家康の祖母、華(け)陽院(よういん)―お富の方―(1502?-1560)
家康は、祖母、お富の方を50年近くの歳月をかけて、じんわりと理想とする女人像としていく。
それでも、つじつまが合わないところが出てくるが、天下人、家康が創る祖母だ。
問題ないと後世に残す。
家康は、機嫌のよい時、祖父、清康のような武将になりたいと励んだと話す。
その思いを繋いでくれたのが、祖母、お富の方だと。
お富の方に慈しまれ、愛の暮らしを教えられ、今の自分があると。
祖母、お富の方は、悲劇の結婚歴と賢祖母のイメージが創られ残された。
家康は、偉大な天下人を育てた祖母としてベールに包んだままにして残した。
それでも、少ない資料の中で自由奔放に生きた破天荒な美しすぎる女人、お富の方の姿が浮かび、評伝を書き綴っていこうとした。
そんな時、微笑ましくて心がほっこりする、じんわりとじわっと涙がこみあげてくる――読んでいてそんな気持ちになる作品を募集。
とのメ‐ルが入った。
ドキッとし、お富の方こそ、そういう女人だと、閃いた。
そこまでの思いはなかったし、私の文章力では、そんな作品はできないが、でも、ずしんと受け止め、書き綴った小説です。
募集の趣旨とは少し違うかもしれないけれど。
薄幸の女人と記されることが圧倒的な、お富の方。
それは真実ではない。
ホンワカとほっこりする心温まるエピソ-ドを次々創り、人生を歩んだ。
じんわりと、一歩一歩歩み、じわっと自分らしい「女冥利に尽きる」人生を生き抜いた。
そんなお富の方を、少しでも多くの方に知ってもらいたいし、人物像を深めて欲しい。
お富の方は、家康の母、お大の方の母だ。
5回もの結婚を繰り返し、すべての夫に愛され愛した女人だ。
しかも7人の子を授かり、母として気を配り成長させ、子から慕われた。
『玉輿記』『柳営婦女伝系』『寛政譜』『寛永譜』『美濃国諸家系譜』などに断片的な人物像が残されている。
結婚相手は、「寛政重修諸家譜」では
① 水野右衛門大夫忠政、②松平清康、③星野秋国、④菅沼興望、⑤川口盛祐
夫とは死別し、その後の再婚したとされる。
安西篤子著の『家康の母』では
1星野備中守秋国 2川口文助盛祐 3菅沼藤十郎定廣 4水野忠政 5松平清康
との順番で、結婚している。
この小説では、川口盛祐・水野忠政・松平清康・星野秋国・菅沼定広(定望)の順で結婚したことにする。
出身は、
江州(近江国)佐々木氏流の尾張、青木加賀守弌宗の娘。
尾張国、宮の善七の娘。
三河寺津城主、大河内左衛門佐元綱の養女(娘)。
大河内但馬守満成の娘。
と説はいくつかあるが、父を宮の善七とする。
清康との結婚が不自然でないよう、年の差を9年とし、誕生は1502年する。
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