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第二章
いろんな意味で…悩みます
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街の馬小屋では馬車も預かってもらえるようで、私達は馬小屋で馬車を降りてからは歩いて街を見て回ることにした。
「お嬢様ぁ…元気だしてください?ほら、高いたかーいですよー」
ライラ…1回フライパンで叩かれたいのかな?
ライラがニコニコで私をたかいたかいをしているのでくっと我慢したけど。
「ら、ライラ…やめなさい。お嬢様は馬車に乗っててお疲れだから…」
「あ…そうだね…。すみません、お嬢様…」
「う、うん…」
謝るところはそこじゃないけど…そこじゃないけど!
ライラはとりあえず反省しているようなので、よしとしよう。
あと、リーシャ…ありがとう。
「お嬢様、お店を出されるとのことですが、どのようなお店を?」
「お菓子のお店をだしたいの」
「お菓子のお店?」
ライラは首を傾げて私に聞き返した。
そんな聞き返されるようなことではないと思うのだけど。
「お菓子を作って、お客様に振る舞うの。紅茶も一緒に」
「なるほど…では、あの屋台のようなものですね」
リーシャが指をさす方には昨日ミラさんと食べた、串焼きの屋台があった。
でも…。
「ちょっと…違うかなぁ…」
「違いますか?」
「うーん…家の中に食べるための机を並べて…奥に広いキッチンがあって…あとレジもあって…」
「キッチン?レジ?」
あ…この世界にはない言葉もあるんだ…。
うーん…難しい…。
カフェを説明するのがこんなにも難しいとは…。
お手本もないとなると…。
「あ、お手本かぁ…。創造、ウサバニアファミリー」
昔、幼なじみの女の子の家で一緒に遊んだことがあるんだよね。
幾人の小さな女の子のハートを射止めてきた、うさぎの住人達が暮らす家をモチーフに作られるウサバニアファミリー!
ウサバニアファミリーシリーズでその女の子が一番気に入っていたのが『ウサバニアファミリー・小さなケーキ屋さん』!
これならお手本になるはず!
私の手の上にウサバニアファミリーの家が出てくる。
それを見て驚く二人。
それはそうだよね!驚いて当然だよ!
この精巧に作られた店内!愛らしいウサギの住人達!
奥の扉を開けばキッチンだって…
「これがお嬢様の異能ですか!?」
「すごいです…王妃様からお話は伺ってましたが、ほんとになんでも出せるのですね」
「え…?う、うん…。ほら、見て!このうさぎさんの」
「お嬢様はほんとに才あるお方なのですね!私、感動しました!」
「えぇ、私も。まさかほんとに五属性以外のものを創り出せるなんて…」
「あの…だからね…」
どんどんヒートアップする二人を他所に、私はウサバニアファミリーを持ってぽつんとしていた。
「お嬢様!それでどのような…話を…ってえぇ!?」
ようやく私を思い出してこちらを向く頃にはもう遅い。
「き、聞いてよぉ…」
この二人は…私を褒めるのは良いけど…。
1日でお嬢様を2回も泣かせるのはいけないと思うよ!
ウサバニアファミリーを手にもつ私を、メイド二人は慌てて泣き止ませようとするのだった。
「お嬢様ぁ…元気だしてください?ほら、高いたかーいですよー」
ライラ…1回フライパンで叩かれたいのかな?
ライラがニコニコで私をたかいたかいをしているのでくっと我慢したけど。
「ら、ライラ…やめなさい。お嬢様は馬車に乗っててお疲れだから…」
「あ…そうだね…。すみません、お嬢様…」
「う、うん…」
謝るところはそこじゃないけど…そこじゃないけど!
ライラはとりあえず反省しているようなので、よしとしよう。
あと、リーシャ…ありがとう。
「お嬢様、お店を出されるとのことですが、どのようなお店を?」
「お菓子のお店をだしたいの」
「お菓子のお店?」
ライラは首を傾げて私に聞き返した。
そんな聞き返されるようなことではないと思うのだけど。
「お菓子を作って、お客様に振る舞うの。紅茶も一緒に」
「なるほど…では、あの屋台のようなものですね」
リーシャが指をさす方には昨日ミラさんと食べた、串焼きの屋台があった。
でも…。
「ちょっと…違うかなぁ…」
「違いますか?」
「うーん…家の中に食べるための机を並べて…奥に広いキッチンがあって…あとレジもあって…」
「キッチン?レジ?」
あ…この世界にはない言葉もあるんだ…。
うーん…難しい…。
カフェを説明するのがこんなにも難しいとは…。
お手本もないとなると…。
「あ、お手本かぁ…。創造、ウサバニアファミリー」
昔、幼なじみの女の子の家で一緒に遊んだことがあるんだよね。
幾人の小さな女の子のハートを射止めてきた、うさぎの住人達が暮らす家をモチーフに作られるウサバニアファミリー!
ウサバニアファミリーシリーズでその女の子が一番気に入っていたのが『ウサバニアファミリー・小さなケーキ屋さん』!
これならお手本になるはず!
私の手の上にウサバニアファミリーの家が出てくる。
それを見て驚く二人。
それはそうだよね!驚いて当然だよ!
この精巧に作られた店内!愛らしいウサギの住人達!
奥の扉を開けばキッチンだって…
「これがお嬢様の異能ですか!?」
「すごいです…王妃様からお話は伺ってましたが、ほんとになんでも出せるのですね」
「え…?う、うん…。ほら、見て!このうさぎさんの」
「お嬢様はほんとに才あるお方なのですね!私、感動しました!」
「えぇ、私も。まさかほんとに五属性以外のものを創り出せるなんて…」
「あの…だからね…」
どんどんヒートアップする二人を他所に、私はウサバニアファミリーを持ってぽつんとしていた。
「お嬢様!それでどのような…話を…ってえぇ!?」
ようやく私を思い出してこちらを向く頃にはもう遅い。
「き、聞いてよぉ…」
この二人は…私を褒めるのは良いけど…。
1日でお嬢様を2回も泣かせるのはいけないと思うよ!
ウサバニアファミリーを手にもつ私を、メイド二人は慌てて泣き止ませようとするのだった。
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