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第一章 不可思議な現実?
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「…………」
う……ん。
「…………」
ん?
「…………」
んー……。
「はぁ、いい加減起きて下さいませエルお嬢様!!」
「う、うわ、は、はいいぃぃぃぃぃぃ⁉」
目の前には禍々しくも歪に歪ませている様にしか見えない、頭に二本の角をにょっきりと生やしている(幻覚です)般若様ならぬテアが――――ってぇ⁉
「て、テア……なの?」
嘘……でしょと思わず私はテアを二度見してしまった。
だって私は……。
一方テアはと言えば両手を腰に当て、仁王立ちのままこちらへグイっと上半身を前に屈め覗き込んできた。
「エルお嬢様。間違いなく私はテア・エデルガルト・フローンに相違御座いません!!」
確かにテアだわ。
うんテアよね。
彼女がテアである事は理解出来ているの。
でもそれにしては色々と、そう色々と若く?
いやいや何故若いと思ったのかしら。
あれ?
確か私は今16歳だった?
そう16歳の私がいて……。
私が16歳ならば3歳違いのテアは19歳の筈。
なのにどうして目の前のテアは知り合った頃の、私が9歳だった頃の姿なのかしら。
わからない。
まるで頭の中に霞がかってぼんやりとしているよう。
深く考えれば考える程、思い出そうとすればする程にどんどん先程迄クリアだった記憶が曖昧になっていく。
ただ霞の向こうにいるテアらしい女性はとってもお胸の大きな女性……。
私は記憶の向こうにいたであろうテアらしき女性との違いに何度も彼女のお胸の辺りを見てしまう。
「……エルお嬢様。何気にその何とも言えない生温い眼差しで人の胸を見るのだけはやめて頂けませんか」
わなわなと、怒りの余り全身を震わせている様子を見れば間違いなく彼女は本物のテアなのだと即座に理解し謝罪の事はを告げる。
「ご、ごめんなさい!!」
平身低頭で……って寝台の上でだけれど、まぁ問題はそこではない。
ガバリと頭を深く下げた事により垣間見えたのは己の完全なる絶壁であろうお胸。
確か霞の向こうにある記憶ではささやかながらも谷間のある胸だった筈。
確認とばかりにそっと自身の胸に触れるも素晴らしき絶壁。
とは言えお胸の事ばかり考えていても仕方がない。
然も結婚を間近に控えた私にしてみればよ。
ささやかな……いやいや絶壁お胸女子を妻にしたジークヴァルト様は初夜の折、嘸かしがっかりされる事だろ……?
何故ここにジークヴァルト……様?
一体何処のってもしかしなくともジークヴァルトと言う名前はこの国ではあの公爵家の、お兄様と同じ年齢のジークヴァルト・ラッツエル様の事……⁉
思い、出した。
全てをと言う訳では……っ⁉
「……っ⁉」
もっと深く考えようとすれば何故か頭の奥が痛くなる。
でも確か、うん記憶の向こうで私はジークヴァルト様と婚約して、いた。
結婚式を翌日に控えた私は――――!!
私はエルネスティーネ・イェーリス。
由緒正しいキルヒホフ侯爵家の娘。
私のお父様はこのファーベルク王国の現宰相であると同時に幼い頃より陛下の無二の親友。
お母様は王陛下の妹、つまりは王妹。
そのサラブレッドな家系の子供が私である。
因みに王陛下と王妃様の間に誕生されたのは全て男児と言うか普通に四人の王子様方。
そこの辺りは臣下として、またこれより先国の安泰へと繋がるのだからとても喜ばしいのは間違いない。
また我がファーベルク王家とその姻戚関係にある家は何故か不思議な事に皆揃いも揃って男系しか誕生しない。
男児が生まれるのは当然であり、女児が誕生するのは非常に稀と言う少し変わったもの。
ただそれでも両陛下からすれば是が非とも王女が欲しかったのだとか。
精一杯頑張られた結果四人もの立派な王子様を誕生させたと言うのによ。
今でも娘が欲しいと宣われる。
そんなこんなで何かにつけて親友の娘であり稀少な女児として誕生した私は、幼い……そう多分生まれた頃より両陛下や殿下方からとても慈しまれていた?
まぁそれはそれでとても光栄だし嬉しいのは間違いない。
でもお願いだから各国の大使や王族方へ我が王女と間違った情報を流すのだけは是が非ともやめて頂きたい。
これって本当にややこしい事になるのだからね!!
あらら話が逸れてしまったわね。
コホン、記憶の向こうでは大変お節介な……いやいや両陛下の有り難いお心遣いにより、王妹を母に持つ私と王妃陛下のご実家でもある現シュターデン公爵家の若き当主ジークヴァルト様と七年前、王命により婚約が調えられてしまったの。
う……ん。
「…………」
ん?
「…………」
んー……。
「はぁ、いい加減起きて下さいませエルお嬢様!!」
「う、うわ、は、はいいぃぃぃぃぃぃ⁉」
目の前には禍々しくも歪に歪ませている様にしか見えない、頭に二本の角をにょっきりと生やしている(幻覚です)般若様ならぬテアが――――ってぇ⁉
「て、テア……なの?」
嘘……でしょと思わず私はテアを二度見してしまった。
だって私は……。
一方テアはと言えば両手を腰に当て、仁王立ちのままこちらへグイっと上半身を前に屈め覗き込んできた。
「エルお嬢様。間違いなく私はテア・エデルガルト・フローンに相違御座いません!!」
確かにテアだわ。
うんテアよね。
彼女がテアである事は理解出来ているの。
でもそれにしては色々と、そう色々と若く?
いやいや何故若いと思ったのかしら。
あれ?
確か私は今16歳だった?
そう16歳の私がいて……。
私が16歳ならば3歳違いのテアは19歳の筈。
なのにどうして目の前のテアは知り合った頃の、私が9歳だった頃の姿なのかしら。
わからない。
まるで頭の中に霞がかってぼんやりとしているよう。
深く考えれば考える程、思い出そうとすればする程にどんどん先程迄クリアだった記憶が曖昧になっていく。
ただ霞の向こうにいるテアらしい女性はとってもお胸の大きな女性……。
私は記憶の向こうにいたであろうテアらしき女性との違いに何度も彼女のお胸の辺りを見てしまう。
「……エルお嬢様。何気にその何とも言えない生温い眼差しで人の胸を見るのだけはやめて頂けませんか」
わなわなと、怒りの余り全身を震わせている様子を見れば間違いなく彼女は本物のテアなのだと即座に理解し謝罪の事はを告げる。
「ご、ごめんなさい!!」
平身低頭で……って寝台の上でだけれど、まぁ問題はそこではない。
ガバリと頭を深く下げた事により垣間見えたのは己の完全なる絶壁であろうお胸。
確か霞の向こうにある記憶ではささやかながらも谷間のある胸だった筈。
確認とばかりにそっと自身の胸に触れるも素晴らしき絶壁。
とは言えお胸の事ばかり考えていても仕方がない。
然も結婚を間近に控えた私にしてみればよ。
ささやかな……いやいや絶壁お胸女子を妻にしたジークヴァルト様は初夜の折、嘸かしがっかりされる事だろ……?
何故ここにジークヴァルト……様?
一体何処のってもしかしなくともジークヴァルトと言う名前はこの国ではあの公爵家の、お兄様と同じ年齢のジークヴァルト・ラッツエル様の事……⁉
思い、出した。
全てをと言う訳では……っ⁉
「……っ⁉」
もっと深く考えようとすれば何故か頭の奥が痛くなる。
でも確か、うん記憶の向こうで私はジークヴァルト様と婚約して、いた。
結婚式を翌日に控えた私は――――!!
私はエルネスティーネ・イェーリス。
由緒正しいキルヒホフ侯爵家の娘。
私のお父様はこのファーベルク王国の現宰相であると同時に幼い頃より陛下の無二の親友。
お母様は王陛下の妹、つまりは王妹。
そのサラブレッドな家系の子供が私である。
因みに王陛下と王妃様の間に誕生されたのは全て男児と言うか普通に四人の王子様方。
そこの辺りは臣下として、またこれより先国の安泰へと繋がるのだからとても喜ばしいのは間違いない。
また我がファーベルク王家とその姻戚関係にある家は何故か不思議な事に皆揃いも揃って男系しか誕生しない。
男児が生まれるのは当然であり、女児が誕生するのは非常に稀と言う少し変わったもの。
ただそれでも両陛下からすれば是が非とも王女が欲しかったのだとか。
精一杯頑張られた結果四人もの立派な王子様を誕生させたと言うのによ。
今でも娘が欲しいと宣われる。
そんなこんなで何かにつけて親友の娘であり稀少な女児として誕生した私は、幼い……そう多分生まれた頃より両陛下や殿下方からとても慈しまれていた?
まぁそれはそれでとても光栄だし嬉しいのは間違いない。
でもお願いだから各国の大使や王族方へ我が王女と間違った情報を流すのだけは是が非ともやめて頂きたい。
これって本当にややこしい事になるのだからね!!
あらら話が逸れてしまったわね。
コホン、記憶の向こうでは大変お節介な……いやいや両陛下の有り難いお心遣いにより、王妹を母に持つ私と王妃陛下のご実家でもある現シュターデン公爵家の若き当主ジークヴァルト様と七年前、王命により婚約が調えられてしまったの。
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