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7 マリーナと皇太子殿下の末路(マリーナ視点)※残酷描写あり。血が流れるシーンあり。R18
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マリーナ視点 ※残酷描写あります。また血が流れる描写もあります。苦手な方は読まないでください。これを読まなくてもこの先の物語には影響はありません。次回はローズとフィンリーの甘い恋になっていきますので、残酷が苦手な方はこれを飛ばして次回からお読みください。
とてもまずいことになった。皇太子殿下がかばってくれたのはいいけれど2人で賎民になるというのは受け入れがたいことだった。でも死罪よりはマシだ。
待って……どうなのかなぁ……マシなのかな……賤民は人として認められない最下層な者たちを言う。これは虐げてもいい。もっと言えば殺しても罪に問われない者たちのことなのだ。
私たちは宮廷を追放され賎民の住む荒んだ地区に放り出された。住む場所は汚くて狭い長屋で隣近所との壁が薄すぎる。
「皇太子だった俺がなんでこんなことに!」
いつもそう愚痴る悲劇の主人公になった皇太子は少しも素敵じゃなくなった。土木工事の仕事を日雇いでするしかなかった皇太子はすっかり日に焼けて体はたくましくなったけれど精神は病んでしまったようだ。
「お前のせいでこうなったんだ! お前が俺を誘惑してくるからこんなことになったんだ」
私は皇太子に毎日殴られ蹴られた。夫である皇太子が道路工事から帰ってくるのがたまらなく怖い。嫌なことがあった日は腹いせに拳で殴られ腹を蹴られた。いいことがあったときにも景気付けだと言われ、やはり頰を平手で叩かれた。つまりどんな日にも何かしら体に傷を付けられる。まさに地獄だった。
「いい加減にしてよ! 私だって侯爵令嬢だったのにまさか賎民に落とされるなんて思わなかったんだもの。女に手をあげるなんて最低よ! だから廃太子になったんだよね」
つい言い返した私に狂ったように殴りだす皇太子。それはもうまともな人間ではなかった。毎日が夫婦喧嘩の日々で、お互いが憎みあい殴りあう日々。
それでも男の方が力が強いから私はいつもボロ雑巾のようになって床に倒れた。
どうしてこんなことになってしまったんだろう?
いつものように殴られていると隣の部屋の壁がぶち抜かれ隣人が侵入してきた。
「あんた達夫婦はいつもうるさすぎなんだよ。しょっちゅう喧嘩をしていてみんなが迷惑しているんだ。でもね、それもあたしらには都合がよかったよ。だってさー、夫婦喧嘩で刃傷沙汰になり死ぬ人間なんてごまんといるからね。あんたたちの会話は筒抜けだったんだよ。貴族様だったんだろう? だったらその指輪も本物の金なんだよね?」
隣の夫婦は私の指にはまっている指輪を下卑た笑いを浮かべて見つめた。
その手には刃物が光り、下卑た笑いは残忍さを増していく。そして皇太子と私の腹を交互に刺した。赤い血が滴り落ちる。その血の色は鮮やかな赤で、私の罪の深さを洗い流すかのように流れていった。
それでも致命傷では無いから、なかなか死ぬことはできない。焼き付くような傷の痛みはあるが、確実に出血をしていながらもそれほど深くない傷は私を気絶させることもできない。
「さてと、指輪をいただこうかね? あれ、取れないよ。おかしいねぇ。はずれないなら指ごと切り落としてしまえばいいか」
「いやぁー、ぎゃー!! やめてよ、やめて、やめてよー!!」
私は声を限りに叫ぶけれど、誰も助けに来てはくれない。いつも夫婦喧嘩をしている私たちなのでいつものことだと長屋の皆は思っているのだろう。
「頼むからやめてくれ!指を切らないで! 何をするんだ! ぎゃぁーーー」
皇太子の指も切られそうになっていた。恐怖のあまり絶叫し失禁までしている皇太子が滑稽に見える。
指輪をしていた指が切断されそこからも血が噴き出し痛さに顔を歪め、うめき声しかでない。これが皇族を殺そうとした罰、そしてお姉さまを殺そうとした罰なのかもしれない。
「この2人ピアスもおしゃれなものをしているよ?」
「そうだな、耳ごとそいでしまえばいいだろう」
さらに耳を切り落とそうとする隣人夫婦は悪魔に違いない。
ちょっとやめてよ、なんでこんな拷問みたいなことになってるの? 痛い、痛い、痛い、痛い……血の海の中で溺れ散々苦痛を味わった挙句、やっと意識が薄れかけた頃に誰かの笑い声が聞こえた。
「約束通り人間の極限までの苦痛の叫びをもらったぞ!あはははは」
聞き覚えのあるあの美貌の占い師の声が聞こえたような気がした。
お姉様を追い込み、自分が皇后になろうとした私の報いはこのようなことになったのだった。
でも私は本当に皇后になりたかった。あの最高の地位にどうしても就きたかった。
だから、後悔はない……あるとすれば、もっとうまく策略を巡らすことができなかったことが悔やまれるだけ……
とてもまずいことになった。皇太子殿下がかばってくれたのはいいけれど2人で賎民になるというのは受け入れがたいことだった。でも死罪よりはマシだ。
待って……どうなのかなぁ……マシなのかな……賤民は人として認められない最下層な者たちを言う。これは虐げてもいい。もっと言えば殺しても罪に問われない者たちのことなのだ。
私たちは宮廷を追放され賎民の住む荒んだ地区に放り出された。住む場所は汚くて狭い長屋で隣近所との壁が薄すぎる。
「皇太子だった俺がなんでこんなことに!」
いつもそう愚痴る悲劇の主人公になった皇太子は少しも素敵じゃなくなった。土木工事の仕事を日雇いでするしかなかった皇太子はすっかり日に焼けて体はたくましくなったけれど精神は病んでしまったようだ。
「お前のせいでこうなったんだ! お前が俺を誘惑してくるからこんなことになったんだ」
私は皇太子に毎日殴られ蹴られた。夫である皇太子が道路工事から帰ってくるのがたまらなく怖い。嫌なことがあった日は腹いせに拳で殴られ腹を蹴られた。いいことがあったときにも景気付けだと言われ、やはり頰を平手で叩かれた。つまりどんな日にも何かしら体に傷を付けられる。まさに地獄だった。
「いい加減にしてよ! 私だって侯爵令嬢だったのにまさか賎民に落とされるなんて思わなかったんだもの。女に手をあげるなんて最低よ! だから廃太子になったんだよね」
つい言い返した私に狂ったように殴りだす皇太子。それはもうまともな人間ではなかった。毎日が夫婦喧嘩の日々で、お互いが憎みあい殴りあう日々。
それでも男の方が力が強いから私はいつもボロ雑巾のようになって床に倒れた。
どうしてこんなことになってしまったんだろう?
いつものように殴られていると隣の部屋の壁がぶち抜かれ隣人が侵入してきた。
「あんた達夫婦はいつもうるさすぎなんだよ。しょっちゅう喧嘩をしていてみんなが迷惑しているんだ。でもね、それもあたしらには都合がよかったよ。だってさー、夫婦喧嘩で刃傷沙汰になり死ぬ人間なんてごまんといるからね。あんたたちの会話は筒抜けだったんだよ。貴族様だったんだろう? だったらその指輪も本物の金なんだよね?」
隣の夫婦は私の指にはまっている指輪を下卑た笑いを浮かべて見つめた。
その手には刃物が光り、下卑た笑いは残忍さを増していく。そして皇太子と私の腹を交互に刺した。赤い血が滴り落ちる。その血の色は鮮やかな赤で、私の罪の深さを洗い流すかのように流れていった。
それでも致命傷では無いから、なかなか死ぬことはできない。焼き付くような傷の痛みはあるが、確実に出血をしていながらもそれほど深くない傷は私を気絶させることもできない。
「さてと、指輪をいただこうかね? あれ、取れないよ。おかしいねぇ。はずれないなら指ごと切り落としてしまえばいいか」
「いやぁー、ぎゃー!! やめてよ、やめて、やめてよー!!」
私は声を限りに叫ぶけれど、誰も助けに来てはくれない。いつも夫婦喧嘩をしている私たちなのでいつものことだと長屋の皆は思っているのだろう。
「頼むからやめてくれ!指を切らないで! 何をするんだ! ぎゃぁーーー」
皇太子の指も切られそうになっていた。恐怖のあまり絶叫し失禁までしている皇太子が滑稽に見える。
指輪をしていた指が切断されそこからも血が噴き出し痛さに顔を歪め、うめき声しかでない。これが皇族を殺そうとした罰、そしてお姉さまを殺そうとした罰なのかもしれない。
「この2人ピアスもおしゃれなものをしているよ?」
「そうだな、耳ごとそいでしまえばいいだろう」
さらに耳を切り落とそうとする隣人夫婦は悪魔に違いない。
ちょっとやめてよ、なんでこんな拷問みたいなことになってるの? 痛い、痛い、痛い、痛い……血の海の中で溺れ散々苦痛を味わった挙句、やっと意識が薄れかけた頃に誰かの笑い声が聞こえた。
「約束通り人間の極限までの苦痛の叫びをもらったぞ!あはははは」
聞き覚えのあるあの美貌の占い師の声が聞こえたような気がした。
お姉様を追い込み、自分が皇后になろうとした私の報いはこのようなことになったのだった。
でも私は本当に皇后になりたかった。あの最高の地位にどうしても就きたかった。
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