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私は引き続き魔法の練習をしていた。
グレンに負け、ガウリ様のような奇抜な魔法も使えない。
修行に行き詰ってしまった。
「なんや、落ち込んでんなぁ」
「わかる?」
「せやなー、予想やけどルルはここに来る前は確実に飛びぬけた才能を持っていた。しかしウチの弟子になって得られたものは数少なく、記憶が戻ったこと以外に収穫は無しや。実力では劣っていたはずのグレンに負け、ガウリの様な魔法の器用さもない。私はどうすれば強くなれるんやろってところか?」
「すごいわね。心でも読めるの?」
「見てればわかるで。なぁ、自分何のために魔法を覚えたんや?」
「何のため?」
私が魔法を覚えたのはアハトの力になりたくて?
違うわ、そんなんじゃない。
「ライトニングアイテルを作った時の自分を思い出してみ?魔法を見れば作成者の気持ちなんてなんとなくわかる」
そうね。
私はチャリオット陛下の使う魔法が面白かったから魔法を使ってみたいと思った。
別に強くなりたいから魔法を覚えていたわけじゃない。
「私は魔法を使うのが楽しかった。別に強くなりたいわけじゃなかったわ」
「そうやな。ライトニングアイテルは自分さえできればいいって、そういった無邪気さを感じたで」
「なのに私はどうして魔法を戦いの手段として鍛えようとしていたのかしら」
「まぁ殺し合いに身を投じてたんや。それは仕方ない思考やと思う。でも自分、人殺し苦手やろ?」
「そんなこと!」
ないとは言えなかった。
確かに私は人殺しが苦手だ。
目の前の人間が例え悪人だとしても、その人にも大切な人間がいて大切にされてる人がいて、その人が死んだら悲しむ人間がいるかもしれない。
そう思ってしまうから私は人に手を下すことを躊躇ってきた。
「相手を殺すんじゃない。魅せる魔法使いになればええ。せやなー、相手を魔法の質で魅了させて戦意をなくす魔法使いを目指せばいいんやないか?」
「相手を魅了する魔法使い・・・」
なるほど、そっか。
アハトも言ってたものね。
魅了魔法を使う魔女って。
ライトニングアイテルを名付けたのもあんただったわ。
何か見えた気がした。
「私の思いを具現化させる。そうすれば新しい魔法ができる」
「ん?なんや?」
「私は私のしたいように魔法を作る」
プリンセスホーネットで何度も試した。
そして出力の感覚もつかめた。
殺したくない、でも強くありたい。
その二つを両立させるには、こうすればよかったのよ。
「ありがとうフルミニス。おかげで私は私の理想的な魔法の使い方を覚えたわ」
魔力を放出しながら魔力の出力を変える。
それは幼いころから魔力を操っていた私にしかできないこと。
「七色に光る魔力・・・なんやこれ?」
そうよ。
これはただの雷の魔法なんかじゃないの。
「見ててフルミニス。これが私の魔法。生きた魔法。超級魔法アメイジングバタフライ」
私の周りから七色に輝く蝶の大群が私の周りを飛び回る。
この魔法はバタフライという雷の初級魔法をアレンジした魔法。
「ほぅ。初級魔法バタフライを超級魔法に変えるか」
「どうかしら?」
初級魔法バタフライは当たった瞬間相手を痺れさせる程度の魔法だけど・・・アメイジングバタフライは違うわ。
フルミニスにアメイジングバタフライをぶつけることで、その真価を発揮する。
身体全体に纏わりつかせると少しだけ不気味だけど。
「どうってなにも起きないがーーー」
「そうよ?この魔法は何も起きないの!」
正確には目に見えた効果がないだけ。
きっと、ちゃんと作用してるはず。
「・・・はぁ?」
「驚くのも無理ないわ。じゃあそこから動いてみて」
「何を言ってーーーう、動けへん!?」
フルミニスは頑張ってその場から動こうとするも、まるで足が地面に吸い付いているかのように動かなかった。
これが私が編み出した私だけの魔法の使い方。
アメイジングバタフライは相手の魔力に侵食して雷属性を加えて地面に足を固定する魔法。
地層には磁場があるからね。
「なんやねん、この魔法は・・・」
「相手を魅了する魔法よ。見てて!超級魔法アメイジングペガサス」
幻獣ペガサスなんて、洒落てるわよね。
虹色のペガサスに跨って私は空を駆け巡る。
まるで浮遊魔法の様に。
「なんや?実態のある雷魔法か?」
とりあえず降りてこの魔法の説明をしないとね。
私が編み出したこの奥義。
「えぇ、説明するとねーーー」
「おーいルル!」
私がこの奥義についてフルミニスに説明しようとしたところで、グレンが走ってきた話を遮ってきた。
それよりもどうしてグレンが?
「どうしたのグレン?」
「はぁはぁ・・・大変だルル!ヒカラム共和国で革命が起きて、帝国がその革命に介入したらしい!」
「ッ!?どういうこと?」
ヒカラム共和国は王国との同盟国で、その国で革命が起こるなんて。
しかもそれが私の母国帝国って。
今はアハトが帝国を掌握してるんじゃなかったの?
グレンに負け、ガウリ様のような奇抜な魔法も使えない。
修行に行き詰ってしまった。
「なんや、落ち込んでんなぁ」
「わかる?」
「せやなー、予想やけどルルはここに来る前は確実に飛びぬけた才能を持っていた。しかしウチの弟子になって得られたものは数少なく、記憶が戻ったこと以外に収穫は無しや。実力では劣っていたはずのグレンに負け、ガウリの様な魔法の器用さもない。私はどうすれば強くなれるんやろってところか?」
「すごいわね。心でも読めるの?」
「見てればわかるで。なぁ、自分何のために魔法を覚えたんや?」
「何のため?」
私が魔法を覚えたのはアハトの力になりたくて?
違うわ、そんなんじゃない。
「ライトニングアイテルを作った時の自分を思い出してみ?魔法を見れば作成者の気持ちなんてなんとなくわかる」
そうね。
私はチャリオット陛下の使う魔法が面白かったから魔法を使ってみたいと思った。
別に強くなりたいから魔法を覚えていたわけじゃない。
「私は魔法を使うのが楽しかった。別に強くなりたいわけじゃなかったわ」
「そうやな。ライトニングアイテルは自分さえできればいいって、そういった無邪気さを感じたで」
「なのに私はどうして魔法を戦いの手段として鍛えようとしていたのかしら」
「まぁ殺し合いに身を投じてたんや。それは仕方ない思考やと思う。でも自分、人殺し苦手やろ?」
「そんなこと!」
ないとは言えなかった。
確かに私は人殺しが苦手だ。
目の前の人間が例え悪人だとしても、その人にも大切な人間がいて大切にされてる人がいて、その人が死んだら悲しむ人間がいるかもしれない。
そう思ってしまうから私は人に手を下すことを躊躇ってきた。
「相手を殺すんじゃない。魅せる魔法使いになればええ。せやなー、相手を魔法の質で魅了させて戦意をなくす魔法使いを目指せばいいんやないか?」
「相手を魅了する魔法使い・・・」
なるほど、そっか。
アハトも言ってたものね。
魅了魔法を使う魔女って。
ライトニングアイテルを名付けたのもあんただったわ。
何か見えた気がした。
「私の思いを具現化させる。そうすれば新しい魔法ができる」
「ん?なんや?」
「私は私のしたいように魔法を作る」
プリンセスホーネットで何度も試した。
そして出力の感覚もつかめた。
殺したくない、でも強くありたい。
その二つを両立させるには、こうすればよかったのよ。
「ありがとうフルミニス。おかげで私は私の理想的な魔法の使い方を覚えたわ」
魔力を放出しながら魔力の出力を変える。
それは幼いころから魔力を操っていた私にしかできないこと。
「七色に光る魔力・・・なんやこれ?」
そうよ。
これはただの雷の魔法なんかじゃないの。
「見ててフルミニス。これが私の魔法。生きた魔法。超級魔法アメイジングバタフライ」
私の周りから七色に輝く蝶の大群が私の周りを飛び回る。
この魔法はバタフライという雷の初級魔法をアレンジした魔法。
「ほぅ。初級魔法バタフライを超級魔法に変えるか」
「どうかしら?」
初級魔法バタフライは当たった瞬間相手を痺れさせる程度の魔法だけど・・・アメイジングバタフライは違うわ。
フルミニスにアメイジングバタフライをぶつけることで、その真価を発揮する。
身体全体に纏わりつかせると少しだけ不気味だけど。
「どうってなにも起きないがーーー」
「そうよ?この魔法は何も起きないの!」
正確には目に見えた効果がないだけ。
きっと、ちゃんと作用してるはず。
「・・・はぁ?」
「驚くのも無理ないわ。じゃあそこから動いてみて」
「何を言ってーーーう、動けへん!?」
フルミニスは頑張ってその場から動こうとするも、まるで足が地面に吸い付いているかのように動かなかった。
これが私が編み出した私だけの魔法の使い方。
アメイジングバタフライは相手の魔力に侵食して雷属性を加えて地面に足を固定する魔法。
地層には磁場があるからね。
「なんやねん、この魔法は・・・」
「相手を魅了する魔法よ。見てて!超級魔法アメイジングペガサス」
幻獣ペガサスなんて、洒落てるわよね。
虹色のペガサスに跨って私は空を駆け巡る。
まるで浮遊魔法の様に。
「なんや?実態のある雷魔法か?」
とりあえず降りてこの魔法の説明をしないとね。
私が編み出したこの奥義。
「えぇ、説明するとねーーー」
「おーいルル!」
私がこの奥義についてフルミニスに説明しようとしたところで、グレンが走ってきた話を遮ってきた。
それよりもどうしてグレンが?
「どうしたのグレン?」
「はぁはぁ・・・大変だルル!ヒカラム共和国で革命が起きて、帝国がその革命に介入したらしい!」
「ッ!?どういうこと?」
ヒカラム共和国は王国との同盟国で、その国で革命が起こるなんて。
しかもそれが私の母国帝国って。
今はアハトが帝国を掌握してるんじゃなかったの?
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