無限のスキルゲッター! 毎月レアスキルと大量経験値を貰っている僕は、異次元の強さで無双する

まるずし

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第7章 新国テンプルム

第345話 壊れていた召喚装置

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「はっ、ここに来るのは3年ぶりか……懐かしいぜ。イヤな思い出しかないけどな」

「最初に喚ばれたとき以来ですねえ。あのときは、何が起こったのかさっぱり状況が分かりませんでしたぞ」

「わたしは恐怖でただひたすら震えていたけど、暴れてた人も結構いたよね」

「俺っちもビビって大人しくしてたけど、牙無魔ガンマは無茶苦茶怒って興奮してたよな」

「そりゃあ、説明もなしに大勢に囲まれて脅されたら、こっちだって黙ってられないだろ」

牙無魔ガンマ、人聞きの悪いことを言うな。まあしかし、我らも召喚術が成功したのはアレが初めてだったので、『異世界人』という存在を恐れてしまった。事態を収拾するため、少々手荒にはなってしまったな」

「アレが少々だってよ。ま、怪我を魔法で治されて、それで少し落ち着いたってところはあるけどな」

 牙無魔ガンマたちと将軍が、召喚当時のことを思い出して語り合っている。
 ただ、いま聞いた限りでは、あまり良い状況ではなかったようだ。

 法王様に案内されて、僕たちは異世界召喚を行ったという場所に来ている。
 そこは王城の地下深いところで、久魅那クミナの『時空通穴ワームホール』で移動するまでもない距離だったから徒歩で移動したけど、地下への移動は『時空通穴ワームホール』では難しいというのもあるのかもしれない。
 万が一出る場所を間違えたら地面の中だもんね。これは『空間転移スペースジャンプ』で移動するときも、細心の注意を払わなければならないところだ。

 ちなみに、ここには僕たちと将軍、法王様、そしてその親衛隊で来たけど、施設には研究者みたいな人も常駐しているようだ。
 予想していた通り、この召喚施設は古代人が作ったモノらしく、召喚をしたという部屋には床一面に巨大な魔法陣が描かれており、それを補強するように壁や天井にも魔力回路が組み込まれ、立体的な構造となっている。

 僕でもまるで解析ができない。一応、使い方はなんとなく理解はできるが、細かい調整などはほとんど不明だ。
 研究者たちは、この分析を日々行っているものと思われる。実験もかなりしているはず。
 さっき将軍が『召喚術が成功したのは初めてだった』と言ってたけど、そのあとも何度かチャレンジしているんだろうか?


「ユーリ王はお気づきになられたかもしれませんが、この魔導機は私たち法王国の者が作ったわけではありません。遙か昔、この地下で発見されたモノなのです。それを、長い年月をかけて研究し、つい最近になってようやく使用方法が分かりました。そして魔王復活の兆しを知り、慌てて喚び寄せたのが彼らなのです」

牙無魔ガンマたち以外にも、異世界から喚べた人はいるのですか?」

「……いいえ、それどころか、あのあと一度も起動に成功しておりません。どうやら故障してしまったようなのです」

「ええっ、そんな……!」

 僕はもう少し解析を実行してみる。なるほど、確かに魔導回路に異常があるようだ。
 というより、どうやら魔導機は始めから完全ではなかったらしく、その状態で負荷をかけたので故障してしまったらしい。
 なんてこった、これじゃ牙無魔ガンマたちを還すことが……


 いや、まて! 僕には壊れた物を直せる『回帰魔法』があったじゃないか!


「法王様、僭越ながら、この魔導機を僕に修理させていただけないでしょうか?」

「修理? 初めて見たこの魔導機を、ユーリ王は修理できると?」

「直せるかは分かりませんが、試してみたいのです」

「……もし直していただけるなら、それは願ってもないことです。分かりました、ユーリ王の奇跡の力を信じましょう」

「ありがとうございます!」

 よし、許可が下りた!
 コレさえ直せば、牙無魔ガンマたちも元の世界に還ることができるかもしれない。
 では……『回帰魔法』レベル10で修復だ!


「元に戻れ!」


 ……見た目は何かが変わったということはないけど、魔導機に魔力が通るのを感じた。
 魔導回路が無事復活したんだ!
 それが研究者たちにも分かったのか、驚いて何かを確認している。

「ほ……法王猊下、魔導機が起動しております! それも、不安定だった以前と比べ、非常に安定した状態です」

「な……なんと……!? こんな奇跡が……!」

「ユ、ユーリ、お前そんなことまでできるのか!?」

「ああユーリ様はまるで神様のようです、一生おそばでお仕えいたします」

 いや、久魅那クミナは元の世界に還ったほうがいいよ? せっかく魔導機が直ったんだから。
 しかし、直ればすぐに戻れるというわけじゃなさそうだな。喚び寄せるのと還すのでは操作が違うだろうし、その辺はさすがに僕でも分からない。
 研究者が完全に解析してくれることを祈るしかないな。

「どうでしょう? これでまた召喚の研究が進みますでしょうか?」

「もちろんです、ユーリ王には感謝の言葉もありません。ただ……」

「ただ? まだ何か問題があるのでしょうか?」

「はい。実は召喚実験などには魔力が必要なのですが、それがもう無いのです。この魔導機には魔力を貯蔵する装置もあるのですが、前回の召喚で全て使い果たしてしまいました。なんとか起動はできるものの、召喚自体を行うことは当分不可能でしょう」

「また溜めることはできないのでしょうか?」

「それは可能ですが、もう一度異世界召喚を行うには膨大な魔力が必要で、少なくとも今後数年間は魔力をコツコツと蓄積し続けなければならないのです」

 なんだ、そんなことか。
 ようするに、魔導機を動かすための魔力を補充すればいいんだな?

「分かりました、その魔力も僕が補充します」

「いえ、安定して起動させるにはかなりの魔力が必要で、さすがのユーリ王でもとても足りるものでは……」

「大丈夫です、お任せください!」

 魔導機も直ったし、だいぶ希望が出てきた。
 法王国のため、この世界のため、そして何より牙無魔ガンマたちのためにも、張り切って魔力を補充しちゃうぞ!
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