カラダで熱を確かめて

タマ鳥

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番外夜2

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とある昼下がり、お父さんから「お前らが10歳の時、大人のお前らに向けて書いた手紙が発見されたから送るわ。」というメモ書きと共に2通の手紙が同封された封筒が送られてきた。


「薫、こんなの送られてきたんだけど一緒に読まない?」


すやすやと眠る愛咲日の顔を見ながら、ニコニコしている薫を呼ぶ。薫は何それ?と言ったあとその手紙を見つけ、ギョッとした。



……この反応、面白いこと書いてあるな。一緒にはやめよう?なんて提案する薫を無視し、私は手紙を2通取り出す。



「私のも一緒に読むんだからいいでしょ?」


それから、まずは私の手紙から読むことにした。






『大人になった梓へ。


今、ステキなダンナさんと結婚しましたか?

私の今の目標は、ステキな恋をして、ステキな人と結婚して、幸せな家庭を築くことです。


そして家を建てて、ダンナさんと子ども2人とゴールデンレトリバーと一緒に暮らしててほしいです。


ダンナさんは金持ちで、石油とか温泉とか発掘してるといいなあ。



でも私は現実が見えているので、この前学校帰りに見た、幸せな結婚式みたいな式を挙げていればいいです。



今この手紙を見て、あせった未来の私、この時の気持ちを忘れずがんばれ!!


4年2組 三森梓』




この手紙を読み終わったあと、薫の方を向く。



「…だって薫。とりあえず素敵な恋をして、素敵な人と結婚して、幸せな家庭を築くことはクリアしてるじゃない?あとは一軒家と2人目とゴールデンレトリバーで目標達成だね。」



それからニコニコと笑うと、薫は一軒家かぁ。なんて唸っていた。


「いつか子どもたちが成長して、貯金も溜まったら考えよう?それこそ薫が小一の頃に黒田家はお家建てたじゃない?私達も愛咲日が1年生になった時に建てるとか考えてみてもいいかもね。」


「そうだね。あとゴールデンレトリバーもその時かな。」


それにしても10歳の私、私はこの手紙を書きながら描いていた理想以上に、幸せな家庭を築いているよ。


でもこの幸せを得るには、たくさんの紆余曲折があったから、それを経て、改めて大切な人が身近に居るってことに気付けたんだけどね。




「よし。じゃあ次薫の!!」

それから手紙を読もうとすると、するりと薫に取られてしまう。



「あのさ、ちょっと校閲してからでいい?」


「えーダメだよ。私達は夫婦だよ?隠し事は無し!」

ブーッと指をバツの形にして、薫にダメだと言うと、薫は嫌そうな顔で



「………わかったよ。じゃあその代わり変な事書いてあっても絶対引かないでね?」


と言った。一体何を恐れているのだろうか。薫はおずおずと手紙を私に返しながらそんな約束を取り付けようとしてきたので、私もわかったよと返事をした。

それから、手紙を開く。


『未来の僕へ。



今はどのようにお過ごしでしょうか。大人になった僕には自信が付き、しっかりとアズちゃんに気持ちを伝えることが出来ましたか?



それとも、まだ勇気が出ず、モジモジとしていますか?



この前下校中に、結婚式を見ました。アズちゃんは、素敵な人と結婚したいと言っていました。詳しく聞くと、総理大臣だそうです。僕は今、総理大臣になるために頑張って勉強に取り組んでいます。



未来の僕、どうですか?総理大臣になれそうですか?


たとえなれなかったとしても、アズちゃんと結婚式を挙げていれば、今の僕は報われます。


でも、アズちゃんじゃない別の人と結婚していたら今の僕は心配になります。その人は本当に好きな人ですか?って。



この手紙を読む時、未来の僕が後悔していないことを祈ります。



4年1組 黒田薫』



薫の方を見ると、顔を真っ赤にしている。


「薫、この時の薫は報われたね!って、そんな恥ずかしがることないじゃん。私ちょっと感動してるよ?」



「改めて読むと俺、この時からずっと梓のことばっかりじゃん。……でも、確かに10歳の俺は報われてるね。総理大臣にはなれてないけど、こうして梓と結婚して子どもまでいるんだもん。」


薫は照れた顔を隠すように私に抱きついた。


「じゃあ10歳の私たちの夢は、とりあえず2人とも叶えられたってことかな?」


私も薫の背中をぽんぽんとあやすように叩くと、首元から「まだひとつだけ、今すぐに取りかかれる叶えてない夢があるよ。」と言われた。



「え?何か残ってる?」


「2人目の子ども。10歳の梓の手紙にもあったでしょ?子ども2人って。それなら今の俺たちでも叶えられる。家とゴールデンレトリバーは、おいおい考えてくとして、梓は2人目欲しい?」


正直私は小さい頃、兄弟に憧れがあった。すぐに薫が来てくれて、弟のように思っていたけど、愛咲日には血の繋がった兄弟を持たせたいと思う。



「それは、欲しいかも。」



すると薫は、私のおでこにキスを落とした。



「なんだか、こういう甘い雰囲気久しぶりだね。薫ったらずっと愛咲日のことばっかで私に構ってくれないんだもん。」


「そりゃあ愛咲日が可愛いからね。でも、俺だっていつでも梓とこういうことしたいなって思ってるよ。」


愛咲日の眠りが深くなったタイミングで、私達は抱き合う。最近はずっとパパママモードだったので、こういう風に男の顔を見せる薫を見るのは久しぶりで、ついつい心臓が激しく音をたててしまう。


「ふふ、今私、薫にギャップ萌えってやつを感じてるかも。」


私の胸を丁寧に揉む薫の頭を抱き抱えながら、そんなことを言うと


「えっ?どこにギャップ萌えを感じたの?」


なんて、私の胸そっちのけで興味がギャップ萌えに削がれてしまった。


「んー、こういう男の人の顔見せるの、久しぶりだからドキドキしちゃったってこと。」


そう答えると、薫はキュッと先端を摘む。そして


「俺だって梓のこんないやらしい顔を見るのは久しぶりだから、すごくドキドキしてるよ?」



そんな事を言われる。私達は熱を帯びた目を交わし、どちらともなくいやらしい音の鳴るキスをした。





「あんっ、あっ、ダメぇ、激しっ…っ、」


「梓のお腹、妊娠線残ってるね。」


寝室に、いやらしい水音が響く。ぐちゃぐゃになった私のナカをかき混ぜるように、薫は激しく腰を振る。それから私のお腹に入った線を指でツッ…となぞった。



「あっ、やだっ…恥ずかしいっ…ひぁっ、」



「なんで?アズが頑張った証拠じゃん。すっごい愛しい。」



それからさわさわと私のお腹の線を確かめるように触る。


「梓、もっかい頑張ってもらってもいい?」


答えなんてわかってるくせに、エッチの時だけ薫は意地悪だ。


「あっ…薫っ、イイよっ、2人目作ろ…イクっ…っ、」


私の言葉を合図に、薫のものがぐっと私の奥に押し付けられる。それから小さくうっ、と快感を含んだ声を漏らしながら、私のナカに自身のモノを注いだ。





「うーん、もう歳かなあ。」


そんなことを言うくせに、私は結局2回も薫のものを受け入れた。確かに昔子どもを作った頃に比べたら、回数は少ない。それでも変わらずたっぷりと愛されたことは分かる。








「歳とか言う割に、私のナカ、結構たっぷり入ってる気がするんですけど。」


それから薫が持ってきてくれたお水をごくごくと飲み干す。



「それは久々ですごく気持ち良かったから、当たり前の量だよ。まぁ、この1回でできるとは思ってないし、愛咲日と同じくらい梓のことも可愛がるつもりだからね。」


薫はもう既に寝巻きに着替えている。その理由は愛咲日が起きても直ぐにあやしに行けるようにだ。その時点で私は愛咲日に負けてるんだけどね。


でも、こういう子煩悩な薫も好きだし、昔から薫は私しか見えてない事も手紙でわかったから、今愛情が幼い愛咲日優先だとしても、私は全然満足なのだ。それでも私はそんな薫に意地悪をしたくなって



「じゃあ、セックス中に愛咲日が泣いたら、どっち優先になるのかな?」


なんて狡い質問をする。薫は頭がいいのに私たちのことになると、答えなんか簡単に出せないらしく、「えー、愛咲日、いや、梓も好きだから。うーん。」


なんて馬鹿みたいに考えこんでしまった。



「その時は、私が愛咲日をあやすから、薫は私を可愛がってね?」



「えっ、てことは愛咲日の前で俺たちはヤるの?駄目だよ!愛咲日は純粋無垢でいて欲しいからそんなこと出来ない!!」



あ、これはもしかして、愛咲日が彼氏を連れてきた日にはめんどくさいタイプの父親になるな。


「梓とヤる日は絶対愛咲日が深い眠りについてからにする!」



そう意気込む薫を見て、私はやっぱり幸せな気持ちになるのだ。



~fin~



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