王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

荒ぶるレッドドラゴン

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卵を探して数分。



暑い方へ向かって歩いてみたら地面に減り込んでる真っ赤な卵を見つけた。





卵からは熱波が放たれていて、生身じゃとても近づけそうにないが、ノヴァに結界を張ってもらってゆっくりと近づいていく。

結界があってもほんのりと汗が滲むくらいには暑く感じ、とても卵を持ち上げたりなどできそうもない。



ラプラス様も流石に触れないって。





さてどうしようかって悩んでいたらホルス様から念話が届いた。




『ルナイス。卵を探して荒れている者を見つけたが、余程気が動転しておるのか容易に近づけん。』


ホルス様が目の前の卵の親を見つけたみたいだけど、あちらも近づけない様子。


このままだとレッドドラゴンは更に暴れるし、卵は栄養不足になって死んでしまう。







『…ホルス様、一旦僕の所に戻って来れる?』


『それは良いが、どうするのだ?』



『僕が親の所に行って話ができないか試してみようかなって。』


『気が荒れてるドラゴンに近づくのはルナイスが思っているよりも危険だぞ。』


『んー…でもホルス様なら絶対僕を守ってくれるって信頼してるし、何となくそれしか方法ない気がしてる。』


『…迎えに行こう。』



龍神様からの加護で僕はドラゴンと意思疎通ができるし、ドラゴンだって気が動転して荒ぶっていても龍神の愛子を傷つけることには本能的に躊躇するんじゃないかと考えて僕は親ドラゴンの所へ行こうと思った。

ホルス様もすごく心配そうだけど、それ以外方法はないと思ったのか最終的には迎えに行くっと言ってくれた。





さて、僕はホルス様が迎えに来てくれるまでにノヴァを説得しなくちゃ。




「ノヴァ、ホルス様がこの卵の親を見つけたみたい。僕行ってくるね。」


「待て。行ってくるねじゃない。卵を見失ったドラゴンが危険じゃないはずがない。」



さらっと言えば、さらっと聞き流してくれるかなぁっと期待したけれど当たり前にそうはいかなかった。


がしっと両肩を掴まれてお説教モードだ。





「んー…ちょっと機嫌がよろしくないようだけど、僕ならドラゴンと意思疎通できるしぃ、加護があるからあちらも僕を容易に傷つけることはできないと思うしぃ…それしか双方を傷つけずに解決できる方法が思いつかないんだけど…駄目?」


ちょんっとノヴァの服の袖を摘まんで首を傾げて見せる。

お願いする時にこれをするとノヴァはわりと首を縦に振ってくれるって学習済みだ。




「っ…結界は張ったままだ。危険と判断したらすぐに撤退しろ。」


「うん!約束する!」





ノヴァも僕が分かっていてこの仕草をしていることを知っているから、眉間にぐっと皺を寄せて複雑そうなお顔。

僕もノヴァが僕のコレに弱いのを分かっていてやったから絶対に約束は守るよ。






「無傷で帰ってくるね。」

「約束だ。」






























グギャロロロロロロロロロロロロ!!!!!



「…これはすごいね。あっつ。」


『先程より荒れておるな。』




ノヴァ達と一旦別れ、迎えに来てくれたホルス様の背に乗って卵の親の元へ来たのだけど…想像の倍の荒れ模様である。

ノヴァの結界が三重に張られているのに暑く感じるくらいレッドドラゴンから凄まじい熱波が放たれている。



地上では荒ぶる気持ちのままに火を噴くレッドドラゴンの熱から逃げようと、生き物達が右往左往しているのが見える。









取り合えず僕が耐えられる暑さの所で止まってもらって、レッドドラゴンに向かって伝われーっと念を飛ばしてみる。



『落ち着いて落ち着いて落ち着いて落ち着いてとりあえず落ち着いてくださーい。』


グロ…グッ…


『…何者だ。』



吐き出そうとしていた火を止めて、周りをキョロキョロしだしたレッドドラゴン。

返ってきた言葉に思わずよしっと拳を握る。





『僕はルナイス・ウォードと申します。貴方が探している子を見つけましたので報告に参りました!』


『なに!?私の子を!?…否…何故私が子を探していると分かった?お前が攫ったのではないか!?』



挨拶はきちんと!っとびしっと決めた僕ですが、まさかの誘拐犯だと疑われてしまった。

念話の相手が僕であると分かったレッドドラゴンの鋭い眼差しが僕を突き刺し、向けられた本気度の高い殺気に流石の僕もぶるりと体が震えた。



『龍神の愛子であるルナイスを犯罪者扱いとは…少しは冷静になったらどうだガーネット。』


『…お前は…ノワールか。龍神の愛子とはまさかそこの人の子の事か?』



僕へ殺気を向けるレッドドラゴンに珍しく苛立った様子のホルス様が間に入ってくれた。

ホルス様とレッドドラゴンは知り合いのようで、ホルス様に気が付いたレッドドラゴンの殺気が一気に分散したことで僕の震えも何とか収まった。








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