王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

そうだ、お土産買わないと

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「お、おまちくださいませ!!」


孤児院の門を潜ろうとしたところで、何か背後から凄い勢いで誰か来てるなーっと思っていたら爆速で来たために髪の毛がぼっさぁってなってしまっている小さな女の子が現れた。



「わ、わたくしこの孤児院の院長を務めております、チンナと申します!!中々メーサがウォード男爵様を御連れになりませんので先程事情を聞きまして、うちの者達が大変申し訳ございません!!!」


小さな女の子だと思っていた方はどうやら孤児院の院長だったようで、先程の淫魔さんとは違ってそれはもう深く頭を下げ、声からは必死さが伝わってくる謝罪をした。

誰も何も言わないからチラっとノヴァを見れば、頭を上げないままでいるチンナさんをじっと見ていた。




「チンナ院長。謝罪は受けますが私達が此処にいれば子供等を処罰せねばならなくなりそうですのでやはり我々はこのまま孤児院を去ります」

じっとチンナさんを見ていたノヴァはしばらくの沈黙の後、静かにそう言った。


「あの…足りるか分かりませんがこれを皆さんでどうぞ。また訪れる機会がありましたら次は子やチンナ院長とお話できることを期待してます」


「…過分なご配慮ありがとう存じます。教育の見直しを徹底し、必ずウォード男爵、ご夫人の期待に応えてみせます!!」



ノヴァの言葉にちーんと項垂れるチンナさんに肉包みを渡して、声を掛けるとチンナさんは顔を上げて僕達に頑張るっと両手に握りこぶしを作って宣言してくれた。

立派な大人の女性であることは理解しているのだけど、やはり幼い見た目であるからその仕草が余計に可愛らしく見えて応援したくなる。






僕達はチンナ院長に別れを告げて予定より早く孤児院の訪問が終わったので、隙間時間で闇市の魔導具屋に行ってみることにした。


ほら、僕達ってちゃんと認められて、なんならお勧めされて新婚旅行中だけど職場に全然行ってないからせめてもの旅の差し入れをしないと。




カラン


魔導具屋の入り口は戸を開けると鈴の音が鳴り、その音を聞いた店主が伏せていた顔を上げ僕達を見た。





「いらっしゃい」


手元で何やら作業をしている手は止めずに僕達に挨拶をした店主はしばらく僕達を観察した後、再び手元へと視線を戻し作業に戻る。

カチカチ カタカタと細かい部品を動かしたりする音が響いてくることから彼が今現在、何かの魔導具を作っているのだろうと予測する。





店はところせましと物が置かれているが、なかなかに広い店でおおまかに役割が近い物が同じ所に置かれていたりするので見やすくて良い。

魔導具への愛を感じるよね。





「ノヴァ、これ見て。空を飛べる靴だって」

「すごいな…こっちは水がなくならない水差しだ」


二人ですごいすごいっと小さい声ではしゃぎながら店内を見回っているとあっという間にお昼の時間を過ぎてしまっていた。


僕達は自分達用とお土産用に色んな魔導具を大体30個ほど購入したのだけれど、店主さんが僕達のはしゃぎぶりを見ていたようで、そんなに魔導具に興味があるのならっと無料で試作品だという姿を消せる外衣をくれた。

姿を消せるだけじゃなく、気配や呼吸音等全てを他者から遮断してくれると言うからなかなか面白そうである。





良い買い物が出来てほくほくな僕達は昼食のため、近くにあった小さな子供が必死にチラシを配っているレストランへ入ることにした。



「ご、ご来店ありがとうございます!!僕はヨンギと言います!うちはかーちゃんが作る創作料理が売りで…あの、その…とっても美味しいです!!」

僕達を席に案内しながらも小さな子供、ヨンギは一生懸命僕達にお店のことを教えてくれて可愛い。

悪魔族は食欲を持つ悪魔以外はあんまりご飯を食べることがないから、闇市でのレストラン業は大変だ。
ヨンギも必死にチラシを配っていたけれど、あんまり手に取ってくれる人はいないようだったので、やっと捕まえた客(僕達)を逃がさないぞっという気合が見て取れる。







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