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第六章 【二つの世界】

6-149 剣と盾4

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「……アタシたち、別の世界から来たんだよ」


「別の……世界……ですか?」



サヤの言葉に、ステイビルを初め周囲にいる者たちはピンとこない顔をしている。
告げた本人は、そのことは当然と考えてさらにその先を話し始める。


「まぁ、その世界も……全く違うところと、そうじゃないところからなんだけど……そんなことはどうでもいいか」


そうしてサヤは、日本という国に住んでいたこと……爆発の中で一度この身が死という者を受け入れてしまったこと……気が付くとこの世界に来ていたこと……さらに、この世界で別な環境に変わってしまったことを簡単に説明した。
その話の途中でステイビルは幾度となくハルナの顔に目線を変えるが、その度にうんうんと頷いてその話の内容が本当であることを伝えた。



「に……にわかには信じ難いのですが……」



イナはそう言って、サヤとハルナが嘘を言っていないことを周囲に知らせる。
もちろん、サヤとハルナは自分たちが知らない力と知識を持っているため、自分の嘘を見抜く魔法を超える手段でだましている可能性もある。
しかし今までの言動から、自分たちを騙す意味がないとこの場にいる者たちは判断していた。

そしてサヤとハルナの出来事の話を聞き、その話の内容の真偽は置いておき、ナルメルは頭の混乱を整理するために頭に浮かんだことをそのまま口にした。



「では、その剣と盾というのは、この世界……いや、もう一つのこの世界では別々な国に祀られていたのですね」


「はい、そのとおりです。その世界では西の王国と東の王国がディヴァイド山脈を挟んで存在して、その二つの国で剣と盾をそれぞれ保管していたと聞いています」


そのことについてはサヤよりもハルナの方が詳しく知っていたため、ハルナは剣について知っている情報をこの場にいる者たちに伝えた。
それを聞いたステイビルは、今まで聞いたことのない世界の話を聞きながら、ようやく頭に疑問点が沸き上がる。





「そしてその剣は、瘴気を浄化する力を持っていた……と。それでその大魔神と呼ばれる存在を倒し、元いらした別の世界に戻ろうとした。ですが……」


「あぁ、そのとおりだよ。……けど、この結果だけどね」




ステイビルは誰かが創ったよくできた物語のような話を、実際のように受け入れ状況を整理した。
こういう場合は、感情よりも得た情報を順に整理していく方が、余計な寄り道をせずに情報を整理できることを知っていた。

この中に嘘の要素があるのであれば、理論を組み立てる場合に引っ掛かるところがある。
だが、この話は今までのことを考慮しても、疑える要素が少ない。
その要素は、自分が見ることのできない”別の世界のこと”だか、サヤがその証拠となる剣を持っていることや、キャスメルが二人が探している盾を保有している確率が高いことからステイビルはこれらの話しを素直に飲み込んだ。


「それで、この世界で盾の存在を知っているのはアタシたちとキャスメルともう一人いるんだけど……」



そう言ってサヤは、もう一人の存在であるラファエルに視線を送った。











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