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私達は精霊界から転移した。
イデリッサが転移先は調整してくれて、ヒカラム共和国と王国の国境に着いた。
でもフルミニスまで付いてきてくれるとは思わなかったわ。
「まだマヤとマーラは実力不足らしいからなー、ウチが彼女達は守ったるから存分に闘いなー」
「頼むわね師匠」
「むず痒いで」
とりあえずカルロス様の救出が第一目標だわ。
カルロス様の生存状況は今のところは問題ないけど、いつ殺されるかもわからない状況だもの。
「とりあえず地下水路から牢獄に繋がる道がある。そこを使って侵入して、カルロス様を救出する」
「それじゃあ俺は脱出する時の殿を務めるぜ!」
「そうね、なら安全のためにヴァルカンはグレンが持ってて」
「おうよ!」
グレンが後ろに構えてくれるなら、安心して逃げられる。
「でもそれは共和国に辿り着ければ話です」
「誰だ!」
黒髪の女性で聖女の称号を受けた女性が現れる。
そうだったわ、帝国もヒカラム共和国に侵攻していたんだったわね。
「ゴールドマリー」
「久しぶりねルルシア様。いいえ、天の架け橋の一人、ルルシア・フォン・イガラシ?とでも言えば良いかしら?」
「そう、みんなは私が記憶を取り戻したのを知ってるってことかしら?」
「そうよ。まぁいいでしょう?私もリリノアールには殺したいほど恨みを持っているの。同じ被害者として仲良くしましょうよ」
「そういう割にさっきから私達に向けて殺気を飛ばしてくるのはなんでかしらね?」
ビリビリと伝わってくる殺気は前にあった時のそれとは明らかに違う手加減無しのものだった。
恐らく前にこの殺気をぶつけられたら、動くことすらままならないほどの気迫。
「勘違いしないで?私は足止めをする気しかないの。でも驚いたんですよー?リィナの言う通りここに転移してくるなんて」
「リィナ?」
転移することを察知していた?
それはまるでリィナではなくシリィの能力だわ。
「どう言うことだルル?」
「恐らく私達の情報はまるで筒抜けってことよ。全知の力を使った誘導。私が昔使わせてもらっていた戦法だわ」
「だがそれはシリィ嬢小物なんだろ?でも彼女は亡くなったって」
「違うわグレン。彼女が全知を利用した、今あるのはそれだけよ」
「・・・だな」
敵に回すとこんなにも厄介なのね。
今思えば前のアース戦の時と誘導されていたと考えるのが自然ね。
「みんなは先に行って、全知があるとすれば私達の動きは把握されてるわ。」
「だけどそれはルルシアも同じはずだ。我々で対処すれば」
「帝国の狙いは時間稼ぎ、それとゴールドマリーひとりが配置されてるということは、ここまで時間稼ぎをする必要はないのよ」
「つまり一刻も無駄にはできないと言うことか」
「ガウリ、ルルを信じようぜ?」
四人は私を置いてヒカラム共和国の方向へと走っていった。
こいつ、追わないのね。
「どういうつもり?」
「貴女以外は通しても問題ないの」
「チッ!」
つまりこれも想定内って事ね。
でも信じるしかない。
「先に言っておきますね。手加減はしませんから」
「それはこっちの台詞!」
「聖なる翼!」
ゴールドマリーの後ろから翼が生えて飛び上がった。
制空権を取りに来たんでしょうけど、私だって空を飛ぶ手段はあるわよ。
「アメイジングペガサス!」
「ペガサス?」
私はペガサスに跨がり天空を翔る。
呆けた顔をしてるわね。
「そんな魔法があるんだ。聞いた限りだと雷属性が主属性って聞いて居たのだけれど」
「間違ってないわよ?」
「領空権を取ったつもりだろうけど、私は自分の意思で翼を動かせるのよ!」
「それは私も同じだけど?」
彼女の空中での高速移動に、アメイジングペガサスで小回りを利かせて付いていく。
流石に早いけど、こっちも雷の速さよ。
「そうか、それは生き物じゃなくてちゃんと雷属性の魔法。そうだったわね、動物を模した魔法が雷だったわね」
「見たことない魔法で優位は取らせてもらうわよ」
「忘れたの?私の前では魔法は無力」
負荷をかけられた。
でもそれはもう前のでわかってるのよ。
「アメイジングホーネット」
「ホーネット?そんな弱い魔法で一体何をする気?」
「わかるわよ」
アメイジングホーネットは、張り付くことで魔力を強化する魔法。
プリンセスホーネットから発想を得て今考えた。
「力押し?私の魔力負荷領域を無理矢理突破するなんて、アハトでもやらなかったのに」
「貴女程度に躓いてるほど、私は遅れてられないの!アメイジングハクビシン!」
私が最も得意とする雷属性魔法ハクビシンの改良を施した、超級魔法アメイジングハクビシン。
「この魔法は普通のハクビシンより殺傷能力はほとんどないけど動きが速い」
「くっ!避けるので精一杯。貴女、前に会ったときよりも格段に強いわ。流石は天の架け橋。みんな千差万別の強さを持ってるわ」
アメイジングハクビシンの直撃を喰らわせたことで、彼女の身体全身に電気が回った。
身体を硬直させる上に、魔力を体外から雷に変換して排出させる魔法。
「リリノアールと違って私を殺す気のない魔法。アハト達の言ってることは本当だった」
「口を動かせるの?身体が麻痺してるのに」
「この程度で私の憎悪をどうにか出来るはずがないでしょう?」
突如として、邪悪なエネルギーが彼女から排出され始めた。
さっきの聖魔法よりも空気をヒリつかせる。
それよりも圧力が、恐怖で頭を塗りたくってるわ。
何が聖女よ。
こんなの魔王って言われても不思議じゃないわよ。
イデリッサが転移先は調整してくれて、ヒカラム共和国と王国の国境に着いた。
でもフルミニスまで付いてきてくれるとは思わなかったわ。
「まだマヤとマーラは実力不足らしいからなー、ウチが彼女達は守ったるから存分に闘いなー」
「頼むわね師匠」
「むず痒いで」
とりあえずカルロス様の救出が第一目標だわ。
カルロス様の生存状況は今のところは問題ないけど、いつ殺されるかもわからない状況だもの。
「とりあえず地下水路から牢獄に繋がる道がある。そこを使って侵入して、カルロス様を救出する」
「それじゃあ俺は脱出する時の殿を務めるぜ!」
「そうね、なら安全のためにヴァルカンはグレンが持ってて」
「おうよ!」
グレンが後ろに構えてくれるなら、安心して逃げられる。
「でもそれは共和国に辿り着ければ話です」
「誰だ!」
黒髪の女性で聖女の称号を受けた女性が現れる。
そうだったわ、帝国もヒカラム共和国に侵攻していたんだったわね。
「ゴールドマリー」
「久しぶりねルルシア様。いいえ、天の架け橋の一人、ルルシア・フォン・イガラシ?とでも言えば良いかしら?」
「そう、みんなは私が記憶を取り戻したのを知ってるってことかしら?」
「そうよ。まぁいいでしょう?私もリリノアールには殺したいほど恨みを持っているの。同じ被害者として仲良くしましょうよ」
「そういう割にさっきから私達に向けて殺気を飛ばしてくるのはなんでかしらね?」
ビリビリと伝わってくる殺気は前にあった時のそれとは明らかに違う手加減無しのものだった。
恐らく前にこの殺気をぶつけられたら、動くことすらままならないほどの気迫。
「勘違いしないで?私は足止めをする気しかないの。でも驚いたんですよー?リィナの言う通りここに転移してくるなんて」
「リィナ?」
転移することを察知していた?
それはまるでリィナではなくシリィの能力だわ。
「どう言うことだルル?」
「恐らく私達の情報はまるで筒抜けってことよ。全知の力を使った誘導。私が昔使わせてもらっていた戦法だわ」
「だがそれはシリィ嬢小物なんだろ?でも彼女は亡くなったって」
「違うわグレン。彼女が全知を利用した、今あるのはそれだけよ」
「・・・だな」
敵に回すとこんなにも厄介なのね。
今思えば前のアース戦の時と誘導されていたと考えるのが自然ね。
「みんなは先に行って、全知があるとすれば私達の動きは把握されてるわ。」
「だけどそれはルルシアも同じはずだ。我々で対処すれば」
「帝国の狙いは時間稼ぎ、それとゴールドマリーひとりが配置されてるということは、ここまで時間稼ぎをする必要はないのよ」
「つまり一刻も無駄にはできないと言うことか」
「ガウリ、ルルを信じようぜ?」
四人は私を置いてヒカラム共和国の方向へと走っていった。
こいつ、追わないのね。
「どういうつもり?」
「貴女以外は通しても問題ないの」
「チッ!」
つまりこれも想定内って事ね。
でも信じるしかない。
「先に言っておきますね。手加減はしませんから」
「それはこっちの台詞!」
「聖なる翼!」
ゴールドマリーの後ろから翼が生えて飛び上がった。
制空権を取りに来たんでしょうけど、私だって空を飛ぶ手段はあるわよ。
「アメイジングペガサス!」
「ペガサス?」
私はペガサスに跨がり天空を翔る。
呆けた顔をしてるわね。
「そんな魔法があるんだ。聞いた限りだと雷属性が主属性って聞いて居たのだけれど」
「間違ってないわよ?」
「領空権を取ったつもりだろうけど、私は自分の意思で翼を動かせるのよ!」
「それは私も同じだけど?」
彼女の空中での高速移動に、アメイジングペガサスで小回りを利かせて付いていく。
流石に早いけど、こっちも雷の速さよ。
「そうか、それは生き物じゃなくてちゃんと雷属性の魔法。そうだったわね、動物を模した魔法が雷だったわね」
「見たことない魔法で優位は取らせてもらうわよ」
「忘れたの?私の前では魔法は無力」
負荷をかけられた。
でもそれはもう前のでわかってるのよ。
「アメイジングホーネット」
「ホーネット?そんな弱い魔法で一体何をする気?」
「わかるわよ」
アメイジングホーネットは、張り付くことで魔力を強化する魔法。
プリンセスホーネットから発想を得て今考えた。
「力押し?私の魔力負荷領域を無理矢理突破するなんて、アハトでもやらなかったのに」
「貴女程度に躓いてるほど、私は遅れてられないの!アメイジングハクビシン!」
私が最も得意とする雷属性魔法ハクビシンの改良を施した、超級魔法アメイジングハクビシン。
「この魔法は普通のハクビシンより殺傷能力はほとんどないけど動きが速い」
「くっ!避けるので精一杯。貴女、前に会ったときよりも格段に強いわ。流石は天の架け橋。みんな千差万別の強さを持ってるわ」
アメイジングハクビシンの直撃を喰らわせたことで、彼女の身体全身に電気が回った。
身体を硬直させる上に、魔力を体外から雷に変換して排出させる魔法。
「リリノアールと違って私を殺す気のない魔法。アハト達の言ってることは本当だった」
「口を動かせるの?身体が麻痺してるのに」
「この程度で私の憎悪をどうにか出来るはずがないでしょう?」
突如として、邪悪なエネルギーが彼女から排出され始めた。
さっきの聖魔法よりも空気をヒリつかせる。
それよりも圧力が、恐怖で頭を塗りたくってるわ。
何が聖女よ。
こんなの魔王って言われても不思議じゃないわよ。
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