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397.不穏2

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「うわっ!この量は一体」

全てを取ることが出来ずに幾つかのアイテムが床に転がり、
闇にその音が響いた。
既に真夜中の3時を過ぎていた。
アイテムを集めると、誠一は簡単に今の状況とここまでの経緯を話した。
プレーヤーから大学の件は、後日、話すと提案されて、会話は終了した。

 誠一はベッドに横になるや否や眠りについた。

「よう、おはよう、アル!今日、大丈夫か?
あんまし疲れているなら、後ろの方でゆっくりしていて、いいぞ」
にやにやするヴェルの表情に一体、何のことか誠一には分からなかった。
しかし、事実、眠いは眠いのでヴェルの提案を受け入れた。

 何やら妙な誤解をしているヴェルに誠一は、眠い目を擦りながら伝えた。
「昨日は真夜中まで大変だったよ。結構、長かったからね」

「おっおう、そうか!」
何故かヴェルは、怯んだ。

「久々だったからね」

「おっおう。アル、分かったからもういいぞ」
何故かヴェルは、耳を塞ぐ振りをした。

「まあ、後で詳しく話すよ。ヴェルも知りたいだろうしね」

「おっおう。ってかもういいよ。
アルが疲れているのは充分にわかったから」
何故かヴェルは、もうこの話は終わりだというように
会話を終えようとした。

「そうそう、神様から色々と下賜されたし、
どうもよろしくない情報を頂いたからさ。
対策を立てないとね」

「おっおう。ってーーーじゃあ、あの真夜中に
ガタガタとうるさい音は、アイテムの転がる音なのか!」
何故かヴェルは、突然、誠一に喰いつかんばかりの勢いで近づいた。

「ヴェル、近い近いって!」

「おっおう。一気に目が覚めたぞ。
もしかして、その履いている妙な靴は下賜品なのか。
まったく良いよな、神の恩寵を受けられて」
羨ましそうなヴェルに誠一が伝えた。

「まあ、そう言わずにね。
今回も回復薬を始め、大量のアイテムが突然、下賜されたから」

ヴェルは朝食のテーブルにつくと、神の恩寵へ祈りを捧げた。
周りのメンバーも誠一の話を聞くと、祈りを捧げた。
誠一はそんな彼らを冷ややかに見ていた。
誠一は、どうにもあのプレーヤーにここまで敬虔な態度を
取る気にはなれなかった。

「神々の世界にも色々とあるということか。
アルフレート君、暫く周辺の村々を回って行方を
ぼかすのが最良ということかな」
朝食後、誠一の説明を聞いたロジェが今後について、確認を求めた。

「ええ、そうです。ほとぼりというか暫くすれば、
この件は収まると言っていました」

「神様が仰ったなら、その通りでしょうね。
いくつかの依頼を受けてから、ここを暫く離れましょう。
アル、良かったわね、神様が去っていなくて」
このメンバーでは最も自分のプレーヤーを
崇拝するシエンナが一も二もなく賛成した。

毎度のことながら、シエンナの心酔ぷりが
心配になる誠一だった。
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