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終章 エルネスティーネ、彼女の選んだ決断と未来
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しおりを挟む転移して最初に視界に入った景色は……って瘴気が充満している故にほぼ何も見えない。
青紫の、そう王宮の森の中で感じたものよりも瘴気の濃度は数倍濃い。
森の中が霞ならばこの場所はまさに猛毒ガスで充満されていると言っても過言ではない。
恐らく普通の人間ならば、いえ動植物達も一瞬で死ぬ若しくは廃人になっているでしょうね。
はぁ、二人のお兄様達とジークヴァルト様を強制的に王宮へ戻ったと同時に眠らせておいて正解だわ。
アルお兄様も煩いからついでに眠らせていたわ。
本当に溺愛度が重いと色々と大変。
お父様と王陛下だけでも十分ウザいと感じたのよ。
でも何れの想いも全ては私と言う存在を愛おしんで下さっているからだ。
とても有り難いし幸せな事なのだと感謝していてよ。
そして私は私を愛する人達の為にもここより逃げる事は許されない。
とは言え私自身身の内に秘められたるイルメントルートお母様の力と自身の持つ力を合わせた神の力。
これが果たしてトルテリーゼに何処まで対抗できるかはっきり言ってわからない。
肉体は神力で強化をしているとは言え元は脆弱な人間の器なのだから、この場所に長居をしていい訳ではない。
まぁ最悪肉体が駄目になれば本来の精神体で勝負するしかないわね。
叶うならばこの身体のまま皆の許へ帰りたい。
でも世界を形成している大地は既に蒼く変色し、上を見上げれば大気はどんよりとした禍々しくも青紫の分厚い雲でしっかりと覆われている。
本当に一条の、陽光さえもこの地へは届かない。
生命を育む陽光を遮られ、浄化する事も出来ない不毛の地イルクナー。
それでもクレメンティーネお母様の封印によってトルテリーゼ自身はまだ辛うじて封じられている。
だけど千年もの長き時により歪みきった彼女の思念までもはどうやら封じられなかったみたいね。
今千年ぶりに新たなる器を手に入れたって訳?
「そうでしょうトルテリーゼ。いえ貴女の名は……」
私は気配を察知し祠近くに立つ者へと振り返る。
「私はお前を憎みそしてお前自身になりたい者」
ギラギラと強く愛憎の籠る眼差しで私を睨みつける存在は女性。
正確に言えば私と彼女は初対面。
正式に会った事もなければ紹介をされた事もない。
ただ私はある理由で彼女を見知っていると同時に怒りをも抱いていた。
そう歪められた空間において彼女は私からあるものを奪ったのだから……。
今の私にしてみればどうでもいい……と言うのかほんの少しだけ微妙な感覚なのかもしれない。
また彼女を浄化しトルテリーゼ引き離したとしてもだ。
多分心から彼女とは分かり合えないのやもしれない。
本当にある意味人間の持つ感情は厄介極まりない。
「名乗りたくないのなら私が当ててみましょうか」
えぇ貴女の名は――――。
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