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第13章 そのラブコメ、本当に必要ですか?
第148話 腹黒女神の沐浴
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「ああ、もうッ!」
女子更衣室でシャワーを浴びながら、ウェルシェは髪をガシャガシャかき乱した。
「どうして私はあんな事を……」
エーリックに対しての迂闊な行動にウェルシェは後悔の嵐だ。どうにも試合に負けてから調子が狂いっぱなしだ。
「なにをやってるのよ私は!」
エーリックの顔が脳裏に浮かぶたびに恥ずかしさで悶えてしまう。
「うううっ、エーリック様に合わせる顔が無いわ!」
彼女の雪のように真っ白な全身の肌が赤く染まっているのは、果たしてお湯を浴びているせいだけだろうか?
「お優しいエーリック様でもさすがにお怒りになられたわよね?」
さっきの仕打ちはさすがに理不尽であったと、ウェルシェは顔を顰めた。
「きっと嫌われちゃったわ」
なぜかエーリックに嫌われると思うだけで、胸がきゅぅっと締めつけられるように痛みが走る。
「私……どうしちゃったんだろ?」
金色の雲のようなふわりとした髪、晴れた空のように澄んだ青い瞳、いつも柔らかい笑顔を湛える端正な顔立ちの柔和な美少年。
確かにウェルシェの好みドンピシャの容姿ではある。
「でも、これは政略よ」
だが、ウェルシェは理と利の前には感情を殺せる類の人種だ。エーリックもただ婚約の条件が良いから選んだに過ぎない。
「グロラッハ侯爵家のため、支えてくれる家臣達のため、そして我がグロラッハ領の民のためなら悪魔とだって結婚してやるわ!」
もちろん相手に好かれる方が良いが、嫌われたとて政略結婚であるから問題は無いはずなのだ。
「なのにどうして私は……」
何をどう考えても、自分の中で蠢く感情の正体が分からない。
「やめやめ! 過ぎた事だし考えるだけムダよ」
蛇口を捻ってお湯を止めると勢いよく扉を開けた。
シャワールームから出たウェルシェの身体はびしょびしょで、髪や身体からぼたぼたと水滴が落ちて脱衣所の床を濡らしていく。
ウェルシェは起伏に富んだ見事な裸体を惜しげもなく晒す。出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる同性でも見惚れるプロポーションだ。
整った顔からほっそりとした首筋へ、膨らんだ胸からくびれた腰に、華奢ですらりとした四肢……その瑞々しい身体に幾条もの水滴が流れ落ちていく。
濡れた銀の髪がきらめき、肌は抜けるように白い。
とても煽情的なようでいて、しかし、しとどに濡れた裸身はいやらしさより神秘的な雰囲気を醸し出している。
美の女神が沐浴を終えたところといった趣きだ。
やわ肌を傷つけないふわふわのタオルで髪と体を拭き上げ、ウェルシェは籠に用意されていた着替えに手を伸ばす。
制服のブラウスに袖を通せば、汗を流しさっぱりした身体に新しく卸したそれの感触はとても心地良いものであった。
しかし、身体はさっぱりしてもウェルシェの心はもやもやが晴れなかった。
女子更衣室でシャワーを浴びながら、ウェルシェは髪をガシャガシャかき乱した。
「どうして私はあんな事を……」
エーリックに対しての迂闊な行動にウェルシェは後悔の嵐だ。どうにも試合に負けてから調子が狂いっぱなしだ。
「なにをやってるのよ私は!」
エーリックの顔が脳裏に浮かぶたびに恥ずかしさで悶えてしまう。
「うううっ、エーリック様に合わせる顔が無いわ!」
彼女の雪のように真っ白な全身の肌が赤く染まっているのは、果たしてお湯を浴びているせいだけだろうか?
「お優しいエーリック様でもさすがにお怒りになられたわよね?」
さっきの仕打ちはさすがに理不尽であったと、ウェルシェは顔を顰めた。
「きっと嫌われちゃったわ」
なぜかエーリックに嫌われると思うだけで、胸がきゅぅっと締めつけられるように痛みが走る。
「私……どうしちゃったんだろ?」
金色の雲のようなふわりとした髪、晴れた空のように澄んだ青い瞳、いつも柔らかい笑顔を湛える端正な顔立ちの柔和な美少年。
確かにウェルシェの好みドンピシャの容姿ではある。
「でも、これは政略よ」
だが、ウェルシェは理と利の前には感情を殺せる類の人種だ。エーリックもただ婚約の条件が良いから選んだに過ぎない。
「グロラッハ侯爵家のため、支えてくれる家臣達のため、そして我がグロラッハ領の民のためなら悪魔とだって結婚してやるわ!」
もちろん相手に好かれる方が良いが、嫌われたとて政略結婚であるから問題は無いはずなのだ。
「なのにどうして私は……」
何をどう考えても、自分の中で蠢く感情の正体が分からない。
「やめやめ! 過ぎた事だし考えるだけムダよ」
蛇口を捻ってお湯を止めると勢いよく扉を開けた。
シャワールームから出たウェルシェの身体はびしょびしょで、髪や身体からぼたぼたと水滴が落ちて脱衣所の床を濡らしていく。
ウェルシェは起伏に富んだ見事な裸体を惜しげもなく晒す。出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる同性でも見惚れるプロポーションだ。
整った顔からほっそりとした首筋へ、膨らんだ胸からくびれた腰に、華奢ですらりとした四肢……その瑞々しい身体に幾条もの水滴が流れ落ちていく。
濡れた銀の髪がきらめき、肌は抜けるように白い。
とても煽情的なようでいて、しかし、しとどに濡れた裸身はいやらしさより神秘的な雰囲気を醸し出している。
美の女神が沐浴を終えたところといった趣きだ。
やわ肌を傷つけないふわふわのタオルで髪と体を拭き上げ、ウェルシェは籠に用意されていた着替えに手を伸ばす。
制服のブラウスに袖を通せば、汗を流しさっぱりした身体に新しく卸したそれの感触はとても心地良いものであった。
しかし、身体はさっぱりしてもウェルシェの心はもやもやが晴れなかった。
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