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第193話 第三王子は卒業を迎える!
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お母上様達との話し合いも終わり、卒業式当日を迎えた。あまりの展開の早さとご都合主義に困惑気味な『シュウ』です。
朝になり、僕たちの学園生活、最後の日を迎えた。
「やあ、エリス。おはよう」
「おはよう。シュウ君」
「この食堂で朝食を食べるのも最後なんだね」
「そうね。3年間あっという間だったわ」
「ここで初めてエリスに逢ったんだね」
「そうなるのかな……」
「んッ?」
「何でもない、何でもない! こっちの話し!」
「よう! 二人とも相変わらず朝から仲が良いなぁ」
「あっ! ダンベル。おはよう」
「おはよう。ダンベル君」
「ああ、おはよう。俺たちも今日で卒業かぁ……」
「早い三年間だったよ」
「そうだな。お前達のおかげで充実した三年間だったよ。ありがとうな」
「こっちだって、友達に恵まれて充…… 充実した三年間だったよ」
――最後の方はボッチの方が多かったけど……
「私もアルラサンドに来て良かったと思ってるわ」
「シュウはともかく、エリスがアルラサンドに着てくれたことは大きい! 学園も寮も快適な場所に成ったし、地方のみんなも喜んでくれてるだろうよ。アルラサンドの国民として感謝している。エリスはありがとう」
「そんな、私だけの力じゃないわ。ダンベル君わはじめとしたみんなの協力があってこそだよ」
「僕がアルラサンドに来なかったら、エリスもアルラサンドに来なかったし、全部僕のおかげかな?」
「何言ってんだ。このたぬきが!」
「フフフフッ」
「ハッ、ハハハハ」
「ハハハハッ」
「もう、こんなバカ話しも出来無くなるんだなぁ」
ダンベルが寂しそうな顔になった。
「ダンベルは高等部に行くんだろ?」
「明後日から俺は高等部の寮に引っ越しだ」
「お前らはいつ帰るんだ?」
「お母上様からフロンシニアスへ帰る前にハルタンに来てくれって言ってたから明日はハルタンに戻って、明後日にはフロンシニアスに帰るよ」
「そうかぁ、学院も寂しくなるなぁ」
「たまにはエリスと学院に遊びに来るよ」
「そうね。私もみんなに会いたいし、遊びに行くわ」
「ああ、待ってるぜ。じゃあ、俺は先に教室に行ってるっわ!」
「また、教室でな」
「じゃ、また教室で」
ダンベルは学院へと向かった。
「じゃあ、僕たちもそろそろ教室に行こうか?」
「そうね。そろそろ時間ね。じゃあ、いつもの場所で」
「うん、待ってるよ」
僕はエリスと別れ、自室に戻った。
「この部屋ともお別れかぁ~」
窓から外の景色を見る。この三年間、当たり前のように見てきた光景だけど、明後日からは見ることが出来ないことに寂しさを感じていた。
「さあ、学院に行く準備でもするかぁ」
一人で準備を始めた。専属メイドのレイニーはいつの間にか僕の部屋へは来なくなっていた。神出鬼没とはヤツのことを言うのだろう……
「シュウ君、お待たせ!」
「僕もさっき来たところだから気にしないで」
寮の前に並ぶ木々が僕らの待ち合わせ場所になっていた。
「ねぇ、今日はお義父様とお義母様はいらっしゃらないのよね?」
「ああ、本来の王族って、簡単に国王、王妃が自国を留守にするって方がおかしいからね。あの人達もその辺はわきまえていると思うよ。お母上様とお父上様は来るんだろ?」
「お母様とお父様がね。卒業式に出席することなんて無かったから楽しみだって!」
「エリス本人より楽しんでないか?」
「二人でどんな服装にするかって随分と相談しあったみたいよ」
「ソフィアちゃんは?」
「ソフィアちゃんも良い経験になるからって連れてくるみたいよ」
――ソフィアちゃん…… またお父上様におねだりでもしたんじゃないだろうか? みんな、ソフィアちゃんには甘いからなぁ~ そういう僕もソフィアちゃんからお願いされたらホイホイと言うことを聞いてしまう。将来魔性の魔女にならなきゃ良いけど……
教室に付き、三号生の担任となっていた、ヒスト・リーファン先生からありがたい話しと卒業式後に行われる舞踏会について説明を受けた。聞くところによると服装は自由で良いらしいが、その自由を逆手にとってコスプレをするヤツも多いらしい。異風を好み、派手な身なりをして、そして常識からかけ離れた行動! そう!みんな大好き傾奇者である。誰が一番の傾奇者か争うということでみんな、どんな衣装にするかは極秘にしている。
卒業式よりこちらがメインだと言う生徒もいるくらい傾奇者のレベルが高いらしい。
僕とエリスは傾奇者のことはあまり知らないので、フロンシニアス王国王族の式典用の正装にすることにした。エリスのドレスは母上が特別注文でもしたのだろう。赤く可愛らしいドレスと貴金属が送られて来ていた。
大講堂で厳かに卒業式が始まった。
大講堂にはすでに在校生、卒業生の保護者が座っていた。
「卒業生の入場」
司会のアナウンスが流れた。
僕が入場した時に、お母上様、お父上様、ソフィアちゃんまでならわかるが、ここに居てはいけない四人の姿があった!
父上、母上、ウツボ様、アイリスちゃんがさりげなく来賓席に鎮座していた!?
――どうしてここに居るんだ!? お前らの公務はどうした? ウツボ様なら自国ということもあって百歩譲ってもわかるが、なんでしれっと父上と母上がウツボ様の隣に座って居るんだ! ドッキリか? ドッキリなのか? 僕は何にも聞いてないぞ!
朝になり、僕たちの学園生活、最後の日を迎えた。
「やあ、エリス。おはよう」
「おはよう。シュウ君」
「この食堂で朝食を食べるのも最後なんだね」
「そうね。3年間あっという間だったわ」
「ここで初めてエリスに逢ったんだね」
「そうなるのかな……」
「んッ?」
「何でもない、何でもない! こっちの話し!」
「よう! 二人とも相変わらず朝から仲が良いなぁ」
「あっ! ダンベル。おはよう」
「おはよう。ダンベル君」
「ああ、おはよう。俺たちも今日で卒業かぁ……」
「早い三年間だったよ」
「そうだな。お前達のおかげで充実した三年間だったよ。ありがとうな」
「こっちだって、友達に恵まれて充…… 充実した三年間だったよ」
――最後の方はボッチの方が多かったけど……
「私もアルラサンドに来て良かったと思ってるわ」
「シュウはともかく、エリスがアルラサンドに着てくれたことは大きい! 学園も寮も快適な場所に成ったし、地方のみんなも喜んでくれてるだろうよ。アルラサンドの国民として感謝している。エリスはありがとう」
「そんな、私だけの力じゃないわ。ダンベル君わはじめとしたみんなの協力があってこそだよ」
「僕がアルラサンドに来なかったら、エリスもアルラサンドに来なかったし、全部僕のおかげかな?」
「何言ってんだ。このたぬきが!」
「フフフフッ」
「ハッ、ハハハハ」
「ハハハハッ」
「もう、こんなバカ話しも出来無くなるんだなぁ」
ダンベルが寂しそうな顔になった。
「ダンベルは高等部に行くんだろ?」
「明後日から俺は高等部の寮に引っ越しだ」
「お前らはいつ帰るんだ?」
「お母上様からフロンシニアスへ帰る前にハルタンに来てくれって言ってたから明日はハルタンに戻って、明後日にはフロンシニアスに帰るよ」
「そうかぁ、学院も寂しくなるなぁ」
「たまにはエリスと学院に遊びに来るよ」
「そうね。私もみんなに会いたいし、遊びに行くわ」
「ああ、待ってるぜ。じゃあ、俺は先に教室に行ってるっわ!」
「また、教室でな」
「じゃ、また教室で」
ダンベルは学院へと向かった。
「じゃあ、僕たちもそろそろ教室に行こうか?」
「そうね。そろそろ時間ね。じゃあ、いつもの場所で」
「うん、待ってるよ」
僕はエリスと別れ、自室に戻った。
「この部屋ともお別れかぁ~」
窓から外の景色を見る。この三年間、当たり前のように見てきた光景だけど、明後日からは見ることが出来ないことに寂しさを感じていた。
「さあ、学院に行く準備でもするかぁ」
一人で準備を始めた。専属メイドのレイニーはいつの間にか僕の部屋へは来なくなっていた。神出鬼没とはヤツのことを言うのだろう……
「シュウ君、お待たせ!」
「僕もさっき来たところだから気にしないで」
寮の前に並ぶ木々が僕らの待ち合わせ場所になっていた。
「ねぇ、今日はお義父様とお義母様はいらっしゃらないのよね?」
「ああ、本来の王族って、簡単に国王、王妃が自国を留守にするって方がおかしいからね。あの人達もその辺はわきまえていると思うよ。お母上様とお父上様は来るんだろ?」
「お母様とお父様がね。卒業式に出席することなんて無かったから楽しみだって!」
「エリス本人より楽しんでないか?」
「二人でどんな服装にするかって随分と相談しあったみたいよ」
「ソフィアちゃんは?」
「ソフィアちゃんも良い経験になるからって連れてくるみたいよ」
――ソフィアちゃん…… またお父上様におねだりでもしたんじゃないだろうか? みんな、ソフィアちゃんには甘いからなぁ~ そういう僕もソフィアちゃんからお願いされたらホイホイと言うことを聞いてしまう。将来魔性の魔女にならなきゃ良いけど……
教室に付き、三号生の担任となっていた、ヒスト・リーファン先生からありがたい話しと卒業式後に行われる舞踏会について説明を受けた。聞くところによると服装は自由で良いらしいが、その自由を逆手にとってコスプレをするヤツも多いらしい。異風を好み、派手な身なりをして、そして常識からかけ離れた行動! そう!みんな大好き傾奇者である。誰が一番の傾奇者か争うということでみんな、どんな衣装にするかは極秘にしている。
卒業式よりこちらがメインだと言う生徒もいるくらい傾奇者のレベルが高いらしい。
僕とエリスは傾奇者のことはあまり知らないので、フロンシニアス王国王族の式典用の正装にすることにした。エリスのドレスは母上が特別注文でもしたのだろう。赤く可愛らしいドレスと貴金属が送られて来ていた。
大講堂で厳かに卒業式が始まった。
大講堂にはすでに在校生、卒業生の保護者が座っていた。
「卒業生の入場」
司会のアナウンスが流れた。
僕が入場した時に、お母上様、お父上様、ソフィアちゃんまでならわかるが、ここに居てはいけない四人の姿があった!
父上、母上、ウツボ様、アイリスちゃんがさりげなく来賓席に鎮座していた!?
――どうしてここに居るんだ!? お前らの公務はどうした? ウツボ様なら自国ということもあって百歩譲ってもわかるが、なんでしれっと父上と母上がウツボ様の隣に座って居るんだ! ドッキリか? ドッキリなのか? 僕は何にも聞いてないぞ!
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