王都の冒険者ギルド《金鹿の角》で管理官として働くイルゼは、王国の最低報酬額改定を受け、翌月から三名の職員が基準を下回ることに気づいた。
必要な増額は、一人につき銀貨三枚。
すぐに報酬表を修正すれば済む話だと思っていたイルゼだったが、上司から返ってきたのは思いもよらない言葉だった。
「銀貨三枚のことでしょう」
「そんなにすぐお金が欲しいのか」
「他にも直さなければならないところはいくらでもある」
けれど、その「他にもある問題」を一つずつ直してきたのもイルゼだった。
契約の不備、共済の加入漏れ、期限の切れた協定、誤った報酬計算。
過去の間違いを直すだけならまだいい。
これから起きる違反まで、なぜわざわざ増やそうとするのだろう。
最低報酬の是正そのものは、どうにか認めさせることができた。
それでもイルゼは、《金鹿の角》を辞めることにした。
その後、彼女は小さな管理事務所を開き、ギルドや商会の契約や帳簿を整える仕事を始める。
一方その頃、王都では別の大手ギルドを巡る問題をきっかけに、王立会計院が認可ギルドへの監査を強めていた。
そしてある日、《金鹿の角》にも監査官が訪れる。
「うちは、そこまで酷くない」
そう考えていた経営陣だったが、数年分の帳簿を調べ始めた監査官は、ある不自然な数字に目を留め――。
うちの隣には大きなお屋敷がある。住んでいるのは貴族の一家だ。
そこには、一人だけボロボロの服を着て、手足が傷だらけの女の子がいた。
エリーゼは僕より年上なのに字が読めなくて、自分が可愛いことも、優しいことも、魔法が使えるのがすごいことも知らなかった。
だから僕が、いろんなことを教えてあげたんだ。
雪柳の垣根の中の、秘密の通路で。
ある日、エリーゼは王宮に行くことになって、会えなくなってしまった。
それから十二年。大人になった僕は、彼女と再会する。
※商人の息子ジンの視点で描く、短編完結作です。虐げていた家族には因果応報あり。
※再会した二人の恋は、続編で描く予定です。
「揉み療治など、神殿の品位に関わる。今日で終わりだ」
異世界に落ちて六年。元理学療法士の槙野康平は、王都の治癒院で「揉み係」と呼ばれてきた。治癒術で傷はふさがっても、膝が曲がらない、階段が怖い、剣が振れない――そんな患者を、もう一度歩かせ、走らせ、現場へ戻す仕事だ。患者が払う仕上げ料は銀貨三枚。マキノの日当は、人足より安い大銅貨八枚。そして手柄は、すべて主任治癒師のものだった。
クビを言い渡された日、膝を治したばかりの若い剣士が言う。「うちの町には、治ったのに戦えない人が三十人いるの」
辺境の町ハーゼル。ギルドの裏長屋には、治癒術で「治った」まま森へ戻れなくなった引退冒険者たちが暮らしていた。王都一の盾と呼ばれ、かばった相手にパーティを追い出された男。弓を引ききれなくなった女弓手。マキノは、三年ぶりに盾を握る男の膝を見て言う。
「十日ください。森大猪の突進を、もう一度受け止められる脚にします」
古傷持ちたちが、全盛期より強くなって森へ帰っていく。一方、王都では、仕上げを失ったA級パーティの膝が、静かに悲鳴を上げ始めていた。
※毎日更新です。
厳酷な父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと人生を諦め、淡々とした日々を送っていた清泉。
夏休みの補習中、4人の生徒と共に異世界に召喚されてしまう。
召喚直後、職業がクズだから要らないと国外追放を言い渡された清泉だったが、同じく国外追放を言い渡された2人の生徒に異常なほど執着されてしまう。
追放前にスキル封印の処置をすると聞かされ、王都の通行門で部屋に閉じ込められた清泉は、生徒たちと兵士たちから逃れるためにユニークスキルを発動し………………目が覚めると子どもの姿になっていた。
容姿のせいで子どもの頃から嫌な思いをたくさんしてきた清泉。
父親に厳しく叩き込まれた剣道も、身を守るために身につけた護身のための武術も、力のない小さな体ではほとんど役に立たない。
可愛い女の子にしか見えない子どもになってしまった清泉を襲うトラブルはまだまだ続くようで……
楽しんでいただけたら、嬉しいです。
※画像はAIに描いてもらいましたが、小説はAI不使用です。
魔王を倒し、世界を救った勇者パーティー。
報酬を受け取りにギルドへ向かうと、受付嬢が俺を見て叫んだ。
「あなたが魔王を倒したせいで、人類が滅亡します!」
……え?
俺、世界を救ったんだよな?
「お前の保証はもう要らない」
五年間、Sランククラン《鉄環》の連帯保証人として、仲間の呪いをすべて引き受けてきた。だが新しい引受係が見つかったその日、俺は何の説明もなく解任された。
構わない。契約が切れるなら、それも契約だ。
ただし——保証が外れた瞬間、期限の利益は喪失する。俺が五年かけて肩代わりしてきた七百四十二件の呪いは、利息をつけて元の持ち主へ一括で戻る。
俺はギルドの隅に小さな窓口を開いた。誰も引き受けない借金と呪いを、担保を取って買い上げる仕事だ。
落ちぶれた前衛も、商会の清算人も、孤児院の生き残りも、担保として俺の帳簿に載った。
言っておくが、慈善ではない。取引だ。だから誰ひとり、俺に感謝などしていない。
——一方その頃、保証を失った《鉄環》は、三日で崩壊しようとしていた。
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
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アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
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