今日から俺が総理大臣~口で言うのは簡単~

大沢二郎、三十六歳。会社員。

彼は、口を開けば政治批判。

「俺が総理大臣だったらなぁ」

それが口癖だった。

増税に文句。
外交に文句。
少子化対策に文句。

だが――

自分が何かを変える努力は、しない。

選挙にも行かない。
ボランティアもしない。
署名もしない。

ただ、ニュースを見ては酒を飲み、

「俺がやればもっとマシや」

と吐き捨てるだけ。

毎晩通う行きつけの店に飽き、

新たな愚痴吐き場を求めて足を向けた先が――

最近見つけた、BARワンダーだった。

翌朝。

何かが起こる。

これは――
口で言うのは簡単だった男の話。
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