王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第2章

異世界転生人の特権

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アイアンメイデンの中から響き渡る断末魔は僕のものではない。



「っ…ぐっぞぉ~…でめぇ…よぐもぉ!!」


しばらくして開いた扉から出てきたのは血まみれで体中に穴が空いた夢魔。


よくあの状態で生きているなっと思いながら、こいつが夢の中で死んだら僕ってどうなるんだろうっと今更考える。




先程は怒りに任せて攻撃したことを反省しつつ、夢魔からは視線を逸らさない。

これだけダメージを与えたら、後は守りに徹したほうがいいだろうか?




そう思ったのは一瞬で、直ぐに夢魔の体は何事もなかったかのように元通りになった。

悪魔の再生能力は高いと聞くし、相手は夢の世界のプロフェッショナル。
そう簡単にはやられてくれないか…っと、残念な気持ちと死なないでよかったって複雑な心境です。






それにしても…傷ついた体が跡形もなく綺麗に元通りってことは、やっぱり夢の世界だからだろうか?

夢魔の特徴なのか、それとも僕もこれが夢であって実際には怪我なんてしてないと思い込めば同じように元通りになるんだろうか?





「生かして俺の餌にしてやろうと思ったがぁ…今ここで殺してやらぁああぁああ!!!」


ボソボソと喋っているなっと思ったら突然怒り狂った夢魔が飛んできた。

瞬き一つの間に目の前まで距離を詰めた夢魔が振り上げた拳が僕の左頬にめり込み、ゴッという音の直ぐ後僕の体は飛ばされ地に打ち付けられた。



歯が欠けたのかジャリッという音とザラッとした感触、鉄の味が咥内に広がり、口周りにはぬるっとしたものが流れる感触。

恐らく口の中も外も切れ、鼻血も出ているのだろう。






立ち上がろうと思ったが、すぐに殺気を感じ夢の中ではあるがいつもドボンする闇をイメージして沈んだ。


暗闇の外で『ッチ』という夢魔の舌打ちが聞こえてきた。








暗闇の中で夢魔の足元に底なし沼が現れる想像を強くすると、外側から


「くそくそくそがぁぁあああ!!!殺す!ころーーーーーーーーす!!」」


という下品で、不愉快な音が響き渡る。





そして感じた殺気と共に闇の中に水がぶくぶくと溢れ出し、数秒で僕の足先から頭のてっぺんまで水に浸された。



夢魔が苦しがって僕が闇の中から出てくるのを待ち伏せていることは想像に容易い。




僕が想像で夢の世界にないものを顕現させられるように、夢魔だってそれが出来る。

何時までも夢魔が顕現した水の中に居るのは危険だが、だからといって出て行っても危険。








「仕方ない。」


ふぅっと体から空気を少し抜いて、僕の指から指輪を消す。



想像の世界であっても指輪が消えたことで僕の体の中の魔力がぐるぐると活発に動き出すのが感じられた。







魔力を指先にぎゅっと固めて、一気に弾けさせる。



パァン!!




「っぐ!!」


そうすることで外で待ち受けていた夢魔の視界を一瞬眩ませたことで、その間に僕は夢魔から距離をとった。




「ちょこまかちょこまかとぉぉおおおお!うぜぇ~んだよぉ!!!」


「お前もな。」




直ぐにこっちに飛んでくる夢魔を右手に出現させたハリセンで引っ叩き軌道を逸らす。






「なんだよぉそれはぁぁああ!!!」


異世界の文化物です。

相手が知らない物を想像すれば、どんな効果があるか何て相手は知らないから対処しようがないでしょ?


異世界転生人の特権です。






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