することが期待されています。妻にはさまざまな役割があり、家庭や仕事、社会で活躍することが一般的です。また、文化や地域によって結婚や夫婦関係に対する考え方や慣習が異なるため、妻の役割や地位は多様です。

家政婦は、家庭内で家事全般やお手伝いをする仕事を指します。彼らは家庭の清掃、調理、洗濯、アイロンがけなど、さまざまな家事をサポートします。また、子育てや高齢者の介護なども含まれることがあります。家政婦は、家庭の生活を円滑にし、家族が快適に過ごせるように手助けをする役割を果たします。



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