王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第5章

会議室は闇の沼

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「ル、ルナイス様…あの者共はどうなって?」


「あぁ…転移すると同時にあの部屋は闇の沼地に変えてやったから今頃ズブズブと沈んでいってるところでしょう。ついでに炎魔法で少し炙っておいたので後日もし会う機会があったなら奴等の頭部はつるりと光輝いているかもしれませんね」



おずおずと問いかけてきた子爵にニコっと気持ち悪くない笑みを見せて答えると「ひぃ!」と声を上げて僕からスササササと素早く距離を取った子爵。

気持ち悪かっただろうか…とすぐ笑みを引っ込めたらまたひぃ!という悲鳴が子爵の口から溢れ出る。





コンコン


「ルナイス様。ヨハネスです」

「どうぞー」


どんな顔だったら子爵を怯えさせないかと悩んでいるところにノック音が響き、ヨハネスが顔を覗かせた。

他の貴族も居るのでいつよりビシッとしていて近衛騎士みたいだ。




「男爵は貴族牢に入れる許可を得て収容いたしました。他のものについてはルナイス様の魔法が解け次第拘束する予定で、準備は整っております」


「良くやった。奴らの処分については上と話すから、それまではどこかに拘束してよーく見張っておいて。あいつらがただの馬鹿なのか、何か強気になる理由があるのかまだ分かってないから」



「御意。失礼します」




僕の指示を聞いてテキパキと部屋を退出したヨハネスを見送ってから僕は会議室で展開している魔法を解く。

止まった魔力の放出に思わずふぅっと息が溢れた。


魔力量は人一倍多いけど、だからこそ微調整が難しいのだ。

対象を死なせるなら楽なのだけど、生かさないといけない場合はそこそこ集中しなくちゃいけなくて疲れる。







コンコン


「アドルファス・アーバスノイヤー様がご到着いたしました」

ヨハネスが出ていってすぐ再びノック音が響きにぃ様が来たことを知らせる。

ここの誰よりもにぃ様は格上なので、こちらの返事を待たず扉が開き堂々とした近衛騎士の制服を身にまとった格好いいにぃ様が現れる。



「ルナイス、怪我はないか」

にぃ様はスっと全員に視線を走らせてからすぐさま僕の所までやってきて僕の体をあちこち触り無事の確認をする。

僕はないと答えるけど、こんなに確認されるなら僕からの答えはいらないような気もする。



「ナッパ子爵が素晴らしい働きをしてくださったお掛けでなんの問題もなく馬鹿共を沼に沈めてやすことができたのです」


「なるほど。ナッパ子爵、我が最愛の弟に協力してくれたこと感謝する」



「い、いえ!!とんでもありません!!ル、ルナイス様がお怒りになられるのは当たり前のことですし、僕たちの方があの場から逃がしてもらったので…その…見に余る光栄でございます!!」




にぃ様に声を掛けられたナッパ子爵は凄く慌てているけれど、にぃ様を見つめるその瞳はキラキラと輝いていて、仄かに染まる頬はまるで恋する乙女のよう…

憧れなのか、恋なのかとそんなことに思考を使っているとぶにゅっと頬を掴まれた。

にぃ様に。




「にぃふぁま、こりぇ、きりょきゅ、でしゅ!」


頬を掴まれたまま、懐から記録魔石をにぃ様に差し出すとやっと頬から手を離された。

にぃ様が僕を乱暴に扱うはずが無いので頬は全く痛くない。



「襲いかかってきた護衛達は大したことなかったです。そこらのゴロツキと変わらないでしょう。」

「雑魚でも結託すればどうにか出来るとでも愚考したか。…まぁいい。それは尋問にかければ分かることだ。今回の件については父上も動かれる。今後のことを考えれば此処で釘をさしておいた方が良い」


とーさままで動かなくてもっと言おうとした僕だけど、にぃ様が先にとーさまが動く必要性を言い僕は大人しく口を閉じた。




にぃ様は再度僕に怪我がないかを確かめてから部屋を退出し、僕は一息ついてからこの部屋に一緒に転移した僕の敵ではない皆様に向き直る。



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