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食べたい2人の番外編
食べたい2人のカレーライス。
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挿入前の話です。
✂ーーーーーーーーーーーーーー✂
「ゆん君、俺でも作れる料理ってある?」
タットさんがそう聞いてきたのは、いつだったっけ?
タットさんの家で食事をする時、出前かコンビニ飯か、俺が料理をするかのどれかだから、そのタイミングだった気がする。
タットさんは、食べる事が趣味だと言うが、料理が趣味とは言ってない。むしろ出来ない部類に入る。本人も「食べる専門」と言ってるくらいだし。
なので、人が生きるための、最低限の技術……だと俺は思っている。
そんなタットさんからの申し出。
その時は、何て答えたんだっけ?
「タットさんって、焼く以外で何か出来ました?」
だっけ?
なんか、そんな料理技術のレベルを聞いて、タットさんがちょっと拗ねて、機嫌直しに俺がキスして、……そしてそれが3倍になって返ってきて……
うん、恥ずかしい事になって有耶無耶で終わったんだった。思い出した思い出した。ついでにあの時のオトナな関係も思い出した(※未挿入)
なので、今日は俺御用達の業者用スーパーに立ち寄ってから、タットさんの家に向かった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「いらっしゃい、ゆん君。待ってたよ」
出迎えと共にハグとキスをされる。
俺も甘える様に、タットさんに体を擦り付けた。
普段は聞こえない、カサカサとしたビニール袋が擦れる音がすると、タットさんは体を離して音の先に視線を向けた。
「何か買ってきたの?」
「はい。今日使う食材を少し」
ビニール袋を上にかかげて、俺はタットさんに笑顔を向けた。
「カレーを作ります」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
ビニール袋から取り出したのは、業者用スーパーに売ってる「レッグチキンスパイシー」と、トマト缶。玉ねぎ、人参、じゃがいも。
あと必要な材料は、コンソメキューブ、ニンニク・しょうがチューブ。これらはタットさんの家にある事は、把握済だ。あと、イロトリのオリジナルスパイスも。
「タットさん。俺、今日は一緒に作りたいです」
「うん、俺も頑張る!」
グッと両手をグーにして胸の前でガッツポーズするタットさん。相変わらず仕草が可愛い。
俺は、顔がにやけてしまったのを誤魔化すように、水場で手をゴシゴシと強く擦って洗った。
「タットさんも、最初に手を洗いましょう」
「ん!料理の基本だね。よろしく、先生」
ニコニコしながら、タットさんも手を洗う。
なんなら鼻歌も聞こえてきそうだった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「人参とじゃがいもの皮を向いて、サイコロ状に切るんですけど……」
そう言って食材とピーラーを渡したのだが……
「……んっ……いやっ……はぁっ!!……っく……あっ!!……ふぁ……」
勘違いしないで欲しい。
タットさんは、ただジャガイモの皮をピーラーで剥いてるだけだ。ゴツゴツとした形だから、料理に慣れていないタットさんの手つきがとても危ういし、本人も恐る恐ると言った感じで慎重にピーラーを動かしているし、何か声も漏れてる。
「やっ!!……ぁ……ん!!」
なんか……公然猥褻オニーサン再びだな。
初めて運動公園で一緒にドラゴンズヒートをプレイした時の事を思い出した。
あの頃の関係とは、また異なってしまっているので、タットさんの声にちょっとドキドキしてしまう……健全な成人男性なのだから、仕方の無い事だ。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「水から茹でます」
「水から、茹でる」
復唱するタットさんが可愛い。
どうにかこうにか食材を切り終わり、次の段階に進む。
鍋にたっぷりめの水を入れて、そこにサイコロ状に切ったジャガイモも人参を入れ、コンロに火をつけた。
「その間に、レッグチキンスパイシーを使ったカレーを作ります」
「はい!先生!」
非常に元気のいい返事だった。
タットさんは、この先生と生徒的な関係を気に入ったみたいで、ずっとニコニコしている。
フライパンにオリーブオイルとニンニク・しょうがチューブを入れて熱し、そこにみじん切りした玉ねぎを加えた。
「炒めます。油が跳ねるので気をつけてくださいね」
「はい!焼くのは任せて!」
「ん、炒め。です」
「焼くのとは違うの?」
タットさんが、コテン、と首を傾げてこっちを向いたが、俺も細かい説明は出来なかったので、取り敢えずコレは「炒め」とだけ説明した。
玉ねぎがしんなりとしてきたら、少しだけイロトリのオリジナルスパイスを入れ、更に炒める。
すると、急にカレーっぽい匂いが台所に充満し始めた。
「うわー!コレだけでも美味しそうだね!」
タットさんがフライパンに鼻を近づけてクンクンと匂いを嗅いでいる。可愛い。
「でも、もっと美味しくさせましょう」
俺はそう言って、フライパンの中にトマト缶とコンソメキューブを入れた。
「少し煮込みます。焦げない様に底を優しく擦るようにかき混ぜててください」
「はーい」
タットさんはご機嫌に木ベラでフライパンの中を掻き混ぜていた。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
ジャガイモと人参が茹で上がったので、水を切ってフライパンの中に入れる。
「おぉぉー。カレーっぽい」
「あとはイロトリのスパイスと、コレを入れます。それで完成です」
イロトリのスパイス少々、レッグチキンスパイシーの封を切ってタレごと全部フライパンに入れた。タレが絡むように、レッグチキンが崩れない様に優しく混ぜる。
「ふぁー……なんか、あっと言う間だねぇ」
そう、このカレーは業者用スーパーの商品「レッグチキンスパイシー」に頼りまくったカレーなので、時短でとても簡単に作れる。
これなら、タットさんでも作れると思って今回一緒に作るメニューにしてみた。
ピーラーと包丁は危なっかしくて、声は卑猥で色んな意味でドキドキしたけど、概ね1人でも作れそうではあった。
「前に、タットさんが自分でも作れる料理はないかって聞いたじゃないですか」
「うん、聞いたね」
「これなら簡単に作れるんじゃないかなって思って」
「うんうん!確かにこれなら俺でも作れそうだよ。教えてくれてありがと!」
ムチュ!と頬にキスをされる。
付き合い始めてから、キスはもう当たり前の様に繰り返されている。
俺もタットさんに顔を向けて、唇にキスをしようとして……
「「あっ!!!ごはん!!!!」」
ご飯を炊くことを失念していた。
キス直前だったので、顔は至近距離。
取り敢えず、軽くチュっと触れるだけのキス。
タットさんがニコニコで「んふー♡」と声を漏らしていたけど、それどころじゃない。
「早炊しましょう」
「あ、ある。レンチンご飯!」
タットさんは戸棚を漁って常温保存が出来る「カトウのご飯」を取り出してきた。
「たまにね、使うんだ。これでいい?」
待ちきれない、と言わんばかりに目をキラキラさせている。もちろん断る理由は無い。
「さすがタットさんです。じゃぁ、これでご飯にしましょう」
そう言って、2人でレンジにご飯を突っ込んだ。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
少々ハプニングが起こりつつも、カレーは完成。
レッグチキンが1本、ドドんと乗っかっているのがポイントだ。
「「いただきます」」
2人で手を合わせて挨拶をする。
この時間が愛おしい。
初めて2人で作ったカレー。もちろん、失敗は無いので大丈夫の筈なのだが、タットさんの反応が気になってしまう。
大きな一口で、ご飯・ルー・肉をパクンと食べるタットさんの口元を見つめてしまう。
すると、
「んふふふふ~」
だいぶご機嫌な声がタットさんから盛れてきた。
しっかりと噛み締めて、ゴクンと喉が動いた後、
「おーいしーぃ!!」
タットさんは両手を頬に付けて揺れていた。仕草が可愛い。
「良かったです」
「凄いねぇ、こんなに美味しいカレーが作れちゃうんだね。今度頑張って1人でも作ってみるよ」
「はい。頑張ってみてください」
2人で笑い合って食事を進める。
因みに、このレシピはユネさんから教わった。
イロトリのバイト中、お客さまが食事を作るのが面倒くさいと愚痴をこぼしてた時に、簡単に作れるレシピとして教えていたのを聞いて、俺も教えてもらった。
そんなレシピの経緯をタットさんに話すと、
「店主さん、料理上手なんだから、レシピ本出せばいいのに」
しみじみと呟いたので、
「既に1冊出てますよ。キャンステ時代に出した本なので、グラビア色が濃いですけど」
と、教えておいた。
俺も姉ちゃんから貰ったのだが(恐らく特典目的で複数買いしたのだと思う)、下に着てるし履いてると分かっていても、エプロンをすると裸なのでは?と思ってしまうような布地の少ない格好のユネさんがオタマを持ってる写真が載ってたりするので、当時の俺はかなりドキドキしたものだ。
「うぅーん……ソレ買うのは勇気いるな……」
タットさんが眉間にシワを寄せていたので、今度貸す約束をした。なんなら一緒に見ようと思う。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
ご飯も綺麗に食べ終わり、一緒に食器を洗って片付けを済ませてソファに並んで食休みをする。
タットさんがムニムニと俺に引っ付いてくるので、負けじと体を擦り付けた。
「んふっ」と、嬉しそうに声を漏らすタットさんの顔を覗き込んで、自分からキスをすると、タットさんはニコニコと笑ってくれた。
「一緒にカレー作ったの、とても楽しかったんだ」
「良かったです」
「また、教えてくれる?」
「もちろん」
「ふふっ!ありがと!」
チュッと音がするくらいのキスを頬にされる。
俺もお返しに、とキスをしようとしたら、
「じゃぁ、こっちは俺が教えようね」
と、ペロンと唇を舐められた。
「タットさん、なんかエッチだ……」
恐らく、オトナな関係の事を言ってる。俺が顔を赤くして睨んだけど、言っても俺だって健全な成人男性だ。
目を合わせて言うのは恥ずかしいから、タットさんに抱き着ついてから、
「色々、教えてくださいね……」
耳元で呟いた。
✂ーーーーーーーーーーーーーーーー✂
noteには書いてますが、中本さんの元奥さんは、裕也の姉(美結)です。
裕也が、中本さんに「姉ちゃんコレ好きだよ」と、レシピを教えました。
カレーレシピは、noteに公開しています(そんな大したレシピでは無いですが)
ご興味を持たれましたら、どうぞよろしくお願いします。
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「ゆん君、俺でも作れる料理ってある?」
タットさんがそう聞いてきたのは、いつだったっけ?
タットさんの家で食事をする時、出前かコンビニ飯か、俺が料理をするかのどれかだから、そのタイミングだった気がする。
タットさんは、食べる事が趣味だと言うが、料理が趣味とは言ってない。むしろ出来ない部類に入る。本人も「食べる専門」と言ってるくらいだし。
なので、人が生きるための、最低限の技術……だと俺は思っている。
そんなタットさんからの申し出。
その時は、何て答えたんだっけ?
「タットさんって、焼く以外で何か出来ました?」
だっけ?
なんか、そんな料理技術のレベルを聞いて、タットさんがちょっと拗ねて、機嫌直しに俺がキスして、……そしてそれが3倍になって返ってきて……
うん、恥ずかしい事になって有耶無耶で終わったんだった。思い出した思い出した。ついでにあの時のオトナな関係も思い出した(※未挿入)
なので、今日は俺御用達の業者用スーパーに立ち寄ってから、タットさんの家に向かった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「いらっしゃい、ゆん君。待ってたよ」
出迎えと共にハグとキスをされる。
俺も甘える様に、タットさんに体を擦り付けた。
普段は聞こえない、カサカサとしたビニール袋が擦れる音がすると、タットさんは体を離して音の先に視線を向けた。
「何か買ってきたの?」
「はい。今日使う食材を少し」
ビニール袋を上にかかげて、俺はタットさんに笑顔を向けた。
「カレーを作ります」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
ビニール袋から取り出したのは、業者用スーパーに売ってる「レッグチキンスパイシー」と、トマト缶。玉ねぎ、人参、じゃがいも。
あと必要な材料は、コンソメキューブ、ニンニク・しょうがチューブ。これらはタットさんの家にある事は、把握済だ。あと、イロトリのオリジナルスパイスも。
「タットさん。俺、今日は一緒に作りたいです」
「うん、俺も頑張る!」
グッと両手をグーにして胸の前でガッツポーズするタットさん。相変わらず仕草が可愛い。
俺は、顔がにやけてしまったのを誤魔化すように、水場で手をゴシゴシと強く擦って洗った。
「タットさんも、最初に手を洗いましょう」
「ん!料理の基本だね。よろしく、先生」
ニコニコしながら、タットさんも手を洗う。
なんなら鼻歌も聞こえてきそうだった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「人参とじゃがいもの皮を向いて、サイコロ状に切るんですけど……」
そう言って食材とピーラーを渡したのだが……
「……んっ……いやっ……はぁっ!!……っく……あっ!!……ふぁ……」
勘違いしないで欲しい。
タットさんは、ただジャガイモの皮をピーラーで剥いてるだけだ。ゴツゴツとした形だから、料理に慣れていないタットさんの手つきがとても危ういし、本人も恐る恐ると言った感じで慎重にピーラーを動かしているし、何か声も漏れてる。
「やっ!!……ぁ……ん!!」
なんか……公然猥褻オニーサン再びだな。
初めて運動公園で一緒にドラゴンズヒートをプレイした時の事を思い出した。
あの頃の関係とは、また異なってしまっているので、タットさんの声にちょっとドキドキしてしまう……健全な成人男性なのだから、仕方の無い事だ。
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「水から茹でます」
「水から、茹でる」
復唱するタットさんが可愛い。
どうにかこうにか食材を切り終わり、次の段階に進む。
鍋にたっぷりめの水を入れて、そこにサイコロ状に切ったジャガイモも人参を入れ、コンロに火をつけた。
「その間に、レッグチキンスパイシーを使ったカレーを作ります」
「はい!先生!」
非常に元気のいい返事だった。
タットさんは、この先生と生徒的な関係を気に入ったみたいで、ずっとニコニコしている。
フライパンにオリーブオイルとニンニク・しょうがチューブを入れて熱し、そこにみじん切りした玉ねぎを加えた。
「炒めます。油が跳ねるので気をつけてくださいね」
「はい!焼くのは任せて!」
「ん、炒め。です」
「焼くのとは違うの?」
タットさんが、コテン、と首を傾げてこっちを向いたが、俺も細かい説明は出来なかったので、取り敢えずコレは「炒め」とだけ説明した。
玉ねぎがしんなりとしてきたら、少しだけイロトリのオリジナルスパイスを入れ、更に炒める。
すると、急にカレーっぽい匂いが台所に充満し始めた。
「うわー!コレだけでも美味しそうだね!」
タットさんがフライパンに鼻を近づけてクンクンと匂いを嗅いでいる。可愛い。
「でも、もっと美味しくさせましょう」
俺はそう言って、フライパンの中にトマト缶とコンソメキューブを入れた。
「少し煮込みます。焦げない様に底を優しく擦るようにかき混ぜててください」
「はーい」
タットさんはご機嫌に木ベラでフライパンの中を掻き混ぜていた。
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ジャガイモと人参が茹で上がったので、水を切ってフライパンの中に入れる。
「おぉぉー。カレーっぽい」
「あとはイロトリのスパイスと、コレを入れます。それで完成です」
イロトリのスパイス少々、レッグチキンスパイシーの封を切ってタレごと全部フライパンに入れた。タレが絡むように、レッグチキンが崩れない様に優しく混ぜる。
「ふぁー……なんか、あっと言う間だねぇ」
そう、このカレーは業者用スーパーの商品「レッグチキンスパイシー」に頼りまくったカレーなので、時短でとても簡単に作れる。
これなら、タットさんでも作れると思って今回一緒に作るメニューにしてみた。
ピーラーと包丁は危なっかしくて、声は卑猥で色んな意味でドキドキしたけど、概ね1人でも作れそうではあった。
「前に、タットさんが自分でも作れる料理はないかって聞いたじゃないですか」
「うん、聞いたね」
「これなら簡単に作れるんじゃないかなって思って」
「うんうん!確かにこれなら俺でも作れそうだよ。教えてくれてありがと!」
ムチュ!と頬にキスをされる。
付き合い始めてから、キスはもう当たり前の様に繰り返されている。
俺もタットさんに顔を向けて、唇にキスをしようとして……
「「あっ!!!ごはん!!!!」」
ご飯を炊くことを失念していた。
キス直前だったので、顔は至近距離。
取り敢えず、軽くチュっと触れるだけのキス。
タットさんがニコニコで「んふー♡」と声を漏らしていたけど、それどころじゃない。
「早炊しましょう」
「あ、ある。レンチンご飯!」
タットさんは戸棚を漁って常温保存が出来る「カトウのご飯」を取り出してきた。
「たまにね、使うんだ。これでいい?」
待ちきれない、と言わんばかりに目をキラキラさせている。もちろん断る理由は無い。
「さすがタットさんです。じゃぁ、これでご飯にしましょう」
そう言って、2人でレンジにご飯を突っ込んだ。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
少々ハプニングが起こりつつも、カレーは完成。
レッグチキンが1本、ドドんと乗っかっているのがポイントだ。
「「いただきます」」
2人で手を合わせて挨拶をする。
この時間が愛おしい。
初めて2人で作ったカレー。もちろん、失敗は無いので大丈夫の筈なのだが、タットさんの反応が気になってしまう。
大きな一口で、ご飯・ルー・肉をパクンと食べるタットさんの口元を見つめてしまう。
すると、
「んふふふふ~」
だいぶご機嫌な声がタットさんから盛れてきた。
しっかりと噛み締めて、ゴクンと喉が動いた後、
「おーいしーぃ!!」
タットさんは両手を頬に付けて揺れていた。仕草が可愛い。
「良かったです」
「凄いねぇ、こんなに美味しいカレーが作れちゃうんだね。今度頑張って1人でも作ってみるよ」
「はい。頑張ってみてください」
2人で笑い合って食事を進める。
因みに、このレシピはユネさんから教わった。
イロトリのバイト中、お客さまが食事を作るのが面倒くさいと愚痴をこぼしてた時に、簡単に作れるレシピとして教えていたのを聞いて、俺も教えてもらった。
そんなレシピの経緯をタットさんに話すと、
「店主さん、料理上手なんだから、レシピ本出せばいいのに」
しみじみと呟いたので、
「既に1冊出てますよ。キャンステ時代に出した本なので、グラビア色が濃いですけど」
と、教えておいた。
俺も姉ちゃんから貰ったのだが(恐らく特典目的で複数買いしたのだと思う)、下に着てるし履いてると分かっていても、エプロンをすると裸なのでは?と思ってしまうような布地の少ない格好のユネさんがオタマを持ってる写真が載ってたりするので、当時の俺はかなりドキドキしたものだ。
「うぅーん……ソレ買うのは勇気いるな……」
タットさんが眉間にシワを寄せていたので、今度貸す約束をした。なんなら一緒に見ようと思う。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
ご飯も綺麗に食べ終わり、一緒に食器を洗って片付けを済ませてソファに並んで食休みをする。
タットさんがムニムニと俺に引っ付いてくるので、負けじと体を擦り付けた。
「んふっ」と、嬉しそうに声を漏らすタットさんの顔を覗き込んで、自分からキスをすると、タットさんはニコニコと笑ってくれた。
「一緒にカレー作ったの、とても楽しかったんだ」
「良かったです」
「また、教えてくれる?」
「もちろん」
「ふふっ!ありがと!」
チュッと音がするくらいのキスを頬にされる。
俺もお返しに、とキスをしようとしたら、
「じゃぁ、こっちは俺が教えようね」
と、ペロンと唇を舐められた。
「タットさん、なんかエッチだ……」
恐らく、オトナな関係の事を言ってる。俺が顔を赤くして睨んだけど、言っても俺だって健全な成人男性だ。
目を合わせて言うのは恥ずかしいから、タットさんに抱き着ついてから、
「色々、教えてくださいね……」
耳元で呟いた。
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noteには書いてますが、中本さんの元奥さんは、裕也の姉(美結)です。
裕也が、中本さんに「姉ちゃんコレ好きだよ」と、レシピを教えました。
カレーレシピは、noteに公開しています(そんな大したレシピでは無いですが)
ご興味を持たれましたら、どうぞよろしくお願いします。
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