追放された偽物聖女は、孤高の吸血鬼と可惜夜を生きる
聖女の刻印が現れたのは、六歳の誕生日を迎える少し前のことだった。
その日を境に、エリシアの生活は一変した。
両親から無理矢理引き離され、辛く厳しい修行に励むだけの日々。無邪気に遊び回ることも、美味しいお菓子を食べることも、談笑をすることさ許されなかった。
けれど、聖女の能力さえ開花すれば――。ただそれだけを拠り所に生き抜いていたエリシアだったが、どれほど頑張って修行を重ねても、彼女が能力に目覚めることはついぞなかった。
そして遂に、“本物の聖女”を名乗る異邦の女が現れる。
――そしてエリシアは、彼女に全てを奪われた。
聖女としての地位も、婚約者であった王太子も、何もかも。エリシアが持っていた数少ない全てのものを、ひとつ残らず。
「偽物の聖女よ。神の御意に反するお前を、この地から追放する!」
王都から追放されると同時に生きる意味を見失い、辺境の地でただただ虚しく暮らしていたエリシア。
そんな彼女はある日、夜闇の中で苦しむ一人の美しき吸血鬼に出会う――。
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