【完結】私、実はサレ妻でした。
夫とは結婚五年目。五歳と三歳の子供が二人いて、幸せな家庭を築いている。
夫は子育てにも協力的で、何より私のことも妻として、女としてちゃんと愛してくれている。
ーーーあの時までは、そう思っていた。
そして私は、知ってしまった。
夫が浮気している、ということをーーー。
2022/2/6【完結】
夫は子育てにも協力的で、何より私のことも妻として、女としてちゃんと愛してくれている。
ーーーあの時までは、そう思っていた。
そして私は、知ってしまった。
夫が浮気している、ということをーーー。
2022/2/6【完結】
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財閥御曹司の愛人に離婚を迫られましたが、私は彼の継母です
午前三時。港区の上流圏に、とんでもないゴシップが流れた。
見出しはやけに刺さるものだった――《神崎家の跡取り、六本木の会員制ラウンジでインフルエンサーの誕生日を祝う。正妻は深夜に避妊具を届けたか》。
私は画像を開き、そのまま靴を履いた。こんな大ネタを目の前にぶら下げられて、見に行かない理由がない。午前三時の東京に失礼というものだ。
写真の女は、たしかに目を引いた。オートクチュールのドレスをまとい、フロアの中央で水蛇みたいに身をくねらせている。周りでは二世の坊ちゃんたちがグラスを掲げ、面白がってはやし立てていた。
私はバーカウンターでロングアイランド・アイスティーを頼み、静かに見物するつもりで腰を下ろした。ところが彼女は赤ワインのグラスを手に、まっすぐこちらへ歩いてきた。
「あなたが佳奈さん? 藤堂家が地方から見つけ出した、本当の娘さんなんですってね。蓮司さんに頼まれて、あれを届けに来たんでしょう? 品物は? どうしてここでお酒なんか飲んでいるの?」
私は一瞬、反応が遅れた。人違いだと手を振ろうとした瞬間、彼女はいきなり私の手首をつかみ、そのまま自分から床へ崩れ落ちた。
がつん、と乾いた音がした。彼女の腕につけられていたパテックフィリップの文字盤がテーブルの角にぶつかり、見事にひび割れる。
顔を上げた彼女の目には、もう涙が浮かんでいた。ラウンジの照明より早い演技だった。
「佳奈さん……私のことが気に入らないのはわかっています。でも、どうして時計まで壊すんですか。蓮司さんが誕生日のために、わざわざスイスから取り寄せてくれたものなのに。どうしても私が邪魔なら、私が身を引きます」
あまりの展開に、私は言葉を失った。手元のグラスから酒がこぼれ、床に広がる。
深夜に避妊具を届けに来た、哀れな正妻?
冗談じゃない。
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