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※川口直人 42 (大人向内容)
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抱きしめて、キスをしている加藤さんの小さな身体が少しだけ震えている。そんな彼女が愛しくてたまらない。
もっと…もっと一緒にいたい…。
重ねた唇を離し、腕の中の加藤さんを再度強く抱きしめると耳元で言った。
「もう少し…一緒にいたい…」
すると加藤さんは黙って頷く。それが嬉しくて俺は再び加藤さんに口付けた。そしてそれに応じてくれる愛しい人。そっと唇を離すと彼女はじっと大きな瞳で…少しだけ頬を赤らめて俺を見つめて来る。
「俺の部屋に…行こう?」
「うん…」
小さな声で頷く加藤さんの右手をしっかり握りしめると、俺は彼女を連れて部屋へと向かった。2人で無言で乗り込むエレベータ―。その代り握りしめる手に力を込めた。
ようやく手に入れた愛しい女性。この手を…放したくは無かった。
やがて止るエレベーター。手をつないだまま2人で降りて、部屋へと向かう。ここでようやく手を離すと俺は扉を開けながら言った。
「どうぞ、部屋の中…片付けておいてよかったよ」
「お邪魔します…」
加藤さんが遠慮がちに玄関へと入って行き、感嘆の声を上げた。
「うわぁ…すごい…!こんなに広いんだね!私の部屋なんかすごく狭いのに!」
「そう言えば…あまり広くは無かったよね」
そう、知ってるよ。あのマンションは正直言うと狭いし、使い勝手が良いとは思えなかった。
「上がって、とりあえず何か冷たいものでも出すよ」
エアコンはつけっぱなしにしていたので、室温はちょうど快適だった。
「ありがとう」
加藤さんは笑顔で答えると、部屋の中へと上がって行き…遠慮がちにローソファに座った。
「待ってて。すぐ用意するから」
キッチンへ向かう前に加藤さんに声を掛ける。
「うん、待ってる」
待ってる…その言葉に思わず赤くなりながらキッチンへと向かった―。
「ごめん。冷たいお茶でも…と思ったけど、ビールしか無かったんだ…これでもいいかな?」
2人分のビールを持って部屋に戻った。
「勿論ビールでいいよ。私、ビール好きだから」
「良かった」
加藤さんの前のテーブルにビールを置くと、俺も彼女の隣に座る。少しでも傍にいたかったからだ。
2人でプルタブを開けると俺は言った。
「乾杯しよう?恋人同士になった記念に」
「恋人…。そ、そうだね」
顔を赤らめながら返事をする加藤さん。
「「乾杯」」
2人で缶ビールをカツンと鳴らし、グイッとビールを口に入れる。そしてチラリと隣に座る加藤さんを見ると彼女も美味しそうにビールを飲んでいる。
「このビール、美味しいね」
「そう?良かった。最近お気に入りの北海道のクラフトビールなんだ。まだ沢山あるから好きなだけ飲んでもいいよ?」
すると慌てた様に加藤さんが言う。
「な、何言ってるの?1本で十分だよ」
言いながらも美味しそうにビールを飲む。その姿がとても可愛らしかった。
そうだ…。俺達はもう恋人同士になったんだから…。
「美味しかった~」
加藤さんが飲み終えた缶ビールをトンとテーブルに置いたのを見計らって俺は言った。
「あのさ…」
「何?」
「俺達はもう恋人同士になったんだよね?」
「そ、そうだね」
アルコールのせいか、それとも照れの為か…加藤さんの顔が赤くなる。
「なら…鈴音って呼んでもいいよね?」
そうだ、あいつが鈴音と呼ぶなら俺だって…呼んでいいはずだ。
「も、勿論だよ」
「なら俺の事は直人って呼んでよ」
「な、直人…さん…?」
真っ赤な顔で俺の名を呟く。
「うん。そう呼んで欲しい…」
「は、はい…」
赤い顔でコクリと頷く姿が何とも言えず可愛らしい。
「好きだ…鈴音…」
言いながら再び鈴音を抱き寄せ、唇を重ねるとおずおずと背中に手が回される。
もう我慢出来なかった。鈴音の全てが欲しい。
「鈴音…もっともっと鈴音に触れたい…」
口付けをやめて鈴音に訴える。
「うん…いい…よ…」
すると鈴音は顔を真っ赤にするも小さく返事をした。その言葉がどれだけ嬉しかったか計り知れない。
鈴音を抱き上げ、ベッドまで運ぶとリモコンで部屋の明かりを消した。
「鈴音、愛してる…」
「直人…さん…」
恥ずかしそうな顔で俺を見上げる鈴音。
そのまま鈴音の上に覆いかぶさり、彼女の服に手をかけた…。
****
ベッドの上で鈴音の細く白い身体に口づけしながら耳元で名前を呼び、愛を囁く。
「鈴音、好きだ……愛してる…」
俺の腕の中で甘い声を上げながら必死に縋りついてくる鈴音が愛しくてたまらない。
月明りに照らされながら…この日、2人は身も心も結ばれた―。
もっと…もっと一緒にいたい…。
重ねた唇を離し、腕の中の加藤さんを再度強く抱きしめると耳元で言った。
「もう少し…一緒にいたい…」
すると加藤さんは黙って頷く。それが嬉しくて俺は再び加藤さんに口付けた。そしてそれに応じてくれる愛しい人。そっと唇を離すと彼女はじっと大きな瞳で…少しだけ頬を赤らめて俺を見つめて来る。
「俺の部屋に…行こう?」
「うん…」
小さな声で頷く加藤さんの右手をしっかり握りしめると、俺は彼女を連れて部屋へと向かった。2人で無言で乗り込むエレベータ―。その代り握りしめる手に力を込めた。
ようやく手に入れた愛しい女性。この手を…放したくは無かった。
やがて止るエレベーター。手をつないだまま2人で降りて、部屋へと向かう。ここでようやく手を離すと俺は扉を開けながら言った。
「どうぞ、部屋の中…片付けておいてよかったよ」
「お邪魔します…」
加藤さんが遠慮がちに玄関へと入って行き、感嘆の声を上げた。
「うわぁ…すごい…!こんなに広いんだね!私の部屋なんかすごく狭いのに!」
「そう言えば…あまり広くは無かったよね」
そう、知ってるよ。あのマンションは正直言うと狭いし、使い勝手が良いとは思えなかった。
「上がって、とりあえず何か冷たいものでも出すよ」
エアコンはつけっぱなしにしていたので、室温はちょうど快適だった。
「ありがとう」
加藤さんは笑顔で答えると、部屋の中へと上がって行き…遠慮がちにローソファに座った。
「待ってて。すぐ用意するから」
キッチンへ向かう前に加藤さんに声を掛ける。
「うん、待ってる」
待ってる…その言葉に思わず赤くなりながらキッチンへと向かった―。
「ごめん。冷たいお茶でも…と思ったけど、ビールしか無かったんだ…これでもいいかな?」
2人分のビールを持って部屋に戻った。
「勿論ビールでいいよ。私、ビール好きだから」
「良かった」
加藤さんの前のテーブルにビールを置くと、俺も彼女の隣に座る。少しでも傍にいたかったからだ。
2人でプルタブを開けると俺は言った。
「乾杯しよう?恋人同士になった記念に」
「恋人…。そ、そうだね」
顔を赤らめながら返事をする加藤さん。
「「乾杯」」
2人で缶ビールをカツンと鳴らし、グイッとビールを口に入れる。そしてチラリと隣に座る加藤さんを見ると彼女も美味しそうにビールを飲んでいる。
「このビール、美味しいね」
「そう?良かった。最近お気に入りの北海道のクラフトビールなんだ。まだ沢山あるから好きなだけ飲んでもいいよ?」
すると慌てた様に加藤さんが言う。
「な、何言ってるの?1本で十分だよ」
言いながらも美味しそうにビールを飲む。その姿がとても可愛らしかった。
そうだ…。俺達はもう恋人同士になったんだから…。
「美味しかった~」
加藤さんが飲み終えた缶ビールをトンとテーブルに置いたのを見計らって俺は言った。
「あのさ…」
「何?」
「俺達はもう恋人同士になったんだよね?」
「そ、そうだね」
アルコールのせいか、それとも照れの為か…加藤さんの顔が赤くなる。
「なら…鈴音って呼んでもいいよね?」
そうだ、あいつが鈴音と呼ぶなら俺だって…呼んでいいはずだ。
「も、勿論だよ」
「なら俺の事は直人って呼んでよ」
「な、直人…さん…?」
真っ赤な顔で俺の名を呟く。
「うん。そう呼んで欲しい…」
「は、はい…」
赤い顔でコクリと頷く姿が何とも言えず可愛らしい。
「好きだ…鈴音…」
言いながら再び鈴音を抱き寄せ、唇を重ねるとおずおずと背中に手が回される。
もう我慢出来なかった。鈴音の全てが欲しい。
「鈴音…もっともっと鈴音に触れたい…」
口付けをやめて鈴音に訴える。
「うん…いい…よ…」
すると鈴音は顔を真っ赤にするも小さく返事をした。その言葉がどれだけ嬉しかったか計り知れない。
鈴音を抱き上げ、ベッドまで運ぶとリモコンで部屋の明かりを消した。
「鈴音、愛してる…」
「直人…さん…」
恥ずかしそうな顔で俺を見上げる鈴音。
そのまま鈴音の上に覆いかぶさり、彼女の服に手をかけた…。
****
ベッドの上で鈴音の細く白い身体に口づけしながら耳元で名前を呼び、愛を囁く。
「鈴音、好きだ……愛してる…」
俺の腕の中で甘い声を上げながら必死に縋りついてくる鈴音が愛しくてたまらない。
月明りに照らされながら…この日、2人は身も心も結ばれた―。
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