異世界転移させられた特異体質の不良少女は、転移先を牛耳る皇帝になぜかお気に召される。
異世界なんてあるわけがないと思ってた。そんなのファンタジーにすぎないって。『異世界? なにそれおいしいの? 異世界だのなんだの、そんな現実離れした架空の話なんて知らんがな』そう小馬鹿にしていた世界へどうやら転移させられたっぽい。多種多様なコスプレをした連中に囲まれて物々しい雰囲気。
早々に前言撤回するわ。異世界はある、おそらくきっと。だってここ多分、異世界だわ──。
「名はなんという」
「人に名前を尋ねる時、まず自分から名乗れって教わってません?」
私の終わりかけてた人生が、新たに始まる──。
「正室とは正妃になるということだな」
「せいひ……?」
「正妻のことだ」
「?」
「妻と言えば分かるか?」
「誰の」
「俺の」
「え?」
「ん?」
「妻?」
「ああ。側妃ではなく正妃だ」
・・・なんてこったい。
かくかくしかじかで絶対的な君主として存在する皇帝 ガノルド・ラフマトスホユールの正妃になることになった佐々木美織ことレディア・ウィンテルシア。
「皇帝なんでしょ!? 一番偉いんだよね!? なんとかなるでしょ、紙切れ1枚くらい……ね? ガ ノ ル ド 様♡」
「どうした、目が痛むのか?」
「ウインクだよ!!」
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