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1章
国民の恐怖
しおりを挟むアトゥールが神罰を下す前の、ライラット王国、国民の1人の気持ちです。
ーーーーーーーーーー
俺達の国は、最近とにかくおかしい。
なぜかって?
あの〝忌み子〟をデーヴィド帝国の皇族達が、連れて行ってくれて、はや1週間、最近俺達の国ではなぜか、人が消える。
赤子だろうが、老人だろうが、家族がいようがいまいが、関係なく次々に消える。
何の前触れもなく、本当に突然に。
魔力の強い者は王族だろうが、貴族だろうが、平民だろうが、全て消えた。
どこに行ったのかさえも、誰もわからない。
この国から、出ようとしても見えない何かに阻まれこの国の外へ出ることすら出来ない。
出ようと思い、何度も試みた者は、何度目かわからないが消える。
そんなこともあり、誰一人として国境付近に近づこうとしなくなった。
その上、神殿では神官達がいつもは2日に1度くるはずの神託が、1度もきていないと騒いでいた。
自分達も、もしかしたら.....
そんな恐怖に俺達は、怯えていた。
しばらくして、神殿から加護の光が消えるという事件が起こった。
神殿は、神からの加護を受け加護の光をもつ。
反対に、神から見捨てられれば加護の光は消える。
だからこそ、神官達は加護光を取り戻すために必死に神に祈りを捧げていたが、再びこの国に光は戻ることは、なかった。
つまり、この国は神に見捨てられたのだ。
俺達は、何か神を怒らせることをしてしまったのだろうか?
俺は、そこで気づいた。
もしかして、この国の人間が消えたのは、神が人間を選別をしているからなのでは?と。
これから、俺達はどうなるのだろう。
俺は、この先の未来に恐怖を抱きながら、無事生きていられることを願うのだった。
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