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2 しばらく泳がしてみるわ
夫のイアンはというと、このキャサリンを愛おしそうに見ている。キャサリンもその視線に艶やかな笑みをつくってこたえていた。
なるほどね・・・・・・そういうことですか・・・・・・
勤務表を確認したかっただけの私は、思わぬ収穫を得て早速屋敷に戻ると、父の代から仕えてくれる執事に相談した。
「なんですと? あのバカは婿養子の分際で浮気ですか? やはりアメリアお嬢様に忠告していた私が、正しかったのでは? 『不細工だから浮気できないし、誠実と思うのは迂闊です。愚かな不細工ほど勘違いして危ないのです!』と、申しあげましたよねぇ」
「えぇ。言っていたわね? 今までモテなかった者が急にモテだすと暴走するって話だったわよね? でも、知り合った当初のイアンはとてもいい人だったのよ?」
「ただのトンマですな。先代が亡くなって院長になった途端に、勘違い女が金目当てに寄ってきて浮かれているのでしょう?」
「そこで、お願いがあるのよ。なんとしても家出したお姉様を本気で探したいわ。平民を愛していなくなったお姉様を恨んでいたけれど、それまではとても仲が良い姉妹だったわ」
「お任せください」
❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ
「俺はこの屋敷にキャサリンを住まわせることにした!」
その日の夕方、珍しく早く帰ってきたイアンは、サロンで寛いでいる私にそう宣言した。
「やはり、浮気していたのね? イアン、浮気は許しませんよ? 今なら、謝れば許してあげますわ」
「なんだと? 偉そうに! 身の程知らずだなぁ。浮気ぐらいで騒ぐな!」イアンは私を突き飛ばし、ふん!と鼻を鳴らした。
「貴族なんて皆、愛人がいるじゃないかっ! 俺は当然の権利を行使しただけだ!」
ーーなおも、言い募る貴方、忘れてませんか? 貴方は、婿養子ですよね?
「なかなか俺たちの間に子供ができない原因を教えてやろうか? お前の排卵障害だよ! つまりお前の身体は欠陥品なんだ! イシド伯爵家に跡継ぎはできない。さぁ、どうする? そこで俺様とキャサリンの出番だ! 俺は、生殖機能になんの問題もない! だから、イシド伯爵家の為に頑張ってやろうというんだ。感謝しろよ!」
「はぁ・・・・・・」
「キャサリンを見ただろう? あの色っぽい女はさ、俺にぞっこんなんだ。あいつならたくさん子供を産んでくれる。これで、イシド伯爵家も安泰だろう? お前には俺たちの子としてその子を育てさせてやるよ。腹を痛めず俺の子が手に入る。感謝しろよ!」
「はぁ・・・・・・私達の子供として育てる? キャサリンはどうするのですか?」
「もちろんここに住まわせ、イシド伯爵の当主の愛人として囲うに決まっているだろう? 皆、やっていることじゃないか! いや、子供が産まれたら跡継ぎの母親としてそれなりの地位を保証し、離れに屋敷を建ててプレゼントだな。愛人の為の別邸って、よく高位貴族達が作ってるだろ?」
ーーだから、それをしているのは当主ですよ。爵位を継いだ正当な跡取りだけが愛人を囲えます。貴方は婿養子なんですがねぇ。 しかも、それって侯爵以上の身分の方しかしませんよね?
私はすっかりこの状況が愉快に思えてきたのだった。今すぐこの勘違い男に制裁を加えるよりも、もっと後に引き伸ばした方が楽しくありませんか?
ーーふふふっ。性格が悪い? えぇ、私こんなクズに優しくなれるほど人間できていませんことよ?
「お前の親戚は誰もいないじゃないか! 跡継ぎがいなければイシド伯爵家は存続しないんだぞ! はははは!」
盛大な勘違いで気が大きくなっているイアンは、もうすでに当主のつもりのようだった。
おめでたい男ですよね?
なるほどね・・・・・・そういうことですか・・・・・・
勤務表を確認したかっただけの私は、思わぬ収穫を得て早速屋敷に戻ると、父の代から仕えてくれる執事に相談した。
「なんですと? あのバカは婿養子の分際で浮気ですか? やはりアメリアお嬢様に忠告していた私が、正しかったのでは? 『不細工だから浮気できないし、誠実と思うのは迂闊です。愚かな不細工ほど勘違いして危ないのです!』と、申しあげましたよねぇ」
「えぇ。言っていたわね? 今までモテなかった者が急にモテだすと暴走するって話だったわよね? でも、知り合った当初のイアンはとてもいい人だったのよ?」
「ただのトンマですな。先代が亡くなって院長になった途端に、勘違い女が金目当てに寄ってきて浮かれているのでしょう?」
「そこで、お願いがあるのよ。なんとしても家出したお姉様を本気で探したいわ。平民を愛していなくなったお姉様を恨んでいたけれど、それまではとても仲が良い姉妹だったわ」
「お任せください」
❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ
「俺はこの屋敷にキャサリンを住まわせることにした!」
その日の夕方、珍しく早く帰ってきたイアンは、サロンで寛いでいる私にそう宣言した。
「やはり、浮気していたのね? イアン、浮気は許しませんよ? 今なら、謝れば許してあげますわ」
「なんだと? 偉そうに! 身の程知らずだなぁ。浮気ぐらいで騒ぐな!」イアンは私を突き飛ばし、ふん!と鼻を鳴らした。
「貴族なんて皆、愛人がいるじゃないかっ! 俺は当然の権利を行使しただけだ!」
ーーなおも、言い募る貴方、忘れてませんか? 貴方は、婿養子ですよね?
「なかなか俺たちの間に子供ができない原因を教えてやろうか? お前の排卵障害だよ! つまりお前の身体は欠陥品なんだ! イシド伯爵家に跡継ぎはできない。さぁ、どうする? そこで俺様とキャサリンの出番だ! 俺は、生殖機能になんの問題もない! だから、イシド伯爵家の為に頑張ってやろうというんだ。感謝しろよ!」
「はぁ・・・・・・」
「キャサリンを見ただろう? あの色っぽい女はさ、俺にぞっこんなんだ。あいつならたくさん子供を産んでくれる。これで、イシド伯爵家も安泰だろう? お前には俺たちの子としてその子を育てさせてやるよ。腹を痛めず俺の子が手に入る。感謝しろよ!」
「はぁ・・・・・・私達の子供として育てる? キャサリンはどうするのですか?」
「もちろんここに住まわせ、イシド伯爵の当主の愛人として囲うに決まっているだろう? 皆、やっていることじゃないか! いや、子供が産まれたら跡継ぎの母親としてそれなりの地位を保証し、離れに屋敷を建ててプレゼントだな。愛人の為の別邸って、よく高位貴族達が作ってるだろ?」
ーーだから、それをしているのは当主ですよ。爵位を継いだ正当な跡取りだけが愛人を囲えます。貴方は婿養子なんですがねぇ。 しかも、それって侯爵以上の身分の方しかしませんよね?
私はすっかりこの状況が愉快に思えてきたのだった。今すぐこの勘違い男に制裁を加えるよりも、もっと後に引き伸ばした方が楽しくありませんか?
ーーふふふっ。性格が悪い? えぇ、私こんなクズに優しくなれるほど人間できていませんことよ?
「お前の親戚は誰もいないじゃないか! 跡継ぎがいなければイシド伯爵家は存続しないんだぞ! はははは!」
盛大な勘違いで気が大きくなっているイアンは、もうすでに当主のつもりのようだった。
おめでたい男ですよね?
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