王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第2章

考えても仕方の無いことがある

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たまが下がって、ランチも終えたところで一旦ノヴァとはお別れした。


ノヴァは使用人にいつもの客室(ほとんどノヴァ専用になりつつある部屋)に案内され、しばらく滞在する為に必要な物を整えたり色々あるから、たぶん夕飯までは会ったりすることはないだろう。

再び暇になった僕はとりあえず明後日の事情聴取に備えてあの日の詳細を紙に書きだしておこうとペンを握った。





しばらくペンを握っていたが、扉がノックされる音でペンを机に置いた。

声をかけるとおやつセットが乗せられたワゴンを押したメルナが部屋に入ってきた。



今日は窓際に用意をしてもらって、のんびり外を眺めながらおやつを頬張り、紅茶をすする。


アーバスノイヤー家はいつもに比べて多くの人がウロウロとしているが、それは警備が強化されたからだとばぁやが言っていた。
今回の黒幕の狙いが分かっていない以上、警備を強化しておくべきだと、とーさまは判断したのだろう。




黒幕が誰でなんの目的があってあんな事をするのか…もちろん気にはなるけれど、情報の少ない中で僕がいくら思考を巡らせようが答えには辿り着かないことは明らかなのでそこはあまり深く考えないようにしている。


ただ、あの状況の中で何か見落としたりはしていないか…あの日の記憶を何度も脳内でリピートする作業はしている。


基礎体力授業をしている途中、メリメリメリと何かを無理矢理割くような音がしたと思ったら空間に淀みが生じ、そこから悪鬼達が溢れ出てきた。


つまり悪鬼達を操った者は相当な魔法の使い手ということになる。

空間を割く魔法は魔力を多く使うし、誰にでも出来るものではない。
そこにあれだけの量の悪鬼を召喚するとなると、とんでもない魔力が消費されることだろう。



それに悪鬼達を強制的に操る力。

悪鬼の中にはそこそこ上位の者もいたはず…上位悪鬼すら強制的に動かせる魔法も使用して…となると…これを1人でやってのけるのならノヴァ以上の魔法使い。

そしてもう1つの可能性として何人かの魔法使い、魔術師、呪師のろいしの共謀。


更に最悪なもので、生贄を使用して行われた可能性。



僕は複数の者が共謀し生贄を使って今回の事件を引き起こしたのではないだろうかと考えている。

ノヴァ以上に魔法を使いこなせる大物が居たのならまったく耳にしたことがない、なんて事は無いだろう。


そんな人物を僕は知らないし、そこそこ魔力のある者達が共謀したとして、あれだけのことを同時に行うのは相当数が必要となるだろう。

そして、そんなに数が居たのなら1匹くらいの害虫はとーさま達によって駆除されているだろう。



それがないと言うことは、共謀している人数は片手ほどで、足りない魔力は生贄を使って填補てんぽしていると考えるのが妥当だろうと思うのだ。




そこまでは予測出来るのだけど…



やっぱり目的が想像できない。

何故悪鬼達を出現させたのが学園であったのか。


各学年棟に出現したと聞いている。
標的ターゲットが居たのだったら誰なのか…





「……ふぅ…考えても仕方ない。僕がお話できるのはあの日の状況の詳細だけ。」


頭の中に思い浮かべていたあの日の映像をぶち切ってぱくりとチィの実のマカロンを口に放り込む。


うむ、どんな状況にあってもチィの実は絶品である。



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