人々に愛された魔王のおはなし 〜信者の数だけ強くなる魔王、のんびり人助けしてたら世界最強になってました〜

魔族がひしめき合う暗黒時代。強大な力を持つ魔王達の脅威に晒されながらも、人間達は細々と生きていた。

そんな人間が暮らす町に突如として生えた〝丸い岩〟。
その岩にお願いをすると願いが叶うという。

 人々は希望を求め町を目指した。
 それが魔王の策とも知らぬまま――

「じい! じい! 恋愛相談解決で信仰値が10も上昇しちゃったぞ!」
「おめでとうございます魔王様」
「ふふふ。魔族と契約しているとも知らずに毎日毎日。ヒトというのは哀れな生き物よの」

丸い岩は契約の道具。願いを叶えることで人々は対価として信仰心を捧げ、信仰心を糧にこの〝信仰の魔王〟の力は増す。

噂は広がり、人が増え、信仰心もどんどん増える。
しかし、彼女にはひとつだけ欠点があった。

「怪我を治してくれ? 死なれては信仰が減るからの、おまけして病気も治してやろう!」

魔族の大きな目的である〝人間の根絶〟という使命を、完全に忘れてしまっていたのである――

これは、意図せず人々から愛された魔王による救済と覇道の物語。
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