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当たり前に当然過ぎて、深刻になれない。
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一筋流した涙を拭わずそのままに、キリアンがガインに問う。
━━俺が皇帝陛下でなくても愛せるのか?━━と。
ガインはキリアンの父であるグレアム皇帝の忠臣であり、親友でもあった。
ガインは幼い頃から何度も城に訪れ、キリアンの祖父にあたる先々代皇帝にも息子の様に可愛がられた。
忠義に厚いガインが、自分を忠臣として取り立ててくれた皇帝一族を見限る事など無い。
だがもし、唯一の歴代皇帝の血を継ぐキリアンが皇帝でなくなるとしたら…?
ガインは全裸のままベッドの上であぐらをかいて腕を組み、「うぅ~ん」と唸りながら首を傾げた。
ただ一言、ガインからの「愛せる」との答えを求めていたキリアンは、そんなに悩む事かと悲しいとも悔しいともつかぬ気持ちに唇を噛む。
「すまんが、お前の言ってる意味がサッパリ分からん。
キリアンが皇帝でなくなる理由なんて言ったら、お前が皇帝の座から引きずり降ろされるって事か?
そんなモン、俺が守るし全力で阻止するに決まってンだろうが。」
ガインから思いもよらない答えが返って来たため、キリアンの涙が引っ込んだ。
ガインは、まずどういう状態でキリアンが皇帝の座を失くしたかを把握しなければ答えを出せないらしい。
「………そう………いう場合もあるけど………
そうじゃなくて……例えばだけど……
俺が自ら皇帝の座を捨てるとか……。」
「はぁあ!?皇帝の座を捨てる!?
お前の親父や、祖父さんが繋いできた歴代皇帝の血を絶やしてもか!?」
怒号にも近いガインの大きな声に、キリアンの身体がビクッと強張った。
この問い掛けは皇帝一族に忠誠を誓い、代々仕えてきた伯爵家の現当主でもあるガインには赦し難い裏切り行為かも知れない。
それでも確かめなければ……
ガインの中にあるキリアンに対する愛情と、皇帝に対する忠誠心。
今はそのどちらもがキリアンに向けられた物だ。
それが別々に切り離された時、ガインがどちらを選ぶのか。
キリアンは真剣な眼差しをガインに向けると、大きく頷いた。
「はぁ?そんなモン、わざわざ聞くかな。
お前を愛し続けるし、愛し通す覚悟もある。
そう言ったじゃねぇか。」
ガインは、聞かれた事に腑に落ちない顔をした。
溜めも迷いも無く、さも当たり前の事を聞かれたかの様に、サラリと答えてしまった。
「……なんか、想像と違って……
もう少し、言葉を詰まらせるとか……悩むとか……
あるかと思ってたんだけど……。」
「どこに悩む必要があるんだよ。
現皇帝のお前がそうしたいって言うなら、臣下の俺は従うだけだし。
お前が皇帝でなくなって、俺が家臣でなくなっても…
お前の選んだ道なら俺もそれについて行く。
まぁ、それだけだ。
当たり前過ぎて、言葉を詰まらせる意味が分からん。」
あぐらをかいたガインは、小指で耳をぐりぐりと掻きながら、色気も素っ気も無く言う。
「俺は何があってもお前を選ぶ!」みたいなドラマチックなシチュエーションは一切無く、あまりに普通の態度で普通に答えられた。
迷いもなく即答。
だがそれが、何ともガインらしくてキリアンの口元が嬉しさにヘラっと緩む。
「あー……あー!もー!あーもー!あーもーだよ!
悩んでたの俺だけ?何か恥ッず!
俺が皇帝やめたいって言ったら、ガインが俺を見限るかもって…!!」
キリアンは両手で自分の両目を覆い隠し、あぐらをかくガインの前でベッドに仰向けに寝転んでゴロゴロと左右に身体を揺らした。
「見限るわきゃねーだろうが。
意味も理由もなく突然、やーめたって言うんだったら、しばき倒すがな。」
ベッドの上で両手で目を押さえつつ真っ赤な顔をしているキリアンを見たガインがニヤニヤと笑う。
いつもは自分が赤くなったり青くなったりと、キリアンのせいで表情筋を動かすのに忙しい。
それが今は珍しくキリアンが顔を赤くして恥ずかしそうな表情を見せている。
あぐらをかいた足の両膝に手を置き背を丸めて身を屈め、ガインが面白いモノでも見るかの様にニヤニヤと仰向けのキリアンの顔を上から覗き込んだ。
「………その顔、ムカつく!!」
「ゔぁあぁ!!あぅッ!」
目を覆っていた片手をガインのあぐらの中心に伸ばし、朝から元気なモノをギュッと握る。
それだけでガインの顔が花が色付く様にサァっと赤くなる。
「さっきの顔はムカつくけど、今の顔は大好き。
感度良すぎてイジメたくなっちゃうんだけど…
どうしよ?」
「ど…どうしようって…せっかくキレイにしたのに…」
仰向けだったキリアンが、ガインの前でゴロンと転がりうつ伏せになり、左肘をついて頬杖をつきながら右手の指先では握ったモノの先端をクリュクリュと刺激する。
「まだ軍会議まで時間もあるし、また俺が綺麗にしてあげるよ。」
うつ伏せで肘を付き顎を乗せ、両足は膝を曲げて宙でクロスさせたキリアンが楽しげにガインの茎を弄ぶ。
子どもが床に寝転がって遊ぶ様に、ガインの性器をいじり回すキリアンは、鼻歌交じりにガインの鈴口にクプと爪先を立てた。
「ふあぁあっ!!ちょ…!朝っ…敏感なんだからっ…」
「朝が敏感?違うでしょ。
ガインは四六時中、敏感。俺の前でだけね。
いっぱい感じて出しまくっていいから……
今すぐ俺に抱かれて。」
ベッドに寝転がり下から見上げるキリアンの強い眼差しにガインが射すくめられる。
ガインの背筋にゾクリと、恐怖心にも似た感覚が走る。
これは怖いもの見たさに近いのだろうか。
恐怖心に近いような感覚は、振り払って逃げるより先に好奇心に塗り替えられる。
抱かせて、ではなく抱かれてと言った。
お願いではなく、命令に近い。
断れる筈もなく、断る理由も無い。
「シーツを……汚さない場所で……なら」
絞り出すような声でガインがボソボソと呟く。
ガインの鈴口を親指の腹で叩いてクチクチと指と鈴口との間に粘液の糸が伸びるのを愉しんでいたキリアンがクスリと笑んだ。
「そうだね、俺達の身体なら拭けば済むけど。
シーツは汚したらまた替えなきゃいけなくなるし。」
キリアンは、ガインと酒を酌み交わす時に使うテーブルに目を向けた。
テーブルクロスが掛けられただけの状態で、今は上に酒瓶もグラスも乗っていない。
「あのテーブルの上で、お尻コチラに向けてうつ伏せになって。」
はぁあ!?って、表情をガインがする。
するが、これはもう一つの通過儀礼的なモノで、どんな方法を提案した所でガインは「はぁあ!?」って顔をする。
ちなみに、「じゃあ、やめとこうか」なんて言ったら、表面上は納得したみたいな顔をするだろうが、内心では
「はぁあ!?何でだ!?何か俺に不満でもあんのか!?」と、不安と不満で荒れまくり、時間を置いて段々と不機嫌さが表に出ることが立証されてしまった。
「ガインの初めてを貰ったのもテーブルだったね。
あの時はガインの部屋の小さなテーブルだったけど。
俺の部屋のテーブルは大きいから、大丈夫だよ。」
「何が大丈夫なんだよ……」
キリアンの言葉に、初めて繋がった日の事を思い出した。
結ばれたと言うよりは、強引に奪われた。
ずっとずっと溜め込んでいたキリアンの想いが堰を切った様に溢れ出て、ガインを無理矢理奪った。
ガインは、キリアンの想いを全身で受け止めたあの日から、自分も随分と変わったものだと思う。
あの頃は、キリアンの自分に対する愛情は、キリアンの気の迷いや、戯れだだろうと思い込もうとしていたガインだったが、度重なるキリアンの真っ直ぐな想いに呼応するように、段々とキリアンに溺れていった。
今はもう、自分自身がどうしようも無い程キリアンに惚れてしまっているとの自覚がある。
ガインはテーブルの上に腹を付けて上半身を乗せて腰を上げ、後ろを振り返った。
振り返ったガインと目が合ったキリアンが、申し訳無さげに頭を傾けた。
「あの日は……ごめんね……。
でも、もう耐えられなかった。
長い間胸に抱き続けた想いを早く受け入れて欲しくて…それでも時間を掛けて、優しく大事に大事に…受け止めて貰うつもりでいたんだけど。」
ガインの背後に立ったキリアンが、ガインの背中に身体を重ね、ガインのペニスを握り緩く扱き始めた。
「ッ…ん……んん……あ………」
甘く静かに漏れるガインの嬌声にクスリと笑ったキリアンは、ガインの大きな背中に唇で吸い付きながら赤い痕を遺していく。
「あの日の俺は、初めて身を焦がす様な嫉妬を覚えたんだよね。
もう、自制が効かない位の激しい嫉妬。
壊してでも自分のモノにしないと気が済まなくなっていた。」
「ふぁああ!!!」
緩く握られていた性器の雁首部分を急に強く握られたガインの上体が、驚いた様にバッと起き上がりかける。
そのガインの背中をテーブルに押さえ込んだキリアンが、ガインの後孔をクパと指で開いた。
「あの日は本当にごめんね。
そして、今日もごめん。
思い出したら、何か優しく抱ける気がしない。
だから、奪わせて。」
「はぁあぁあ!?ナニ言ってんのお前!!」
「大丈夫、優しく出来ないけど気持ち良くするから。
だから安心して犯されて。」
「それ、何も大丈夫じゃねぇよ!!
ちょ…待て…待てって!!あっ…ンくぁあ!!」
クプクプと入口の秘肉を捲る様にして、硬い楔の頭が胎内の壁を四方へ押しやり、ヌゥっと頭を突っ込む。
「まだ先っちょだけだよ。
受け入れるの上手になったね、ガイン。
初めての時は入口ガチガチに堅かったし、入ってからも俺を拒む様にガチガチで………
今はこんなにトロトロなのにね。」
滑る様にヅルンと、余す事無くキリアンの茎の全てがガインの内側に収まる。
「ふくっ……!クッソ恥ずかしい事をわざわざ言うな…
朝の支度だって、せにゃならんのに…!」
「初心忘るべからずってヤツだよ。
初めて繋がった日の事も、こんなにも愛されてるって事も、俺が嫉妬深い事も、色んな事を忘れない様にしてね。」
こんなモンに、初心もクソもあるか!!
そんな言葉を口にするより先に、キリアンが抽挿を始めてしまった。
「あぁッ!!まっ…んぁっ!や…入口拡げ…はんっ!」
「ペニスより、コッチのが反応いいよね。
ペニスは、おしとやかに感じてくれるけど、コッチはすぐ乱れてくれるモンね。
最高のオンナのコ孔……もっと乱れてメスになろうね」
抽挿の角度を変え根本まで埋め込んだ楔を、コココココと小刻みに叩く様な素早い律動を与え、次に鍋を掻き回すようにゆっくり内側で円を描いて、ヌポと楔を抜きかける。
再び楔をズヌッと深く埋め込まれたガインの身体が跳ね上がった。
テーブルクロスを握りしめ、小刻みに身体を震わせる。
「んああ!!あ……ぁあ………」
「まだ時間はあるさ。たっぷり愛してあげる。
俺が遅刻したって、誰も文句言えないからね。」
その頃━━
兵舎の裏では、ノーザンを伴ったギャリーの巨乳ちゃんナンパ大作戦が始まろうとしていた。
━━俺が皇帝陛下でなくても愛せるのか?━━と。
ガインはキリアンの父であるグレアム皇帝の忠臣であり、親友でもあった。
ガインは幼い頃から何度も城に訪れ、キリアンの祖父にあたる先々代皇帝にも息子の様に可愛がられた。
忠義に厚いガインが、自分を忠臣として取り立ててくれた皇帝一族を見限る事など無い。
だがもし、唯一の歴代皇帝の血を継ぐキリアンが皇帝でなくなるとしたら…?
ガインは全裸のままベッドの上であぐらをかいて腕を組み、「うぅ~ん」と唸りながら首を傾げた。
ただ一言、ガインからの「愛せる」との答えを求めていたキリアンは、そんなに悩む事かと悲しいとも悔しいともつかぬ気持ちに唇を噛む。
「すまんが、お前の言ってる意味がサッパリ分からん。
キリアンが皇帝でなくなる理由なんて言ったら、お前が皇帝の座から引きずり降ろされるって事か?
そんなモン、俺が守るし全力で阻止するに決まってンだろうが。」
ガインから思いもよらない答えが返って来たため、キリアンの涙が引っ込んだ。
ガインは、まずどういう状態でキリアンが皇帝の座を失くしたかを把握しなければ答えを出せないらしい。
「………そう………いう場合もあるけど………
そうじゃなくて……例えばだけど……
俺が自ら皇帝の座を捨てるとか……。」
「はぁあ!?皇帝の座を捨てる!?
お前の親父や、祖父さんが繋いできた歴代皇帝の血を絶やしてもか!?」
怒号にも近いガインの大きな声に、キリアンの身体がビクッと強張った。
この問い掛けは皇帝一族に忠誠を誓い、代々仕えてきた伯爵家の現当主でもあるガインには赦し難い裏切り行為かも知れない。
それでも確かめなければ……
ガインの中にあるキリアンに対する愛情と、皇帝に対する忠誠心。
今はそのどちらもがキリアンに向けられた物だ。
それが別々に切り離された時、ガインがどちらを選ぶのか。
キリアンは真剣な眼差しをガインに向けると、大きく頷いた。
「はぁ?そんなモン、わざわざ聞くかな。
お前を愛し続けるし、愛し通す覚悟もある。
そう言ったじゃねぇか。」
ガインは、聞かれた事に腑に落ちない顔をした。
溜めも迷いも無く、さも当たり前の事を聞かれたかの様に、サラリと答えてしまった。
「……なんか、想像と違って……
もう少し、言葉を詰まらせるとか……悩むとか……
あるかと思ってたんだけど……。」
「どこに悩む必要があるんだよ。
現皇帝のお前がそうしたいって言うなら、臣下の俺は従うだけだし。
お前が皇帝でなくなって、俺が家臣でなくなっても…
お前の選んだ道なら俺もそれについて行く。
まぁ、それだけだ。
当たり前過ぎて、言葉を詰まらせる意味が分からん。」
あぐらをかいたガインは、小指で耳をぐりぐりと掻きながら、色気も素っ気も無く言う。
「俺は何があってもお前を選ぶ!」みたいなドラマチックなシチュエーションは一切無く、あまりに普通の態度で普通に答えられた。
迷いもなく即答。
だがそれが、何ともガインらしくてキリアンの口元が嬉しさにヘラっと緩む。
「あー……あー!もー!あーもー!あーもーだよ!
悩んでたの俺だけ?何か恥ッず!
俺が皇帝やめたいって言ったら、ガインが俺を見限るかもって…!!」
キリアンは両手で自分の両目を覆い隠し、あぐらをかくガインの前でベッドに仰向けに寝転んでゴロゴロと左右に身体を揺らした。
「見限るわきゃねーだろうが。
意味も理由もなく突然、やーめたって言うんだったら、しばき倒すがな。」
ベッドの上で両手で目を押さえつつ真っ赤な顔をしているキリアンを見たガインがニヤニヤと笑う。
いつもは自分が赤くなったり青くなったりと、キリアンのせいで表情筋を動かすのに忙しい。
それが今は珍しくキリアンが顔を赤くして恥ずかしそうな表情を見せている。
あぐらをかいた足の両膝に手を置き背を丸めて身を屈め、ガインが面白いモノでも見るかの様にニヤニヤと仰向けのキリアンの顔を上から覗き込んだ。
「………その顔、ムカつく!!」
「ゔぁあぁ!!あぅッ!」
目を覆っていた片手をガインのあぐらの中心に伸ばし、朝から元気なモノをギュッと握る。
それだけでガインの顔が花が色付く様にサァっと赤くなる。
「さっきの顔はムカつくけど、今の顔は大好き。
感度良すぎてイジメたくなっちゃうんだけど…
どうしよ?」
「ど…どうしようって…せっかくキレイにしたのに…」
仰向けだったキリアンが、ガインの前でゴロンと転がりうつ伏せになり、左肘をついて頬杖をつきながら右手の指先では握ったモノの先端をクリュクリュと刺激する。
「まだ軍会議まで時間もあるし、また俺が綺麗にしてあげるよ。」
うつ伏せで肘を付き顎を乗せ、両足は膝を曲げて宙でクロスさせたキリアンが楽しげにガインの茎を弄ぶ。
子どもが床に寝転がって遊ぶ様に、ガインの性器をいじり回すキリアンは、鼻歌交じりにガインの鈴口にクプと爪先を立てた。
「ふあぁあっ!!ちょ…!朝っ…敏感なんだからっ…」
「朝が敏感?違うでしょ。
ガインは四六時中、敏感。俺の前でだけね。
いっぱい感じて出しまくっていいから……
今すぐ俺に抱かれて。」
ベッドに寝転がり下から見上げるキリアンの強い眼差しにガインが射すくめられる。
ガインの背筋にゾクリと、恐怖心にも似た感覚が走る。
これは怖いもの見たさに近いのだろうか。
恐怖心に近いような感覚は、振り払って逃げるより先に好奇心に塗り替えられる。
抱かせて、ではなく抱かれてと言った。
お願いではなく、命令に近い。
断れる筈もなく、断る理由も無い。
「シーツを……汚さない場所で……なら」
絞り出すような声でガインがボソボソと呟く。
ガインの鈴口を親指の腹で叩いてクチクチと指と鈴口との間に粘液の糸が伸びるのを愉しんでいたキリアンがクスリと笑んだ。
「そうだね、俺達の身体なら拭けば済むけど。
シーツは汚したらまた替えなきゃいけなくなるし。」
キリアンは、ガインと酒を酌み交わす時に使うテーブルに目を向けた。
テーブルクロスが掛けられただけの状態で、今は上に酒瓶もグラスも乗っていない。
「あのテーブルの上で、お尻コチラに向けてうつ伏せになって。」
はぁあ!?って、表情をガインがする。
するが、これはもう一つの通過儀礼的なモノで、どんな方法を提案した所でガインは「はぁあ!?」って顔をする。
ちなみに、「じゃあ、やめとこうか」なんて言ったら、表面上は納得したみたいな顔をするだろうが、内心では
「はぁあ!?何でだ!?何か俺に不満でもあんのか!?」と、不安と不満で荒れまくり、時間を置いて段々と不機嫌さが表に出ることが立証されてしまった。
「ガインの初めてを貰ったのもテーブルだったね。
あの時はガインの部屋の小さなテーブルだったけど。
俺の部屋のテーブルは大きいから、大丈夫だよ。」
「何が大丈夫なんだよ……」
キリアンの言葉に、初めて繋がった日の事を思い出した。
結ばれたと言うよりは、強引に奪われた。
ずっとずっと溜め込んでいたキリアンの想いが堰を切った様に溢れ出て、ガインを無理矢理奪った。
ガインは、キリアンの想いを全身で受け止めたあの日から、自分も随分と変わったものだと思う。
あの頃は、キリアンの自分に対する愛情は、キリアンの気の迷いや、戯れだだろうと思い込もうとしていたガインだったが、度重なるキリアンの真っ直ぐな想いに呼応するように、段々とキリアンに溺れていった。
今はもう、自分自身がどうしようも無い程キリアンに惚れてしまっているとの自覚がある。
ガインはテーブルの上に腹を付けて上半身を乗せて腰を上げ、後ろを振り返った。
振り返ったガインと目が合ったキリアンが、申し訳無さげに頭を傾けた。
「あの日は……ごめんね……。
でも、もう耐えられなかった。
長い間胸に抱き続けた想いを早く受け入れて欲しくて…それでも時間を掛けて、優しく大事に大事に…受け止めて貰うつもりでいたんだけど。」
ガインの背後に立ったキリアンが、ガインの背中に身体を重ね、ガインのペニスを握り緩く扱き始めた。
「ッ…ん……んん……あ………」
甘く静かに漏れるガインの嬌声にクスリと笑ったキリアンは、ガインの大きな背中に唇で吸い付きながら赤い痕を遺していく。
「あの日の俺は、初めて身を焦がす様な嫉妬を覚えたんだよね。
もう、自制が効かない位の激しい嫉妬。
壊してでも自分のモノにしないと気が済まなくなっていた。」
「ふぁああ!!!」
緩く握られていた性器の雁首部分を急に強く握られたガインの上体が、驚いた様にバッと起き上がりかける。
そのガインの背中をテーブルに押さえ込んだキリアンが、ガインの後孔をクパと指で開いた。
「あの日は本当にごめんね。
そして、今日もごめん。
思い出したら、何か優しく抱ける気がしない。
だから、奪わせて。」
「はぁあぁあ!?ナニ言ってんのお前!!」
「大丈夫、優しく出来ないけど気持ち良くするから。
だから安心して犯されて。」
「それ、何も大丈夫じゃねぇよ!!
ちょ…待て…待てって!!あっ…ンくぁあ!!」
クプクプと入口の秘肉を捲る様にして、硬い楔の頭が胎内の壁を四方へ押しやり、ヌゥっと頭を突っ込む。
「まだ先っちょだけだよ。
受け入れるの上手になったね、ガイン。
初めての時は入口ガチガチに堅かったし、入ってからも俺を拒む様にガチガチで………
今はこんなにトロトロなのにね。」
滑る様にヅルンと、余す事無くキリアンの茎の全てがガインの内側に収まる。
「ふくっ……!クッソ恥ずかしい事をわざわざ言うな…
朝の支度だって、せにゃならんのに…!」
「初心忘るべからずってヤツだよ。
初めて繋がった日の事も、こんなにも愛されてるって事も、俺が嫉妬深い事も、色んな事を忘れない様にしてね。」
こんなモンに、初心もクソもあるか!!
そんな言葉を口にするより先に、キリアンが抽挿を始めてしまった。
「あぁッ!!まっ…んぁっ!や…入口拡げ…はんっ!」
「ペニスより、コッチのが反応いいよね。
ペニスは、おしとやかに感じてくれるけど、コッチはすぐ乱れてくれるモンね。
最高のオンナのコ孔……もっと乱れてメスになろうね」
抽挿の角度を変え根本まで埋め込んだ楔を、コココココと小刻みに叩く様な素早い律動を与え、次に鍋を掻き回すようにゆっくり内側で円を描いて、ヌポと楔を抜きかける。
再び楔をズヌッと深く埋め込まれたガインの身体が跳ね上がった。
テーブルクロスを握りしめ、小刻みに身体を震わせる。
「んああ!!あ……ぁあ………」
「まだ時間はあるさ。たっぷり愛してあげる。
俺が遅刻したって、誰も文句言えないからね。」
その頃━━
兵舎の裏では、ノーザンを伴ったギャリーの巨乳ちゃんナンパ大作戦が始まろうとしていた。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390
サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。
同人誌版と同じ表紙に差し替えました。
表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
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