〖完結〗妹の身代わりで、呪われた醜い王子様に嫁ぎます。

最終話

 「衛兵！ 直ちにそやつとそやつの両親を捕まえ、投獄せよ！」

 「「「はッ！！」」」

 「そんな……私が王太子妃なのよー！！」

 「やめなさい！ お前はバカなのか!? 状況を見ろ！」

 セシディとモンドリア侯爵夫妻は、衛兵に捕まり、牢へと投獄された。

 「ゴホン……。騒がしくてすまなかった。実は、あやつが本物の婚約者だったのだが、あやつらは私とディランを騙し、姉のジェシカを婚約者としてディランと結婚をさせたのだ。だが、結果的に、心優しいジェシカのお陰で、ディランの呪いを解くことが出来た。ジェシカ、感謝しておる。これからも、ディランを頼んだぞ。」

 国王のスピーチが終わり、ディランとジェシカに祝福の拍手が贈られた。



 セシディとモンドリア侯爵夫妻は、国王を欺いた罪で爵位剥奪後に国外追放となった。
 国を追放されてからも、何やら他の国で問題を起こしているようだ。

 ジェシカは国王の勧めで、子が出来なかったサンダース公爵の養子となり、優しい両親と優しい旦那様を手に入れた。

 
 「たまにはジェシカの手料理が食べたいな。」

 「お料理といえば、あの手紙……すごく嬉しかったです。また、あのお邸に二人で行きたいです。」

 「あんな手紙が嬉しかったのか？ そんな事で喜んでくれるなら、毎日手紙を書くとしよう。」

 ディラン様に恋心を抱いた手紙……ずっと大切にしていきます。

 「来週辺り、またあの邸に行くか。」

 「本当ですか？」

 「王位を継いでからでは、あまり城を離れられなくなるから、今のうちに二人の時間を大切にしたい。」

 ディラン様は、蕩けるほどの愛情を注いでくれます。

 「ディラン様、私はとても幸せ者です。」

 「私の方が、ジェシカと出会えて幸せ者だ。」

 激甘な生活は、まだまだ続きそうです！




                                                 END