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六十四話 「第二のダンジョンボス」
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穴から落ちた後道に沿って進んできたアッシュ達は暫くすると大きな扉がある場所に到着した
この大扉は以前にも見たことがある。間違いなくダンジョンボスの扉だ
『これはダンジョンボスの扉・・・こんな所にあったんだね』
『いくら探しても見つからないわけだよ』
調べた感じダンジョンボスはまだ倒されておらずこの先で待ち構えている
アイテム類に余裕はあるので今なら挑むことができるが、入れば前回同様後戻りはできなくなってしまうのでここは一度他の意見を聞くべきだろう
『どうする?一旦戻って準備を整えてからっていう選択肢もあるけど』
『私は大丈夫だよ。魔力はまだ大分余裕あるし』
『オイラも別に問題ないぜ。まっ、オイラがいれば間違っても殺られることはないだろう』
クウの方を見ると同じようにダンジョンボスに挑む覚悟ができているようだった
ここでアッシュはイズナにも問いかけた
『イズナはどうする?今ならまだ引き返せるけど』
彼女は現在アッシュ達に恩義とお金を返すという名目でここまでついてきてくれた
だが前述の通りここから先は後戻りが出来ない
ダンジョンボスに挑むならきっとこれまで以上の危険が伴う
お金を返すというだけなら魔物を倒してコツコツ稼げばそれで済む話
自らの意志でついてきてもらわないと後悔することになるかもしれないので、この場で共に来るか先に帰っているか決めてもらう
質問の意図をイズナは理解したのか、軽く微笑みながら答えてきた
『水臭いことを言うな。ここまで来たら私も行くぞ』
『そっか、ありがとうイズナ。一緒に頑張ろう』
イズナも共に来ることが決まりこれで全員の意見が一致した
前のダンジョンボスの時と違いここのダンジョンボスの情報は少ない為これまで以上に慎重になって戦わないといけない
だがこのダンジョンに来てから自分達も以前よりずっと強くなった
油断せずに臨めばきっと倒すことができるはずだ
全員の準備が整ったことを確認すると扉を開けて中へと進んでいく
アッシュ達を待ち構えていたのは一面に広がる草原、そしてそこには大きな樹が一本だけ生えていた
『随分と大きい樹だ。けど肝心のダンジョンボスがいないね』
目の前に聳え立つ樹は優に五十メートルはくだらないだろう
落ちてきた高さを考えるとこれ位の大きな樹があってもおかしくはない
ここのダンジョンボスは植物系という情報は得ているので探してみるが、特に魔物らしい姿は見当たらなかった
そこにベルがやって来て目の前の大樹に向かって指を差した
『何言ってるんだ主、多分あれがダンジョンボスだぞ』
『え・・・?あれが!?いくらなんでもデカすぎるでしょ』
『あの樹からはここで戦ってきたどの魔物よりも膨大な魔力を感じる。こいつはトレントの中でも上位種と言われているエルダートレントだな』
こんな巨大な樹が魔物とはにわかには信じがたいが、ベルの言う通りこちらの存在に気がついたのかエルダートレントはゆっくりと動き始めた
『ベルはサポートをお願い!まずは相手の出方を窺ってから・・・』
『一番槍は私に任せろ!』
『い、イズナ!?』
始めに相手の情報を引き出そうと考えていたアッシュに対しイズナが先陣を切ってダンジョンボスに向かっていった
そんなイズナにエルダートレントはトレント戦でよく見ていた根を使った攻撃を繰り出してきた
だがその数はトレントの比ではなく、太さも普通の幹並みにあった
『この程度で止められると思うなよ!』
イズナは次々とやってくる攻撃を全て華麗に躱し、エルダートレントに攻撃を浴びせる
『爪撃!』
イズナの鋭い手の振りから発生される飛ぶ斬撃
その攻撃はエルダートレントに直撃する
しかし少し傷がついた程度であまりダメージは入っていないようだった
今までの相手ならこれだけでも十分なダメージを与えていたがやはりそんな都合良くはいかないようだ
『中々タフな奴だな。なら倒すまで攻撃するだけだ!』
イズナはそう言うと再びエルダートレントに向かっていった
こちらの作戦は全く頭に入っていないようだがここは自由に戦わせておこう
エルダートレントがイズナに攻撃を集中させてくれているお陰でこちらへの攻撃が手薄になっていた
攻撃自体はトレントと大差はなく、既に学習しているので避けるのはそこまで難しいものではない
その間にこちらは魔法で援護射撃を行う
『『ファイア・ボール!』』
アレッサと共にファイア・ボールを放つ
だがその攻撃はエルダートレントが操る根によって防がれてしまう
根を焼き尽くすことはできたがエルダートレントに特に変わった様子はない
やはり直接本体に当てないとダメージは期待出来なさそうだ
『これは長い戦いになりそうだな・・・』
高い防御力、それに加えて恐らく体力もかなりある相手にアッシュ達は長期戦になる事を覚悟してエルダートレントとの攻防を繰り広げた
この大扉は以前にも見たことがある。間違いなくダンジョンボスの扉だ
『これはダンジョンボスの扉・・・こんな所にあったんだね』
『いくら探しても見つからないわけだよ』
調べた感じダンジョンボスはまだ倒されておらずこの先で待ち構えている
アイテム類に余裕はあるので今なら挑むことができるが、入れば前回同様後戻りはできなくなってしまうのでここは一度他の意見を聞くべきだろう
『どうする?一旦戻って準備を整えてからっていう選択肢もあるけど』
『私は大丈夫だよ。魔力はまだ大分余裕あるし』
『オイラも別に問題ないぜ。まっ、オイラがいれば間違っても殺られることはないだろう』
クウの方を見ると同じようにダンジョンボスに挑む覚悟ができているようだった
ここでアッシュはイズナにも問いかけた
『イズナはどうする?今ならまだ引き返せるけど』
彼女は現在アッシュ達に恩義とお金を返すという名目でここまでついてきてくれた
だが前述の通りここから先は後戻りが出来ない
ダンジョンボスに挑むならきっとこれまで以上の危険が伴う
お金を返すというだけなら魔物を倒してコツコツ稼げばそれで済む話
自らの意志でついてきてもらわないと後悔することになるかもしれないので、この場で共に来るか先に帰っているか決めてもらう
質問の意図をイズナは理解したのか、軽く微笑みながら答えてきた
『水臭いことを言うな。ここまで来たら私も行くぞ』
『そっか、ありがとうイズナ。一緒に頑張ろう』
イズナも共に来ることが決まりこれで全員の意見が一致した
前のダンジョンボスの時と違いここのダンジョンボスの情報は少ない為これまで以上に慎重になって戦わないといけない
だがこのダンジョンに来てから自分達も以前よりずっと強くなった
油断せずに臨めばきっと倒すことができるはずだ
全員の準備が整ったことを確認すると扉を開けて中へと進んでいく
アッシュ達を待ち構えていたのは一面に広がる草原、そしてそこには大きな樹が一本だけ生えていた
『随分と大きい樹だ。けど肝心のダンジョンボスがいないね』
目の前に聳え立つ樹は優に五十メートルはくだらないだろう
落ちてきた高さを考えるとこれ位の大きな樹があってもおかしくはない
ここのダンジョンボスは植物系という情報は得ているので探してみるが、特に魔物らしい姿は見当たらなかった
そこにベルがやって来て目の前の大樹に向かって指を差した
『何言ってるんだ主、多分あれがダンジョンボスだぞ』
『え・・・?あれが!?いくらなんでもデカすぎるでしょ』
『あの樹からはここで戦ってきたどの魔物よりも膨大な魔力を感じる。こいつはトレントの中でも上位種と言われているエルダートレントだな』
こんな巨大な樹が魔物とはにわかには信じがたいが、ベルの言う通りこちらの存在に気がついたのかエルダートレントはゆっくりと動き始めた
『ベルはサポートをお願い!まずは相手の出方を窺ってから・・・』
『一番槍は私に任せろ!』
『い、イズナ!?』
始めに相手の情報を引き出そうと考えていたアッシュに対しイズナが先陣を切ってダンジョンボスに向かっていった
そんなイズナにエルダートレントはトレント戦でよく見ていた根を使った攻撃を繰り出してきた
だがその数はトレントの比ではなく、太さも普通の幹並みにあった
『この程度で止められると思うなよ!』
イズナは次々とやってくる攻撃を全て華麗に躱し、エルダートレントに攻撃を浴びせる
『爪撃!』
イズナの鋭い手の振りから発生される飛ぶ斬撃
その攻撃はエルダートレントに直撃する
しかし少し傷がついた程度であまりダメージは入っていないようだった
今までの相手ならこれだけでも十分なダメージを与えていたがやはりそんな都合良くはいかないようだ
『中々タフな奴だな。なら倒すまで攻撃するだけだ!』
イズナはそう言うと再びエルダートレントに向かっていった
こちらの作戦は全く頭に入っていないようだがここは自由に戦わせておこう
エルダートレントがイズナに攻撃を集中させてくれているお陰でこちらへの攻撃が手薄になっていた
攻撃自体はトレントと大差はなく、既に学習しているので避けるのはそこまで難しいものではない
その間にこちらは魔法で援護射撃を行う
『『ファイア・ボール!』』
アレッサと共にファイア・ボールを放つ
だがその攻撃はエルダートレントが操る根によって防がれてしまう
根を焼き尽くすことはできたがエルダートレントに特に変わった様子はない
やはり直接本体に当てないとダメージは期待出来なさそうだ
『これは長い戦いになりそうだな・・・』
高い防御力、それに加えて恐らく体力もかなりある相手にアッシュ達は長期戦になる事を覚悟してエルダートレントとの攻防を繰り広げた
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