華燭の城

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「……!!」

 それは本当に一瞬の出来事だった。
 驚きに瞳を開き、目の前のガルシアを認識した途端、体の感覚が一気に痛みだけの現実へと引き戻される。

「ングッ……ンッ!!
 …………ンッー!……ンッ……グッ……!」

 ただただ、おぞましさに頭を振り抵抗する。
 だがガルシアの手は、シュリを押さえつけたまま離そうとはしなかった。

 猛ったモノを喉に突き込まれたまま、無理矢理に動かされ、苦しさと嫌悪感に呻いた。その苦痛の声に思わずラウが眉を顰め、動きが止まる。

「おい、誰が止めて良いと言った。続けろ」
 ガルシアが目の前に立つラウに、鋭い眼光を向けた。

「お前も感じているのだろう?
 シュリの身体は苦痛を与えれば与えるほど、より強く収縮し、締め上げてくる最高の器だ」

「しかし…………!」

 何かを言いかけたラウだったが、グッと言葉を呑み込むと、無言のまま目を伏せ、シュリの腰を掴む手に力を入れる。

「……ッツンっァ……!!」

 再び後ろを突き上げられ声を上げたシュリに、ガルシアは満足そうに嗤うと、更に深く、自らのモノを喉奥へと突っ込んだ。
 そして次第に、全身に満ちていく強い快感に狂い酔いながら、口内のモノは着実に質量を増張していく。

「……シュリ……お前も……ンッ……。
 やれば出来るではないか……。
 口も……後ろも……男を咥え込んで……。
 ……ンッ……ンッ……本当に不様で良い格好だ。
 神の子が聞いて呆れる……」

 その声はシュリにもハッキリと聞こえている。

 喉の奥に当たる男の異形モノ……。
 それと同じモノが自分の体内にも挿入はいっている……。
 犯されている……。
 凌辱されて……いる……。

 やめろと叫びたかった。
 だがそれは、喉を塞がれ言葉にもならない。

「ンッ……ンッ……! ンッッッ”ーー……!!」

 シュリの上げた悲痛な呻きに、ガルシアの腕が動いた。
 前から手を伸ばし、喘ぐシュリのモノを鷲し掴むと、擦り上げるように上下し、指先が先の穴を広げ探る。

「ンッ! ……ンッっ! ……グッっ……!」

 悔しさと痛みと苦しみが身体を覆い尽くす。

「もっとだ、もっと吸い付け……! 
 ……舌を使え、喉の奥で擦り上げろ」

 ググッと喉の最奥までガルシアのモノが突き込まれ、呼吸が出来なくなった。
 硬く反り立つソレは容赦なく喉上の粘膜を乱暴に撫で上げ、嘔気が込み上げる。
 それでもガルシアは、頭を振って必死に抵抗し嫌がるシュリを、押さえ付け動かし続けた。


 永遠とも思える凌辱の時間。
 その苦しさに身体が震え、遠退く意識でぐったりと崩れ落ちそうになった頃、

「……クっ……!」

 ガルシアの声と共にそれは唐突に終わりを告げた。
 シュリの口内に、ガルシアの精が解き放たれたのだ。

「ンッグッ……!! ンッンンッンッ……!!」

 放出と同時に一層強く押さえ込まれた頭は動かす事も出来ず、大量の粘液は、シュリの口から直接、喉に流れ落ちる。
 その抗えない苦しさにシュリは目を見開き、懇願するように首を振った。
 だがその願いは受け入れられるはずもない。

 ガルシアの弩張したモノは、自分の口内でドクドクといつまでも脈動を続け、むせかえるような激しい男の精の匂いと、息ができない苦しさで、シュリの目に涙が溢れる。

「……ゴフッ……!」

 やっとそれが口から引き抜かれた時、シュリはあまりの苦しさに四つん這いのまま、崩れ落ちるように蹲っていた。
 飲み込みきれなかった白い粘液が、ポタポタと口端から床に滴る。
 それを後ろから見ていたラウが、クッと唇を噛んだ。
 それではガルシアが許さないと判っていたからだ。

「一滴もこぼすなと教わらなかったか?」

 ガルシアの足が、床に蹲り激しく肩で息をするシュリの右手をギリ……と踏みつける。

「ンッッッーァァア”ッッ!!!」

 叫びを上げるシュリをガルシアは冷酷に眺め、そしてラウムに視線を向けた。

「おい、止まるなと言ったはずだ。
 見世物はまだ終わっていないぞ。
 それに、お前の調教は不合格だ」

 ラウは痛みに叫ぶシュリを直視できず目を伏せると、もう一度、自分のモノをシュリに突き立てる。

「……ンっ……ァアッッ……!!」

 踏まれたままの右手を押さえながら、肘だけで体を支えたシュリを、ラウは犯し続けた。
 だがそれはもう形だけの抽挿だった。
 痛みにもがくシュリを前に、胸が張り裂けそうになる。

「どうした? 早くイッてやらないと、シュリが苦しそうだぞ?
 それともまだ焦らし、もてあそぶ気か?
 ならば……こちらも、もう一回だ」

 ガルシアは二人を眺めながら一口酒を呷ると、再びシュリの口に自らを咥え込ませた。

「ワシとお前と……。 
 両方がシュリの中で達するイクまで終わらないぞ。続けろ」

「……ンッッッ!!」

「シュリ……」

 ラウも、もう動きを止めるわけに行かなかった。
 自分もシュリの中で果てなければ終わらない。
 グッと唇を噛み、シュリを犯し続ける。

 激しい痛みと苦しさにシュリの意識が薄くなり、呻きが小さくなると、ガルシアは足の下に置いたままのシュリの右手をジリジリと踏みつける。
 そうやって幾度も覚醒させては、声を上げるシュリに、ガルシアは完全に酔っていた。

「……ン”ッッァーーっ!!」
 
 わずかに体内を痙攣させながら、痛みに激しく身を捩り、シュリはくぐもった叫び声をあげた。






 同じ頃――

 この城からそう遠くない郊外の広大な一軒の屋敷でも、ひとりの男の、甲高い叫び声が響いていた……。
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